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知識創造研究室 by CRM(xRM)

CRMコンサルタントとしてEMOROCO CRM Liteを提案する方法 — コンサルティング連載全6回まとめと活用ガイド

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

「ツールを導入するのではなく、組織を変える」

これがCRMコンサルタントとして伴走する際の根本的な姿勢です。
どれだけ優れたCRMでも、「ツールを入れること」が目的になった瞬間に定着は失敗します。
「顧客との関係を育てる組織」に変わることが目的であり、EMOROCO CRM Liteはその道具です。

この連載は、CRMコンサルタントとして・IT導入支援事業者として・社内のCRM推進担当者として、EMOROCO CRM Liteの導入をクライアント(または自社)と共に進める人のために書きました。
ヒアリングから設計・構築・定着・進化・健診まで、6回にわたって「伴走のプロセス」を体系化しています。

この記事は連載全6回のナビゲーションです。自分の今いるフェーズから読み始めてください。


この連載は誰のために書いたか

CRMコンサルタント・IT導入支援事業者:
クライアント企業へのEMOROCO CRM Lite提案・導入支援を仕事にしている方。
または、これから独立・副業でCRMコンサルを始めたい方。
6回の連載を通じて「提案から卒業まで」の全プロセスの方法論が体系化されています。

社内のCRM推進担当者(DX担当・情報システム担当)
自社にEMOROCO CRM Liteを導入する社内推進者として、「どう経営者を巻き込むか」「どう現場に定着させるか」という問いに答える設計が詰まっています。

経営者・管理職(導入を検討している方)
「コンサルタントが何をしてくれるか」「自社でどう進めるか」を理解する読み物として。
第1回のヒアリング設計を「自己診断ツール」として使えます。


連載全6回の全体構造

【CRMコンサルティングの6フェーズ】

Day 0以前    :第1回 ヒアリングと現状診断
                「何のためにCRMを入れるか」を引き出す

Day 1〜5     :第2回 設計フェーズ
                フィールド・ワークフロー・ダッシュボードをゼロから設計

Day 6〜14    :第3回 構築・データ移行
                技術的な構築と移行の完全手順

Day 15〜30   :第4回 研修・定着支援
                「入力したくなる」組織を作る研修設計

Day 60〜     :第5回 SoI-PDCA本格稼働
                週次の意思決定ループを組織に根付かせる

継続的に     :第6回 定期健診・改善・進化
                CRMの形骸化を防ぎ、育て続ける仕組み

第1回:初回ヒアリングと現状診断——「何をCRMに求めるか」を引き出す問いの技術

この回で答える問い: 「最初のヒアリングで何を聞くべきか」「クライアントが本当の課題を話してくれないとき、どうするか」

核心の内容:

「ヒアリングが導入の8割を決める」という命題を出発点に、初回ヒアリングで引き出すべき5つの問いを体系化します。

【ヒアリングの5つの問い】
① 現状の痛み:「今、何が一番不便・不安・もったいないと感じているか」
② ユーザーの実態:「誰が・いつ・何を入力して・何を見るか」
③ 顧客観:「顧客との関係で大切にしていることは何か」
④ 成功の定義:「導入して6ヶ月後、何が変わっていればOKか」
⑤ 将来像:「3年後、この会社はどんな組織になりたいか」

また「してはいけないNGリスト」も収録。
「最初に機能を説明する」「ツールありきで話を進める」「『なんでもできます』と言う」——これらがコンサルタントへの信頼を失う最短経路であることを、具体的な失敗パターンとして示します。

4つのバイタルサイン診断(組織の情報の流れ・担当者のIT習熟度・経営者のCRM理解度・既存データの状態)を使って、クライアントの現状を客観的に評価する方法も含みます。

回の締めくくりは「初回ヒアリング終了時の合意事項6項目」。
この合意なしに設計フェーズに進んではいけません。

コンサルタントへの示唆:
クライアントは「CRMが欲しい」と言いますが、本当に欲しいのは「フォロー漏れがなくなること」「担当者変更後も関係が続くこと」「週次報告会議をなくすこと」です。
ヒアリングの目的は「本当に欲しいものを言語化する支援」です。

第1回を読む → 【連載:EMOROCO CRM Lite導入コンサルティングの進め方】第1回 — 「何のためにCRMを入れるのか」を決める初回ヒアリングと現状診断


第2回:設計フェーズ——フィールド・ワークフロー・ダッシュボードをゼロから設計する

この回で答える問い: 「コンサルタントが設計してクライアントに渡す」のが正解か、「クライアント自身が設計する体験をサポートする」のが正解か。

核心の内容:

この回の最大のメッセージは「コンサルタントが設計してはいけない」です。クライアント自身が設計する体験を通じてのみ、「自分たちのCRM」という当事者意識が生まれます。
コンサルタントの役割は「設計する人」ではなく「設計を支援する問いかけをする人」です。

4つのワークセッションを体系化しています。

【設計の4ワークセッション】
Session 1:エンティティ設計ワーク(何を管理するか)
 「顧客・案件・活動・商品——何のレコードが必要か」を付箋で可視化

Session 2:フィールド設計ワーク(何を記録するか)
 「このエンティティに何を記録すれば次の行動が決まるか」を1フィールドずつ決める
 → 感情温度の判断基準の合意が最重要ステップ

Session 3:ワークフロー設計ワーク(何を自動化するか)
 「もし〇〇だったら、自動で〇〇する」を3本だけ選ぶ

Session 4:ダッシュボード設計ワーク(誰が何を見るか)
 経営者・マネージャー・担当者それぞれの「今日見たいもの」を1枚に絞る

**「感情温度の判断基準の合意」**は独立したセクションとして詳述。
「ホット・ウォーム・クール・コールドをそれぞれどう定義するか」をチームで合意しなければ、データが人によってバラバラになります。

コンサルタントへの示唆:
設計セッションは「コンサルタントが答えを知っている前提で進める会議」ではなく「クライアントが自分の業務を言語化していく対話の場」です。
沈黙を恐れないこと。
問いかけた後は待つ。
クライアントの言葉から設計が生まれます。

第2回を読む → 【連載:EMOROCO CRM Lite導入コンサルティングの進め方】第2回 — 「どんなCRMを作るか」をクライアントと共に設計する


第3回:構築・データ移行——技術的な正確さと「最初の成功体験」の設計

この回で答える問い: 「データ移行で何が一番失敗しやすいか」「Day 7終了時点で何が完成していれば合格か」

核心の内容:

「Day 1〜7の時系列スケジュール」で技術的な構築プロセスを完全網羅します。
フィールド設定・ワークフロー設定・ダッシュボード設定・テストデータの投入——それぞれの工程と所要時間の目安が実務レベルで記述されています。

**CSVクレンジングの「よくある汚れ5種類と対処法」**は、実務担当者が必ずぶつかる問題への直接的な処方箋です。

【CSVクレンジングの5つの汚れ】
① 表記揺れ((株)vs株式会社、半角全角混在)
② 重複レコード(同一顧客が複数行に存在)
③ フィールドの誤配置(住所欄に電話番号が入っている)
④ 欠損値(必須フィールドが空白)
⑤ 文字化け・特殊文字(CSVエクスポート時に発生)

Day 7終了時のゴール定義が明確に設定されており、「主要顧客20社のレコードが登録済み」「ワークフロー3本が稼働中」「全ユーザーがログイン済み」という3条件が揃っていれば、構築フェーズ完了です。

コンサルタントへの示唆:
データ移行は「正確さ」と「スピード」のトレードオフです。
完璧なデータを目指して移行が遅れるより、「主要顧客から始めて残りは運用しながら追加する」という段階的なアプローチが、定着率を高めます。

第3回を読む → 【連載:EMOROCO CRM Lite導入コンサルティングの進め方】第3回 — 「実際に動くCRMを作る」構築・データ移行・初期設定


第4回:研修・定着支援——「教える」から「体験させる」への転換

この回で答える問い: 「操作研修をしても現場で使われない。なぜか、どうするか」「CRMドクターとは何者で、どう育てるか」

核心の内容:

「教える研修」と「体験する研修」の決定的な差から始まります。
「入力した直後に自分が助かる体験を研修中に届ける」——これが定着する研修の唯一の条件です。

研修の全体設計を4パートに分けています。

【研修の4パート設計】
Part 0:キックオフ(経営者が語る30分)
 「なぜCRMを入れるか」を経営者の言葉で伝える。
 コンサルタントが話す前に、経営者に話してもらう。

Part 1:感情温度の全顧客設定(最初の衝撃体験)
 全員でリアルタイムに入力→「クール以下が何%か」を発見する。
 この衝撃が研修全体の動機を作る。

Part 2:ワークフロー体験(「入力したら助かる」を実感)
 ワークフローを設定→テストデータで動かす→自分のタスクが来る。
 「入力すると自分が楽になる」体験を研修内で完結させる。

Part 3:CRMドクター育成(1名指名・権限付与)
 研修中に「この人」と決める。後日指名では遅い。

定着を阻む3つの壁と処方法(「使う理由がない」「入力が面倒」「マネージャーが見ていない」)、研修後72時間フォローの設計も収録。

コンサルタントへの示唆:
研修当日に「CRMドクター」を決めること。
「後で話し合って決めます」は、誰も決まらないことを意味します。
当日その場で指名し、経営者に承認してもらう儀式が、後の定着の根を作ります。

第4回を読む → 【連載:EMOROCO CRM Lite導入コンサルティングの進め方】第4回 — 「現場が使い続ける体制を作る」導入研修・定着支援


第5回:SoI-PDCA本格稼働——導入60日後に始まる「学習する組織」への転換

この回で答える問い: 「導入から60日後、何が変わっていれば成功か」「週次15分の意思決定会議をどう設計するか」

核心の内容:

最初の30日が「定着のフェーズ」だとすると、Day 60からは「進化のフェーズ」です。
SoI-PDCAとは「CRMを使って組織が自律的に改善し続けるループ」です。

導入60日後の「SoI-PDCA本格稼働セッション」(2〜3時間)の全アジェンダを設計しています。

【SoI-PDCA本格稼働セッションのアジェンダ】
① 最初の60日の振り返り(30分)
 「入力率・感情温度分布・ワークフロー稼働件数」の3指標を見る

② 役割別ダッシュボードの追加設計(60分)
 担当者・マネージャー・経営者それぞれの「今見たい画面」を追加

③ 週次15分会議のアジェンダ設計(30分)
 「NG3パターン」を共有し、「意思決定の会議」として再設計

④ 次の30日のアクション合意(30分)
 失注分析・感情温度パターンの発見・ワークフロー追加の優先順位

週次15分会議の「NG3パターン」——「報告を聞く会議」「全員に同じダッシュボードを見せる会議」「問題なし確認会議」——は、多くのチームが陥る典型的な失敗です。
「SoI-PDCAが軌道に乗った4つのサイン」も明記しており、コンサルタントが「成功の進捗」を自信を持って伝えられる判断基準になります。

コンサルタントへの示唆:
60日後セッションは「報告を受ける場」ではなく「次の仮説を立てる場」として設計すること。
「クール以下が減った→なぜか」「受注率が上がった→どのワークフローが効いたか」という因果の探求が、組織を「学習する組織」に変えます。

第5回を読む → 【連載:EMOROCO CRM Lite導入コンサルティングの進め方】第5回 — 「CRMを洞察のシステムとして機能させる」SoI-PDCA・ダッシュボード活用


第6回:定期健診・改善・進化——「CRM導入に完了はない」という哲学

この回で答える問い: 「CRMの形骸化はどうやって起きるか」「コンサルタントの卒業はいつか」

核心の内容:

「CRM導入に完了はない」という命題から始まります。
「導入→定着→完了」という線形モデルではなく、「導入→定着→進化→また進化」という永続的なサイクルがCRM4.0の本質です。

CRM形骸化の4段階パターンを詳述。
「第1段階:入力が減る」
「第2段階:ダッシュボードを誰も見ない」
「第3段階:ワークフローが動いても誰も対応しない」
「第4段階:CRMが単なるデータベースに戻る」
——この4段階を早期に発見し、介入する「定期健診」の設計が核心です。

3つの健診サイクルを体系化しています。

【定期健診の3サイクル】
週次15分:4バイタルサインのクイックチェック
 (入力率・感情温度分布・ワークフロー稼働率・ダッシュボード閲覧数)

月次45分:問題パターンの診断と処方
 「4バイタルサインの問題パターン×原因別処方箋」の医療的フレームワーク

四半期2時間:フィールド・ワークフローの大掃除と次期設計
 「使われていないフィールドの削除」「新しい課題への設計追加」

連載の締めくくりは**「卒業の設計——自律稼働の5つの判断基準」**と、アーカス・ジャパンの社名の意味——「ARtists for CUStomer SuccesS(顧客成功のための職人集団)」——を伴走者の哲学として示します。
コンサルタントは「依存を作る存在」ではなく「自律を設計する存在」であるという宣言で連載が完結します。

コンサルタントへの示唆:
最高の成果は「クライアントがコンサルタントを必要としなくなること」です。
依存を作ったコンサルタントは長く仕事はできますが、信頼を作ったコンサルタントは次の紹介を生みます。
卒業の設計こそが最大の営業活動です。

第6回を読む → 【連載:EMOROCO CRM Lite導入コンサルティングの進め方】第6回(最終回) — 「CRMを育て続ける仕組みを作る」定期健診・改善・進化


CRMコンサルタントとして独立・副業を考えている方へ

この連載は、EMOROCO CRM Liteの「導入支援者」として独立・副業を考えている方にも書かれています。

CRMコンサルタントという仕事の差別化ポイントは「CRM4.0(クリエイティブCRM)の思想を持っているか」です。
「ツールの設定ができる人」は増えています。「なぜこの設計にするかを顧客の言葉で説明できる人」「顧客の業務が変わるまで伴走できる人」は、まだ少ない。

EMOROCO CRM Liteは中小企業向けの最適化された設計を持ちつつ、エンタープライズ水準のインフラを持ちます。
「月額1,500円/ユーザーで始められるCRMの導入支援」は、大企業を対象にしたSalesforce導入コンサルとは異なる、「中小企業に寄り添う専門家」としてのポジションを作れます。

この連載6本を通じて身につく方法論——ヒアリング・設計・構築・定着・進化・健診——は、EMOROCO CRM Liteを超えた「CRM導入支援の汎用スキル」でもあります。


連載と合わせて読みたい記事

「伴走者」としての思想的背景:

連載の実践を補完する記事:

クライアント提案時に使える記事:


【連載を読み終えた後の最初の1ステップ】
まず第1回のヒアリングフレームワークを使って、自社(またはクライアント)の「5つの問い」に答えてみてください。
その答えが、設計フェーズへの最初の地図になります。

EMOROCO CRM Liteパートナー・導入支援については https://www.emoroco.com/ までお問い合わせください。
デジタル化・AI導入補助金2026 対応ツール番号:DL07-0022934

この記事を書いた人
松原 晋啓

詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォームドCRM)を世界的に提唱したCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、国内外で多くの賞を受賞している。
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