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中核病院向けにEMOROCO CRM Liteで地域医療連携・紹介元管理・患者サービス向上を設計する方法

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

中核病院が抱える最大の経営課題の一つは「地域医療連携の質の維持・向上」です。診療所・クリニック・介護施設・行政からの紹介によって患者が来院し、治療後に逆紹介で地域に戻るという「連携の輪」の中心に立つ中核病院にとって、連携機関との関係管理は経営の根幹です。

しかし多くの中核病院では、地域医療連携室のスタッフが「感覚と記憶」で連携先との関係を管理しており、スタッフの異動・退職で連携の質が低下するというリスクを抱えています。


中核病院のCRM——二種類の「顧客」を同時管理する

中核病院のCRMが特殊なのは、「連携先医療機関(B2B)」と「患者・家族(B2C)」という二種類の関係者を同時に管理する必要がある点です。さらに、患者に関する情報管理には医療情報の厳格な取り扱いが求められるため、セルフホスト対応のEMOROCO CRM Liteが特に適しています。


フィールド設計

【連携医療機関レコード(地域医療連携室)】
・医療機関名・診療科・院長名・連携窓口担当者
・連携開始日
・連携の種類(選択式):
  紹介元/逆紹介先/両方向/救急連携/在宅連携/
  介護連携/その他
・今年度の紹介件数(累計)
・最終紹介日・最終接触日(連携室スタッフの訪問・連絡)
・関係温度(感情温度):
  深いパートナーシップ/良好/通常/要強化/疎遠
・連携の強み・特徴(テキスト):
  例「糖尿病専門で紹介が安定している」
  例「救急搬送後の後方支援が得意」
・連携上の課題・改善点(テキスト)
・紹介後の報告状況(迅速/遅れがち/改善が必要)
・担当医(自院側)・担当連絡先(先方)
・次回訪問予定日

【患者・家族レコード(医療相談窓口)】
※患者個人情報は厳格に管理。セルフホスト推奨。
・相談内容の種類(選択式):
  入院相談/転院相談/在宅移行/退院後の生活/
  高額療養費/その他
・相談の緊急度(高/中/低)
・紹介元医療機関(連携医療機関レコードと紐付け)
・転院先・退院先(逆紹介先と紐付け)
・対応状況・フォロー内容(テキスト)
・次のアクション期日と内容

ワークフロー設計

【連携医療機関向けワークフロー】

「最終紹介から90日以上経過×関係温度:良好以上」:
  → タスク:「○○クリニック 定期訪問・近況確認」
  内容:「紹介ありがとうございます、という感謝の訪問。
       先方の困っていること・要望を聴く。
       当院の新しい診療内容・設備情報を届ける機会にする」

「紹介患者の退院が完了したとき」:
  → タスク①(翌営業日):「紹介元への退院報告と逆紹介」
  内容:「入院中の経過・退院後の注意事項・
       次回受診タイミングを速やかに報告する。
       報告の速さが連携の信頼を決める」

「関係温度が『要強化』または『疎遠』に更新されたとき」:
  → タスク:「○○医療機関 連携強化の訪問計画立案」
  内容:「なぜ紹介が減ったか・何が不満なのかを
       直接ヒアリングする機会を設ける。
       謙虚に聴く姿勢が関係修復の最初の一歩」

「今年度紹介件数が前年同期比30%以上減少している機関」:
  → タスク:「連携減少アラート——早急に状況を確認」
  内容:「競合病院への切り替えが起きている可能性。
       今月中に訪問して直接状況を確認する」

ダッシュボード設計

【地域医療連携室ダッシュボード(週次確認)】

「今週訪問推奨リスト」:
  条件:最終接触から60日以上経過×関係温度:良好以上
  → 定期的な関係維持訪問が必要な機関リスト

「紹介件数減少アラート」:
  条件:今年度紹介件数が前年同期比で減少傾向の機関
  → 早期に状況確認すべき機関リスト

「紹介報告未了リスト」:
  条件:紹介患者の退院から3営業日以上経過×報告未了
  → 紹介元への報告が遅れている案件

【院長・経営企画ダッシュボード(月次確認)】
・連携医療機関別の今月の紹介件数ランキング
・関係温度の分布(深いパートナー/良好/要強化/疎遠)
・紹介後報告の平均日数(連携の質の指標)

中核病院CRMの特殊設計——セルフホストとセキュリティ

患者の医療情報は「要配慮個人情報」として厳格な管理が求められます。EMOROCO CRM Liteは自社サーバーへのセルフホストに対応しており、患者情報が外部クラウドに出ない環境での運用が可能です。

また連携医療機関への報告速度は、地域医療連携における最重要の信頼指標の一つです。「紹介された患者の退院翌日に報告が届く」という体験が、連携先の信頼と継続的な紹介の源泉になります。EMOROCO CRM Liteの「退院完了→翌営業日報告タスク自動生成」ワークフローが、この信頼を仕組みとして実現します。
EMOROCO CRM Lite 製品ページ


関連記事:[診療所・クリニック向けにEMOROCO CRM Liteで患者との長期関係と紹介医療機関との関係を同時管理する方法]

関連記事:[「営業の属人化を解消する」——担当者が変わっても顧客との関係が続く仕組みをEMOROCO CRM Liteで作る完全ガイド]

 

この記事を書いた人
松原 晋啓

詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォームドCRM)を世界的に提唱したCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、国内外で多くの賞を受賞している。
インタビュー記事
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