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知識創造研究室 by CRM(xRM)

ホテル向けにEMOROCO CRM Liteでリピートゲスト・法人営業・ウェディング顧客の関係を設計する方法

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

「あのお客様、以前別のスタッフが担当したとき、何が好みで何が苦手だったか——そういう情報が次の担当者に引き継がれない。結果として毎回ゼロから関係を構築している」

ホテルのゲスト管理が難しいのは「接触ポイントの多さ」と「スタッフの多様性(フロント・客室・レストラン・宴会・ウェディング)」にあります。部門をまたいで「この顧客の物語」が一元管理されることで、ホテル全体でのホスピタリティの質が変わります。


ホテルCRMの三つのセグメント

個人リピートゲスト: 年に複数回来館する常連客。「前回の好み・苦情・特別な体験」が次回に活かされることで「このホテルは自分を覚えている」という体験が生まれます。

法人顧客(宴会・研修・宿泊契約): 企業の会議・研修・宴会・社員旅行などのBtoB受注。担当者変更が多い企業顧客との長期関係管理と、社内での紹介連鎖の設計が重要です。

婚礼・記念日顧客: 結婚式・周年記念・記念パーティーなど、人生の最も重要な節目に関わる顧客。「あのホテルで最高の体験をした」というピーク体験が、口コミ・紹介の最大の源泉になります。


フィールド設計

【個人ゲストレコード】
・氏名・連絡先・居住地・職業(概要)
・累計来館回数・累計宿泊数
・初回来館日・最終来館日
・通常の来館サイクル(月次/季節ごと/年次/不定期)
・部屋の好み(選択式):
  高層階/低層階/禁煙/喫煙/角部屋/特定の棟
・食の好み・アレルギー(テキスト):
  例「乳製品アレルギー。ビーガン希望」
  例「和食派。寿司が特に好き」
・特別なリクエスト・こだわり(テキスト):
  例「枕は低めを3枚希望」「アーリーチェックイン必須」
  例「バスルームに特定のアメニティを事前準備」
・来館の主な目的(選択式):
  ビジネス出張/家族旅行/カップル記念日/
  友人グループ/ひとり旅/その他
・ゲストへの感情温度:
  熱狂的ファン/リピーター/満足/要注意/クレーム歴あり
・前回の特記事項(テキスト):
  例「記念日サプライズのリクエストに完璧に対応できた」
  例「料理の温度についてご不満があった——次回要注意」
・紹介意向・SNS発信力(高/中/低)

【法人顧客レコード】
・会社名・業種・規模
・利用形態(選択式):
  定期研修/会議・セミナー/宴会/宿泊契約/ウェディング/すべて
・担当窓口(企業側)・当ホテル担当営業
・年間利用頻度・年間売上規模
・担当者変更リスク(高/中/低)
・法人感情温度(関係温度)
・次回利用予定日・次のアクション
・競合ホテルとの比較状況(テキスト)

【婚礼・記念日顧客レコード】
・婚礼日/記念日の日付
・当日のサービス評価(感情温度):
  感動/満足/普通/不満あり
・口コミ・SNS投稿の有無
・アニバーサリー利用の意向(高/中/低)
・紹介実績(知人への紹介件数)
・記念日前の年次フォロー推奨日

ワークフロー設計

【個人ゲスト向けワークフロー】

「最終来館日から来館サイクル×1.5倍以上経過」:
  → タスク:「○○様 来館促進の特別オファー準備」
  内容:「押しつけでなく、季節のプランや
       ゲストの好みに合わせた限定オファーを
       『あなたのために用意しました』という
       パーソナライズドな案内として届ける」

「ゲストの感情温度:要注意/クレーム歴あり」:
  → タスク:「○○様 次回来館時の特別対応計画の準備」
  内容:「チェックイン前に『前回の課題』を
       スタッフ全員で確認しておく。
       前回の不満が解消されたと感じてもらう
       体験を意図的に設計する」

「婚礼から1年前の記念日(前月)」:
  → タスク:「○○様 結婚1周年アニバーサリーのご案内」
  内容:「婚礼日を覚えていることを伝えつつ、
       記念日プランを案内する。
       婚礼の素晴らしい体験の記憶を呼び起こす
       一言を添える」

【法人顧客向けワークフロー】

「法人顧客の最終利用から3ヶ月以上経過×担当者変更リスク:高」:
  → タスク:「○○社 関係強化の訪問——担当変更前に」

「次回研修・宴会の3ヶ月前」:
  → タスク:「○○社 来期の利用計画のヒアリング」
  内容:「早期に次回のニーズを把握して
       優先的に日程を押さえてもらう。
       競合ホテルへの切り替えを防ぐ最重要タイミング」

ダッシュボード設計

【宿泊・フロント部門ダッシュボード(毎日確認)】

「今日のチェックイン客のうちリピーターリスト」:
  来館回数3回以上の顧客の「好み・注意事項」を事前確認

「感情温度:要注意/クレーム歴あり の今日の来館者」:
  全スタッフへの事前アラートと対応指示

【営業部門ダッシュボード(週次確認)】
・法人顧客の来館サイクル超過×関係温度:良好以上
  → 今週アプローチすべき法人顧客
・今月の婚礼後アニバーサリーが近い顧客リスト

【総支配人ダッシュボード(月次確認)】
・リピート率(来館2回以上の顧客の割合)
・熱狂的ファン顧客の紹介による新規来館数
・法人顧客の関係温度分布と売上の相関

ホテルとCRM4.0——「おもてなし」を組織の仕組みにする

ホテルのホスピタリティの本質は「ゲストが言葉にしなくても、何を必要としているかを感じ取り、先手で提供する」ことです——これはまさにCRM4.0が定義するICX(インプリシットカスタマーエクスペリエンス)の実践です。

しかし多くのホテルでは、この「おもてなし」が特定のスタッフの感性と記憶に依存しています。そのスタッフが異動・退職したとき、「あのホテルは自分を覚えている」という体験が失われます。

EMOROCO CRM Liteのナラティブメモ・感情温度・好みフィールドが「おもてなしの記憶」を組織の資産として蓄積することで、誰が担当しても同じ質の「あなたを覚えているホテル」体験を届けられる仕組みが実現します。
EMOROCO CRM Lite 製品ページ


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この記事を書いた人
松原 晋啓

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アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォームドCRM)を世界的に提唱したCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、国内外で多くの賞を受賞している。
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