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知識創造研究室 by CRM(xRM)

町おこし・地域活性化向けにEMOROCO CRM Liteで関係人口・移住者・協力者ネットワークを設計する方法

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

「地域に関わってくれる人は増えてきた。でも、その人たちとの関係をどう維持・深化させるかの仕組みがない」

町おこし・地域活性化に取り組む組織が共通して抱えるこの悩みの本質は、「人との関係を管理する仕組みが存在しない」ことです。地域おこし協力隊が3年の任期を終えて離任するとき、その協力隊が3年かけて築いた地域内外の人的ネットワークの多くが失われます。これは「属人化による関係性資産の損失」の典型例です。


町おこし・地域活性化のCRMが管理する四つの関係者

関係人口(外部からの関わり人口): 移住はしないが地域に継続的に関わる人たち。都市部から定期的に来訪するボランティア・ふるさと納税寄付者・オンラインで地域の情報を発信してくれる人など。

移住検討者・移住者: 「住む」という最も深い関わりを選んだ人たち。移住前の検討段階から移住後の定着支援まで、長期的な関係管理が必要。

地域内の協力者・事業者: 地元の農家・職人・飲食店・宿泊施設など、地域活性化の「担い手」となる内部の関係者。

行政・外部支援組織・メディア: 補助金・助成金の調整や、地域の情報を外部に発信してくれる組織との関係管理。


フィールド設計

【関係人口レコード】
・氏名・居住地(都市名)・職業・専門性
・地域との接点のきっかけ(テキスト):
  例「2年前のワーケーションで来て気に入った」
  例「移住検討中に来たが、現在は関係人口として関わっている」
・関わりの種類(選択式・複数可):
  定期来訪/オンライン関与/SNS発信/
  ふるさと納税/プロボノ支援/情報発信者/その他
・地域への貢献・専門性(テキスト):
  例「デジタルマーケティングの専門家。SNS発信を手伝ってくれる」
  例「農業に関心があり、農繁期に毎年来てくれる」
・地域愛着度(感情温度):
  熱狂的/積極的/好意的/様子見/疎遠
・移住意向(高/中/低/なし)
・次の来訪予定・次のアクション内容
・紹介意向(地域を他の人に紹介してくれるか)

【移住者レコード】
・氏名・転入年月・転入前の居住地
・移住の動機(テキスト)
・現在の地域での活動(職業・コミュニティ参加)
・定着度(感情温度):
  完全に馴染んでいる/良好/やや孤立感/定着に課題あり
・地域への貢献(テキスト)
・移住後の課題・困っていること(テキスト)
・地域活性化への参加意向

【地域内協力者・事業者レコード】
・氏名/事業者名・種別(農家/職人/飲食/宿泊/その他)
・事業の強み・地域のユニークさ(テキスト)
・協力してもらっている内容(テキスト)
・現在の課題(テキスト):
  例「後継者がいない」「販路が限られている」
・関係温度(感情温度)
・協力への積極性(高/中/低)

ワークフロー設計

【関係人口・移住者向けワークフロー】

「関係人口の最終来訪から6ヶ月以上経過×地域愛着度:積極的以上」:
  → タスク:「○○さん 地域のアップデートをお届けする」
  内容:「最近の地域の動きを伝える。
       近況を聞く。次の来訪のきっかけを作る。
       Webイベント・オンライン参加の案内も有効」

「移住者の定着度:やや孤立感/定着に課題あり に更新」:
  → タスク:「○○様 移住後の生活フォロー面談」
  内容:「困っていることを傾聴する機会を作る。
       地域のコミュニティ・人脈・サービスを
       積極的に紹介する。離脱(再移住)を防ぐ
       最も重要な介入のタイミング」

「移住から3ヶ月・6ヶ月・1年後」:
  → タスク:「○○様 移住○ヶ月記念フォロー」
  内容:「節目に声をかけることで、
       地域が本人を気にかけていることが伝わる。
       地域への愛着形成の重要な機会」

【地域内協力者向けワークフロー】

「後継者なし×最終接触60日以上」:
  → タスク:「○○さん 後継者・事業継続の相談機会を作る」
  内容:「関係人口や移住者の中に
       後継者候補がいないか探す。
       事業承継マッチングの機会を設計する」

ダッシュボード設計

【地域おこし協力隊・まちづくり担当の週次ビュー】

「今週フォロー推奨の関係人口リスト」:
  最終来訪6ヶ月以上×地域愛着:積極的以上

「移住定着リスクアラート」:
  定着度:やや孤立感/課題あり の移住者

「後継者問題の協力者リスト」:
  後継者なし×最終接触60日以上

【年次確認ビュー(まちづくり会社・DMO・行政向け)】
・関係人口の総数と地域愛着度の分布変化
・移住者数の推移と定着率
・地域内協力者の後継者問題の深刻度分布

「地域を愛する人のネットワーク」を組織の資産にする

地域おこし協力隊が3年の任期を終えるとき、その人が関わった「地域を愛する人のネットワーク」がEMOROCO CRM Liteに記録されていれば、次の協力隊や地元スタッフが「物語の続き」から関係を引き継げます。

地域活性化の持続可能性は「地域を愛する人たちとの長期的な関係」にかかっています。その関係を組織の仕組みとして蓄積する——これが町おこしにおけるCRM4.0の最も重要な実践です。
EMOROCO CRM Lite 製品ページ


関連記事:[自治体向けにEMOROCO CRM Liteで移住促進・関係人口・事業者支援の関係管理を設計する方法]

関連記事:[人口減少時代の中小企業生存戦略——「新規顧客を増やす」から「今いる顧客と深く生きる」への転換]

 

この記事を書いた人
松原 晋啓

詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォームドCRM)を世界的に提唱したCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、国内外で多くの賞を受賞している。
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