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知識創造研究室 by CRM(xRM)

ライブイベント運営にEMOROCO CRM Liteを使う — クマバズフェスで培ったノウハウを次のイベントへ

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

「イベントに来てくれた人が、次も来てくれる仕組みを作りたい」

ライブイベントを主催する側が抱える課題は、実は不動産仲介や保険代理店と構造的に同じです。
一度接点を持った人が「次もここで体験したい」と思い続けてくれるかどうか。そのための関係設計が、イベントの継続・成長を決めます。

アーカス・ジャパンはかつて代表がパーソナリティを務めていたKBS京都ラジオの番組「松原晋啓のクマ社長よりBUZZをこめて(クマバズ)」とコラボしたライブイベント「クマバズフェス」を主催していました。
このイベントは現在は終了していますが、クマバズフェスの運営を通じてEMOROCO CRM Liteで蓄積した「ライブイベント参加者管理のノウハウ」は、現在もONE LAMPなどの後続イベントに引き継がれています。

この記事では、クマバズフェスで実践し磨いたイベント運営CRMの設計を解説します。
「ライブイベントのCRM活用」を検討している主催者の方に、実践的な参考として活用してください。


クマバズフェスとは——終わったイベントが残したもの

クマバズフェスは、アーカス・ジャパンが主催したライブイベントです。
音楽・エンターテインメントを通じてコミュニティを育てることを目的とし、参加者・アーティスト・スタッフの三者が一体となった体験を作ることを大切にしていました。

イベント自体は終了しましたが、運営を通じて得られた知見は非常に大きなものでした。
特にEMOROCO CRM Liteを使った「参加者の感情温度管理」「アーティストとの関係継続」「コアファンの育成設計」というノウハウは、ONE LAMPをはじめとする後続イベントの運営基盤として生きています。

イベントビジネスにおけるCRM活用は、まだ一般的ではありません。
「参加者リストはExcelで管理」「告知はメルマガかSNSのみ」という運営が多い中、クマバズフェスの経験はその先を示す実践知として蓄積されました。


イベント運営における4つの課題

課題①:参加者の「熱量」が見えない

イベントの参加者データは「来た・来なかった」という二択です。
しかし実際には、毎回必ず来る「コアファン」から、一度だけ来た「試し参加者」まで、参加者の熱量は大きく異なります。
この熱量が見えないと、全員に同じ告知を送るしかなくなります。

課題②:次回イベントの告知が一律になる

「次回イベントのお知らせ」をメルマガで全員に送っても、反応率は低い。
「前回来てくれた人の中で、特に熱量が高かった人に、チケット先行販売の案内を優先的に送りたい」という設計が、参加率と売上を左右します。

課題③:アーティスト・スタッフとの関係管理が属人化している

イベント主催者にとって、アーティスト・スタッフとの関係も重要な「顧客」です。「このアーティストはどんな条件を希望しているか」「前回のイベントでどんな要望があったか」「次回出演の可能性はどうか」——こういった情報が担当者の頭の中にしかないと、担当者が変わった瞬間に関係が一から始まります。

課題④:物販・グッズ販売との連携がない

イベント当日の物販(グッズ購入)データと、EC販売・次回イベント参加のデータを統合できていないと、「コアファンが誰か」の全体像がつかめません。


EMOROCO CRM Liteでの設計

3つのレコード設計

クマバズフェスの運営を通じて確立した、3種類のレコード設計です。

① 参加者レコード(ファン管理)

フィールド名 種類 内容
感情温度 選択式 赤=ホット / オレンジ=ウォーム / 青=クール / 水色=コールド
参加回数 数値 イベントへの累計参加回数
最終参加イベント テキスト 直近参加したイベント名・日付
物販購入有無 選択式 あり / なし
好みのジャンル 選択式(複数可) 音楽ジャンル・アーティスト種別
SNS発信 選択式 積極的 / 時々 / しない
ナラティブ テキスト 「このお客様との印象的なエピソード」

② アーティスト・出演者レコード

フィールド名 種類 内容
感情温度 選択式 アーティストとの関係温度
出演回数 数値 累計出演回数
希望条件メモ テキスト 出演料・機材・時間帯などの希望
次回出演意向 選択式 積極的 / 検討中 / 難しい
担当スタッフ 担当者 主担当のスタッフ名

③ イベントレコード(開催管理)

フィールド名 種類 内容
開催日 日付 イベント開催日
参加者数 数値 当日の参加者数
売上 数値 チケット+物販売上合計
平均感情温度スコア 数値 参加者の感情温度平均
次回告知予定日 日付 次回イベント告知のターゲット日

ワークフロー設計:5本の自動フォロー

ワークフロー①:イベント終了72時間後のサンクスフォロー

トリガー:イベントレコードの「開催日」から72時間後
アクション:全参加者へ担当者タスク生成
「イベント参加へのサンクス連絡。
 感想を必ず聞き、ナラティブに記録すること。
 『次回も来たいか』という意向を感情温度に反映させること」

ワークフロー②:次回イベント告知の優先リスト生成

トリガー:新イベントレコード作成(次回開催決定時)
アクション:「感情温度ホット/ウォーム × 参加回数2回以上」の
      参加者リストを自動抽出
「次回イベントの先行告知対象リストです。
 メルマガより2週間早く個別連絡を行うこと」

ワークフロー③:6ヶ月以上未参加のクール顧客へのウォームアップ

トリガー:最終参加イベント日から180日以上 × 感情温度クール以下
アクション:担当者タスク生成
「{顧客名}様が6ヶ月以上来ていません。
 近況確認の連絡を。次回イベントの情報を添えて
 プレッシャーなしで接触すること」

ワークフロー④:アーティスト出演から3ヶ月後のフォロー

トリガー:出演者レコードの「最終出演日」から90日後
アクション:担当者タスク生成
「{アーティスト名}の出演から3ヶ月です。
 近況確認と次回出演の意向確認を行うこと」

ワークフロー⑤:参加回数3回到達のコアファン認定

トリガー:参加者レコードの「参加回数」が3になった
アクション:感情温度を自動でホット(赤)に変更
      + 担当者タスク「コアファン認定のお礼連絡。
      特別なサプライズを検討すること」

感情温度でわかる「ライブイベントの健全性」

参加者全員の感情温度の分布を見ることで、「イベントコミュニティの健全性」が一目でわかります。

健全なコミュニティの感情温度分布:

  • ホット(赤):20%以上
  • ウォーム(オレンジ):40%以上
  • クール(青):30%以下
  • コールド(水色):10%以下

前回イベントより「クール以下」の比率が上がっていた場合、それはコミュニティの熱量が全体的に下がっているサインです。
このデータを見て、次回イベントの内容・告知方法・アーティスト選定を見直す判断ができます。


ノウハウの継承——クマバズフェスからONE LAMPへ

クマバズフェスの運営で最も価値があったのは「参加者データの蓄積」です。

どのアーティストが来たとき感情温度がホットになりやすいか。
何ヶ月後にクールになる参加者が多いか。
コアファンはどんな属性の人が多いか——こうした知見はイベント単体ではなく「運営の資産」として次に引き継がれます。

クマバズフェスが終了した後も、参加者の感情温度・ナラティブ・好みのジャンルのデータはEMOROCO CRM Liteに残っています。
このデータを活かして、ONE LAMPの新しいイベント企画時には「クマバズフェスに来ていたコアファンに優先的に案内する」という設計ができます。

イベントが終わっても、関係は終わらない——これがCRM4.0の思想をイベント運営に適用したときの最も重要な発見でした。


ダッシュボード設計——イベント主催者が毎週見る画面

① コアファン(参加回数3回以上・ホット/ウォーム)の人数推移 コアファンが増えているかどうかが、イベントの持続可能性を示す最重要指標。

② 次回イベント先行告知対象リスト 自動抽出された優先連絡対象者の一覧。今日誰に連絡するかが一目でわかる。

③ アーティスト次回出演意向サマリー 「積極的」「検討中」「難しい」別の出演者数。次回ラインナップの計画に使用。

④ クール以下比率のトレンド 過去3イベントの感情温度分布の変化。コミュニティ全体の熱量トレンドを把握。


まとめ——イベントの「一夜限り」を「継続する関係」に変える

ライブイベントは「その日だけの体験」です。でも、その体験を「継続する関係」に変えることができれば、イベントはコミュニティになります。

クマバズフェスで培ったEMOROCO CRM Lite活用のノウハウは、「来てくれた人の熱量を記録し、その熱量に応じたアプローチを設計する」という一点に尽きます。全員に同じメルマガを送るのではなく、コアファンには先行情報を、6ヶ月来ていない人にはウォームアップの連絡を——この設計はイベントの規模や種類を問わず、すべてのライブイベント運営に応用できます。

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デジタル化・AI導入補助金2026 対応ツール番号:DL07-0022934
製品情報:https://www.emoroco.com/


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この記事を書いた人
松原 晋啓

詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォームドCRM)を世界的に提唱したCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、国内外で多くの賞を受賞している。
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