トピックス

知識創造研究室 by CRM(xRM)

ECサイト運営にEMOROCO CRM Liteを使う — しらむ~グッズ販売で実践する「ファン顧客管理」の設計

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

「オンラインで商品を買ってくれたお客様が、次に戻ってきてくれる仕組みを作りたい」
ECサイトを運営している経営者なら、誰もが一度は感じる課題です。

初回購入してくれたお客様が、次も買ってくれるかどうか。メルマガを送っても開封されない。
割引クーポンを配っても反応が薄い。

アーカス・ジャパンが運営する「しらむ~」のグッズEC販売では、EMOROCO CRM Liteを使ってこの課題に取り組んでいます。
単なる購買データの管理ではなく、「ファンとの感情的なつながりを育てる」というCRM4.0の思想をEC運営に実装した事例をご紹介します。


しらむ~とは

「しらむ~」は、アーカス・ジャパンが展開するキャラクターブランドです。
グッズのEC販売やLINEスタンプを通じて、キャラクターのファンとの直接的な関係を育てています。

キャラクターサイト:https://www.arcuss-japan.com/company#character
しらむ~紹介サイト:https://lit.link/ciramue
しらむ~ショップ:https://ciramue.stores.jp/
しらむ~LINEスタンプ:https://store.line.me/stickershop/author/85317/ja

ECサイトでのグッズ販売は、BtoCビジネスの中でも「顧客の顔が見えにくい」領域の一つです。
購買データ(何を・いつ・いくらで)は取得できますが、「なぜ買ったのか」「どんな気持ちで使っているのか」「次に何を欲しいと思っているのか」という感情的な文脈はつかみにくい。

EMOROCO CRM Liteはこの「感情的な文脈」を記録・活用するために導入しました。


EC顧客管理における3つの課題

課題①:「一度買ったきり」の顧客が多い

ECサイトの購買データを分析すると、全購買顧客の多くが「一度だけ購入した顧客(1回購買者)」です。
2回目の購買につながった顧客は、LTV(顧客生涯価値)が大幅に高い。
1回購買者をいかに2回購買者に転換するかが、EC運営の最大の課題です。

課題②:全員に同じメルマガを送っている

「新商品が出たらメルマガで全員に送る」という運用では、反応率が低下し続けます。
「このお客様はキャラクターのどのシリーズが好きか」「以前どんなグッズを買ったか」「SNSでの反応はどうだったか」——この情報を使ったパーソナライズされた提案が、エンゲージメントを上げます。

課題③:ファンの温度感が見えない

ECサイトの顧客データは「行動データ」です。
「最後に購入してから6ヶ月経過している」という事実はわかっても、「今このお客様はしらむ~に対してどういう感情を持っているか」はわかりません。
感情温度という概念をEC顧客管理に持ち込むことで、この盲点を解消できます。


EMOROCO CRM Liteでの設計

フィールド設計:EC顧客管理に特化した6つのフィールド

フィールド名 種類 内容
感情温度 選択式 赤=ホット / オレンジ=ウォーム / 青=クール / 水色=コールド
好みのシリーズ 選択式(複数可) しらむ~の各シリーズ・キャラクター種別
購買回数 数値 累計購買回数(ECサイトから連携)
最終購買日 日付 直近の購買日(ECサイトから連携)
SNS反応 テキスト X(旧Twitter)・Instagramでの言及・反応メモ
次の提案候補 テキスト 「次にこの商品を提案したい」という担当者のメモ

ワークフロー設計:3本の自動フォロー

ワークフロー①:初回購買から45日後のフォロー

トリガー:最終購買日から45日経過 × 購買回数=1
アクション:担当者タスク生成
「{顧客名}様の初回購買から45日です。
 感想フォローの連絡を。SNSでの言及があれば必ず触れること」

ワークフロー②:感情温度クール以下の再エンゲージメント

トリガー:感情温度が青(クール)以下 × 最終購買日から90日以上
アクション:担当者タスク生成
「{顧客名}様の温度が下がっています。
 新シリーズの先行情報を個別にお送りすることを検討してください」

ワークフロー③:新商品リリース時の優先通知リスト自動生成

トリガー:新商品レコード作成
アクション:「感情温度ホット/ウォーム × 好みのシリーズ=一致」の
      顧客リストを自動抽出してタスク生成
「新商品{商品名}の先行案内対象顧客リストです。
 メルマガより先に個別連絡を検討してください」

感情温度をEC顧客管理に使う——「ファン度」の可視化

ECサイトの顧客を感情温度で管理するとき、4段階の定義は以下のように設定しています。

感情温度 しらむ~での定義
ホット 🔴 赤 直近購買あり・SNSでのシェア・イベント参加経験あり
ウォーム 🟠 オレンジ 複数回購買・メルマガ開封率高い・定期的にサイト訪問
クール 🔵 青 最終購買から3ヶ月以上・メルマガ反応薄い
コールド 🩵 水色 最終購買から6ヶ月以上・サイト訪問なし

この「ファン度の可視化」により、「今日誰に個別でアプローチするか」が数字から判断できるようになります。


外部コネクタでECサイトとCRMを繋ぐ

EMOROCO CRM LiteのEC運営での真価は、外部コネクタによる自動連携です。

ECプラットフォーム(Shopify・BASE・WooCommerce等)と外部コネクタ(Zapier・Power Automate経由)を繋ぐことで、以下が自動化されます。

  • 新規購買が発生 → CRMに顧客レコードが自動登録
  • 購買回数・最終購買日フィールドが自動更新
  • 購買回数が初めて2になった顧客 → 「リピーター転換おめでとうタスク」が自動生成

EC担当者がCRMに手入力する作業をゼロにしながら、感情温度だけは「人間の目線」で更新する——この「自動化×人間の感性」の分業が、しらむ~のEC顧客管理の核心です。


まとめ——ECサイトの顧客を「購買データ」から「ファンの物語」へ

Eコマースにおける顧客管理は、「購買データの分析」から「ファンとの感情的なつながりの設計」へと進化しています。

感情温度でファン度を可視化し、ワークフローで離れかけたファンに先手のアプローチをかけ、新商品リリース時は熱量の高いファンから優先的に個別案内する——これがしらむ~のEC顧客管理の設計です。

ECサイトを運営している会社にとって、EMOROCO CRM Liteは「購買履歴の管理ツール」ではなく「ファンとの関係を育てるツール」として機能します。

【関連する活用シーン】 EC販売だけでなく、クマバズフェスなどのライブイベント管理にもEMOROCO CRM Liteを活用しています。イベント参加者の感情温度を記録し、次回イベントの告知対象を自動で絞り込む設計についてはこちらの記事をご覧ください。

30日間の無料トライアルでお試しいただけます。
デジタル化・AI導入補助金2026 対応ツール番号:DL07-0022934
製品情報:https://www.emoroco.com/


関連記事

この記事を書いた人
松原 晋啓

詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォームドCRM)を世界的に提唱したCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、国内外で多くの賞を受賞している。
インタビュー記事
取材や講演等の依頼は下記問合せよりご連絡ください。
TEL 06-6195-7501
フォームでのお問い合わせ

同じカテゴリの記事