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旅行代理店・ツアー会社向けにEMOROCO CRM Liteでリピーター管理と旅程フォローを設計する方法
こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。
「あのお客様、どこに行ったんだろう」
同業者の友人から聞いた言葉です。5年間毎年旅行を申し込んでいたリピーターが、昨年からぱったり来なくなった。
理由もわからない。連絡先はあるが、何を話せばいいかわからないから連絡できない——と。
旅行業界のリピーター離脱は「気づいたときには遅い」パターンが多い。最後の旅行から1年が経って初めて「来なくなった」と気づく。
その頃にはお客様の中でその代理店の存在感は薄れ、次の旅行は別のルートで決まっています。
この記事では、EMOROCO CRM Liteを使って旅行代理店・ツアー会社がリピーター管理と旅程フォローを仕組み化する具体的な方法を解説します。
旅行業界のCRM特有の課題——「旅行は記念日ビジネスである」
旅行代理店のCRM設計で最初に理解すべきことがあります。旅行は「記念日ビジネス」だということです。
お客様が旅行を決める理由は、多くの場合「何かの節目」と紐づいています。
- 結婚記念日・銀婚式・金婚式
- 定年退職後の夫婦旅行
- 子どもの受験が終わった家族旅行
- 還暦・古希・喜寿のお祝い旅行
- 毎年恒例の友人グループ旅行
この「節目の記憶」がCRM設計の核心です。「去年はどこに行ったか」「何が良かったか」「次はどこに行きたいと言っていたか」——この情報が蓄積されていれば、お客様の「旅行の節目」に合わせた先手の提案ができます。
逆に、この情報がなければ「そろそろ旅行の季節ですね」という一律のDMしか送れません。
旅行代理店が抱える4つの構造的な課題
課題①:旅行後フォローがない
旅行業界において、最も大きな顧客接点は「旅行後」です。帰国直後のお客様は旅行の感動が最高潮にあり、「良かった」「次はここに行きたい」という言葉が自然に出てきます。
しかし、多くの代理店は旅行を手配して終わり。帰国後に連絡が来ることはほぼありません。この「感動の最高潮」の瞬間を逃しているのです。
課題②:「また行きたい場所」が記録されない
旅行中・旅行後の会話の中で「次はイタリアのワイナリーに行ってみたい」「クルーズ旅行に興味がある」という言葉が出ることがあります。担当者はその場で「良いですね」と言いますが、記録されません。
半年後に「クルーズフェア」の案内を送る機会が来ても、「あの方はクルーズに興味があった」という情報がなければ、一律のメルマガ配信に埋もれます。
課題③:担当者が変わると顧客との関係がリセットされる
旅行代理店のリピーターは「担当者との信頼関係」で繋ぎ止められているケースが多い。その担当者が異動・退職すると、お客様が離れるという事態が起きます。
「担当が変わった途端に来なくなった」という経験は、旅行業界の経営者に非常に多い悩みです。
課題④:繁忙期に追われて閑散期のフォローができない
夏・年末年始・ゴールデンウィークは繁忙期で、顧客対応に手いっぱいになります。その結果、繁忙期が終わったあとの「秋の旅行提案」「春の旅行計画のご相談」という閑散期フォローが後手になります。ワークフローがなければ、繁忙期→閑散期のフォローは毎年同じように遅れます。
フィールド設計——旅行業界に特化した8つのフィールド
通常のCRMフィールドに加えて、旅行業界固有のフィールドを設計します。
顧客レコードに追加するフィールド:
| フィールド名 | 種類 | 内容 |
|---|---|---|
| 感情温度 | 選択式 | 赤=ホット / オレンジ=ウォーム / 青=クール / 水色=コールド |
| 旅行スタイル | 選択式(複数可) | 温泉 / 海外リゾート / 世界遺産 / クルーズ / アクティブ / グルメ / 文化・歴史 |
| 同行者パターン | 選択式 | 夫婦 / 家族 / 友人グループ / 一人 / カップル |
| 予算感 | 選択式 | 〜10万 / 10〜30万 / 30〜50万 / 50万以上 |
| 次に行きたい場所 | テキスト | 会話の中で出てきた「次の旅行の希望」をそのまま記録 |
| 旅行の節目・理由 | テキスト | 結婚記念日・定年・受験終了など旅行を決めた背景 |
| 最終旅行日 | 日付 | 最後に旅行した日付 |
| 好みのナラティブ | テキスト | 「朝食はゆっくりしたい」「移動は少なめで」など旅行スタイルの詳細 |
この中で最も重要なのは「次に行きたい場所」と「旅行の節目・理由」の2つです。この2フィールドが埋まっている顧客には、タイムリーな提案ができます。
ワークフロー設計——旅行業界の5本の必須ワークフロー
ワークフロー①:帰国後48時間フォロー(最重要)
トリガー:旅行レコードの「出発日」から旅行日数後(帰国日の翌日)
アクション:担当者にタスク生成
「{顧客名}様が本日帰国予定です。
48時間以内に『お帰りなさいのご連絡』を入れること。
旅行の感想と『次に行きたい場所』を必ず聞いてナラティブに記録する」
帰国直後の感動が最高潮のタイミングで「どうでしたか」という連絡を入れる。この1本のワークフローが、次の旅行の種を植えます。
帰国後のフォローで「次はイタリアのアマルフィ海岸に行きたい」という言葉を聞けたなら、「次に行きたい場所」フィールドに記録します。半年後のワークフローがその情報を使って提案タスクを生成します。
ワークフロー②:最終旅行日から10ヶ月後の提案タスク
トリガー:最終旅行日から10ヶ月経過
アクション:担当者にタスク生成
「{顧客名}様の前回旅行から10ヶ月が経ちました。
次の旅行のご提案を。
希望:{次に行きたい場所} / スタイル:{旅行スタイル} / 節目:{旅行の節目・理由}
を参考に提案を準備すること」
「毎年恒例で旅行する顧客」は10ヶ月後に連絡することで、「そろそろ考えていたタイミングだった」と感じてもらえます。前回の旅行情報とナラティブを踏まえた提案が、一律のDMと決定的に差がつく瞬間です。
ワークフロー③:記念日の2ヶ月前アラート
トリガー:顧客の「旅行の節目・理由」フィールドに「結婚記念日」が含まれる
× 記念日の2ヶ月前
アクション:担当者にタスク生成
「{顧客名}様の結婚記念日({記念日})まで2ヶ月です。
記念旅行のご提案を。昨年の行き先・予算・スタイルを踏まえた企画を準備すること」
記念日旅行のお客様には、「また今年も」と思い出してもらう前に「今年はどこへ」と提案する。先手の提案が「このお店は私のことを覚えていてくれる」という感動体験になります。
ワークフロー④:感情温度クール以下への定期接触
トリガー:感情温度が青(クール)以下 × 最終旅行日から6ヶ月以上経過
アクション:担当者にタスク生成
「{顧客名}様との関係が冷えているかもしれません。
売り込みなしで近況確認の連絡を。
前回旅行の思い出に触れながら季節の話題で接触すること」
「売り込みなし」という注記が重要です。クール状態のお客様に商品を売ろうとすると逆効果になります。「また旅行したいな」という気持ちを思い出してもらうための接触が目的です。
ワークフロー⑤:旅行1ヶ月前の最終確認タスク
トリガー:旅行レコードの「出発日」の1ヶ月前
アクション:担当者にタスク生成
「{顧客名}様の出発1ヶ月前です。
最終確認の連絡を。持ち物・現地情報・緊急連絡先を案内すること。
旅行への期待感を高めるエピソード(現地のおすすめ情報など)を1つ添えること」
旅行前の「期待感を高める接触」は、旅行後の満足度を上げます。「よく準備してくれている」という印象が、帰国後の感動をさらに深めます。
ダッシュボード設計——旅行代理店のマネージャーが毎朝見る画面
旅行代理店のマネージャーダッシュボードに設置する4つのビュー:
① 今週の帰国予定者リスト 出発日+旅行日数から算出した帰国日が今週の顧客一覧。帰国後48時間フォローの対象者を一目で把握します。
② 記念日2ヶ月前の顧客リスト 向こう2ヶ月以内に記念日を迎える顧客の一覧。提案準備が間に合っているか確認します。
③ 最終旅行日から12ヶ月以上経過・感情温度クール以下 「離脱リスクが高い顧客」の一覧。優先的なフォローが必要な顧客です。
④ 今月の旅行スタイル別成約件数 温泉・海外リゾート・クルーズなど旅行スタイル別の成約数。どのジャンルが好調か・不調かを月次で確認します。
担当者交代時の「旅の記憶の引き継ぎ」
旅行業界で担当者交代が致命的になる理由は、「旅の記憶」が担当者の頭の中にあるからです。
「田中様ご夫婦は、北欧オーロラの旅で感動して泣いていた」「山田様は移動が多いと奥様が疲れやすいので、1箇所に長く滞在するホテルステイ系が好まれる」——こうした情報がCRMに記録されていれば、担当者が変わっても次の担当者が「物語の続き」として接することができます。
引き継ぎナラティブに記録すべき3つの情報:
- 旅行の感動の記憶: 「あの旅行のどこが特に良かったか」をエピソードで記録
- 旅行スタイルの「癖」: 「移動は少なめが良い」「朝食はゆっくり派」など好みの詳細
- 次の旅行の夢: 「いつかはクルーズで地中海を」など雑談の中で出てきた言葉
【担当者変更時のプロトコル】 引き継ぎ後の最初の連絡で新担当者が「田中様の北欧旅行のお話、前任者から詳しくうかがっています」と言えるかどうかで、関係の継続率が大きく変わります。この一言は、ナラティブメモがあってはじめて言えます。
旅行代理店でのCRM4.0——「旅の記憶の共創パートナー」へ
旅行代理店にとってのCRM4.0は「旅の記憶の共創パートナー」として機能することです。
お客様にとって旅行は「人生の特別な記憶」です。
CRM3.0の発想は「この顧客の購買データを管理する」でした。
CRM4.0の発想は「この顧客の人生の節目に寄り添い、旅の記憶を共に作る」です。
感情温度・旅行スタイル・次に行きたい場所・旅行の節目・好みのナラティブ——これらを蓄積することで、担当者は「旅行の手配をする人」から「お客様の旅の歴史を知っている人」に変わります。
「あの代理店に頼むと、自分のことをわかって提案してくれる」——この感覚が、リピーターが生まれ続ける仕組みの正体です。
まとめ——旅行業界のリピーター管理は「記念日と記憶の設計」
旅行代理店のリピーター管理を一言で表すなら、「記念日と記憶の設計」です。
- 帰国後48時間以内のフォロー: 感動の最高潮に「次の旅の種」を植える
- 最終旅行日から10ヶ月後のタスク: 「そろそろ旅行を考えていた」タイミングに先手を打つ
- 記念日2ヶ月前の提案: 「また今年も」と思い出してもらう前に提案する
- ナラティブの引き継ぎ: 担当者が変わっても「旅の記憶」が続く
これらを担当者の記憶と感覚に頼らず、ワークフローとして設計する。
EMOROCO CRM Liteの「業務に合わせて育てるCRM」という思想が、旅行代理店の「お客様の旅に合わせて育てるリレーション」と重なります。
【今日からできる最初の1ステップ】 過去1年間に旅行した顧客の「最終旅行日」と「次に行きたい場所」を設定するところから始めてください。「最終旅行日から10ヶ月経過している顧客が何人いるか」——その数字が見えた瞬間、今日連絡すべきお客様のリストが生まれます。
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製品情報:https://www.emoroco.com/
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