トピックス

EMOROCO CRM Lite

BPF(Business Process Flow)完全ガイド — 案件フェーズ管理でチーム全員が「次に何をすべきか」迷わない設計

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

「案件がどのステージにあるかを、毎回担当者に聞かないとわからない」

「商談が止まっているのに誰も気づかないまま失注していた」

「フェーズが変わったときの次のアクションが担当者によってバラバラ」

営業チームを抱えるマネージャーから繰り返し聞く言葉です。

これらはすべて「案件の進捗が属人化している」という一つの問題から来ています。

EMOROCO CRM LiteのBPF(Business Process Flow)は、案件のフェーズ管理を「担当者の頭の中」から「組織の見える設計」に変えます。


BPFとは何か——「フェーズ」で案件を管理する仕組み

BPF(Business Process Flow)は、案件・申請・対応の進捗を「フェーズ(段階)」として管理する機能です。

【BPFの基本概念】

フェーズとは「案件が今どの段階にあるか」を示す状態です。

例:商談のフェーズ
 受注 → 初回面談 → 提案中 → 交渉中 → 受注確定 / 失注

各フェーズには「完了条件」を設定できます。
完了条件を満たさないと次のフェーズに進めない設計にすることで、
「なんとなく次のフェーズに進んでしまう」を防げます。

BPFの最大の価値は「フェーズを見るだけで、次に何をすべきかがわかる」設計にできることです。


BPFで解決できる3つの問題

問題①:案件の現状が「担当者に聞かないとわからない」

BPFを設定すると、案件一覧画面でフェーズが一目でわかります。
マネージャーが担当者に「今どんな状況?」と聞かなくても、画面を見れば「提案中」「交渉中」「受注確定待ち」がすぐにわかります。

問題②:案件が「止まっていることに誰も気づかない」

フェーズと「最終更新日」を組み合わせると、「2週間以上、提案中フェーズから動いていない案件」を自動で検知できます。
ワークフローと連携することで「フェーズが一定期間変わらない場合にマネージャーに通知」という設計も可能です。

問題③:「次のアクションが担当者によってバラバラ」

各フェーズに「完了条件(チェックリスト)」を設定することで、「このフェーズでやるべきことの標準」が全担当者に共有されます。
ベテランと新人で対応の質が変わらなくなります。


BPFの設計実例——業種別フェーズ設計

設計例①:一般商談(BtoB営業)

フェーズ1:リード
 完了条件:
  □ 基本情報(会社名・担当者・連絡先)の登録
  □ 課題・ニーズのヒアリング完了
  □ 感情温度の初期設定

フェーズ2:初回面談済み
 完了条件:
  □ 課題のヒアリング記録(ナラティブ)
  □ 意思決定者の確認
  □ 次回アクションの合意

フェーズ3:提案中
 完了条件:
  □ 提案書の送付
  □ 提案内容の説明完了
  □ 懸念点・反論の把握

フェーズ4:交渉中
 完了条件:
  □ 見積書の提出
  □ 条件交渉の記録
  □ 決裁者との面談

フェーズ5:受注確定 / 失注
 受注:□ 発注書・契約書の受領確認
 失注:□ 失注理由の記録(学習のため必須)

設計例②:相続登記(司法書士事務所向け)

フェーズ1:受任
 □ 委任状の署名・捺印
 □ 着手金の受領
 □ 法定期限の確認・記録

フェーズ2:書類収集
 □ 戸除籍謄本の収集
 □ 固定資産評価証明書の取得
 □ 相続人全員の住民票・印鑑証明

フェーズ3:申請準備
 □ 登記申請書の作成
 □ 依頼者への確認・承認
 □ 登録免許税の計算

フェーズ4:申請済み
 □ 法務局への申請完了
 □ 受付番号の記録
 □ 依頼者への進捗報告

フェーズ5:完了
 □ 登記識別情報の引き渡し
 □ 報酬の受領
 □ アフターフォローの設定

設計例③:不動産仲介(売買)

フェーズ1:集客・初回相談
 □ 希望条件のヒアリング
 □ 感情温度の初期設定
 □ 予算・エリア・タイプの記録

フェーズ2:物件提案
 □ 提案物件リストの作成
 □ 内覧の設定
 □ 反応・感情温度の更新

フェーズ3:申込・交渉
 □ 購入申込書の受領
 □ ローン事前審査の確認
 □ 売主との交渉記録

フェーズ4:契約
 □ 重要事項説明の完了
 □ 売買契約書の締結
 □ 手付金の受領確認

フェーズ5:決済・引渡し
 □ 残代金の決済確認
 □ 鍵の引渡し
 □ 登記完了の確認
 □ アフターフォローの設定(紹介依頼)

BPFとワークフローの連携——フェーズが変わると自動で動く

BPFの真の力は、ワークフローと連携したときに発揮されます。

【BPF×ワークフロー連携の例】

① フェーズ変更時の自動通知
 トリガー:フェーズ=「受注確定」に変更
 アクション:
  ・マネージャーにSlack通知
  ・freeeに請求書の下書きを自動作成
  ・「受注後フォロー」タスクを30日後に自動生成

② 長期滞留の検知
 トリガー:フェーズ=「提案中」から21日間変化なし
 アクション:
  ・担当者に「商談が止まっています」タスク生成
  ・マネージャーへLINE通知

③ 失注後の学習促進
 トリガー:フェーズ=「失注」に変更
 アクション:
  ・「失注理由の記録」タスクを即時生成
  ・ChatGPTに失注分析を自動依頼(Zapier連携)

④ フェーズ完了条件の未達チェック
 トリガー:フェーズ変更
 アクション:完了条件の未チェック項目があれば警告表示

BPFとパイプライン管理の違い——「フェーズ管理」と「パイプライン管理」

PipedriveなどのCRMも「パイプライン管理」という似た機能を持っています。BPFとの違いを整理します。

【パイプライン管理(Pipedriveなど)】
・商談カードをドラッグ&ドロップでステージ移動
・主に「新規開拓営業」の商談進捗を管理
・受注後の顧客との関係管理は設計外

【EMOROCO CRM LiteのBPF】
・フェーズごとに「完了条件(チェックリスト)」を設定可能
・受注後のフォロー・継続管理にも使える
・感情温度・ナラティブとの統合設計
・ワークフローとの自動連携
・業種に特化したフェーズ設計(士業・不動産・工務店等)

特に「完了条件の設定」がBPFならではの機能です。
「なんとなく次のフェーズに進めてしまう」を防ぎ、品質の均一化を実現します。


BPFを使い始める3ステップ

STEP 1:自社の案件フローを紙に書き出す(10分)

まず「自社の案件は通常どんな段階を経て完了するか」を書き出します。

質問①:案件を受けてから完了するまでに
    どんな「段階」がありますか?

質問②:各段階で「必ずやること」は何ですか?

質問③:その段階が「完了した」と判断できる条件は何ですか?

この3つの問いへの答えが、BPFの設計骨格になります。

STEP 2:EMOROCO CRM LiteにBPFを設定する(30分)

書き出したフローをEMOROCO CRM LiteのBPF設定画面で入力します。
フェーズ名・各フェーズの完了条件をノーコードで設定できます。

STEP 3:フェーズ変更時のワークフローを1本設定する

まず「受注確定時にSlack通知する」という最もシンプルなワークフロー1本から始めます。
「フェーズが変わると何かが動く」という体験が、BPF活用の動機を高めます。


まとめ——「案件の見える化」から「組織の学習」へ

BPFは「案件の現状を見える化する」ツールですが、使い続けると「組織の学習」ツールになります。

フェーズごとの完了条件が蓄積されると「うちの会社が受注するパターン」が見えてきます。
失注理由の記録が蓄積されると「なぜ負けるか」のパターンが見えてきます。

「受注した案件と失注した案件で、どのフェーズで何が違ったか」——この問いに答えるデータが、BPFの継続運用によって自然に蓄積されていきます。

まず自社の案件フローを書き出すことから始めてください。
それがBPF設計の最初の一歩です。

EMOROCO CRM Liteの30日間無料トライアルはこちら
デジタル化・AI導入補助金2026 対応ツール番号:DL07-0022934
製品情報:https://www.emoroco.com/


関連記事

この記事を書いた人
松原 晋啓

アーカス・ジャパン代表取締役/CRMコンサルタント
詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォーム型CRM)を提唱して世界的に広めてWWで表彰を受けたCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、The Wall Street Journal、Newsweek、TIME、WORLDCOM、毎日新聞(週刊エコノミスト)、文化放送等、国内外で多くの賞を受賞し、「経済界」にて4年連続で関西財界を代表する企業として選出されている。
著書:バーサタイリスト - 35歳までに「1万人に1人」の実力者になる方法

インタビュー記事
取材や講演等の依頼は下記問合せよりご連絡ください。
TEL 06-6195-7501
フォームでのお問い合わせ

同じカテゴリの記事