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知識創造研究室 by CRM(xRM)

Microsoft Cognitive Servicesで人工知能を体験しよう! (Recommendations API for Dynamics 365編)

みなさん、こんにちは。
ここ最近一般ニュースでもAI(人工知能)に関する話題をよく目にするようになり、このブログでも多く取り扱っている甲斐が少しは出てきたかなと“大胆に”思うこの頃です。
また、2月3日は節分でしたね、私は鬼さん役で子供たちから豆をぶちまけられました…そして恵方巻は、もちろん、「キタキタニシ」を向いて食べました笑

気を取り直して今回も、Microsoft Cognitive Servicesで人工知能を体験しよう!と題して、2回に分けてKnowledge関連製品であるRecommendations APIを紹介しています、その2回目はDynamics 365との連係を紹介します。

Dynamics 365 Online、Dynamics CRM Onlineに対応

Dynamics 365 の製品カタログは、クロスセル/アップセル/付属品の推奨に対応するように各種製品をリンクする基本モデリング機能が含まれています。Dynamics 365にCognitive Services サービスへの接続を構成することによって、Cognitive ServicesのRecommendations APIサービスを使用して Dynamics 365 にクロスセルの自動推奨を生成する機能が製品カタログに追加されます。
今回はこの機能を紹介します。
なお、Online版のみが対象となっており、オンプレミス版では現時点で利用することができないようです。さらにDynamics 365が北米 (NA) 地域のインスタンスに対してのみ使用できるようです。

Dynamics 365でRecommendations API を使う方法

概ね次の4ステップを1つずつ順番に説明したいと思います。
1.Dynamics 365 のクロスセル製品推奨事項を有効にする
2.Dynamics 365 (オンライン) とRecommendations APIサービスを接続する
3.製品推奨モデルを構成する
4.営業案件の製品品目でクロスセルを体験する

1.Dynamics 365 のクロスセル製品推奨事項を有効にする

Dynamics 365にログインします。ログインするユーザーは管理者である必要があります。
[設定] > [管理] に移動します。
[システムの設定] をクリックし、次に [プレビュー] タブを開きます。
[クロスセル推奨事項のプレビュー] で、[Dynamics 365 のクロスセル製品推奨事項のプレビューを有効にする] を [はい] に設定します。
承諾するには、[OK] をクリックします。
[OK] をクリックして [システムの設定] ダイアログを閉じます。

2.Dynamics 365 (オンライン) とRecommendations APIサービスを接続する

有効にすると、[設定]、[管理]に新しく[Azure Recommendations サービスの構成]が表示されます。

免責事項を読み、[続行] をクリックします。
次に、接続情報を入力し、Cognitive Services 推奨サービスへの接続をアクティブ化します。

  • Azure サービス URL:Recommendations API のEndpointのURL
  • Azure 取引先企業キー:Recommendations API のKEY 1

※Keyの取得方法は1回目をご参照ください。
有効な接続であるかどうか確認するため、[接続テスト] をクリックして、設定を検証します。接続に成功した場合は、[アクティブ化] をクリックします。

3.製品推奨モデルを構成する

ここではDynamics 365で管理する製品情報、受注済み営業案件(製品品目が使われている)の情報をRecommendations APIへ提供し、クロスセルの予測モデルを構成する手順になります。

Dynamics 365の[設定]、[製品カタログ]、[製品推奨] の順にクリックします。

推奨モデルを構成する画面が既定値で表示されます。ひとまず既定値のまま進めます。既定値では過去12カ月分の受注済み営業案件の情報がRecommendations APIへ提供されます。

さて、画面上にある[モデル バージョンのビルド]を行うわけですが、1回目を試された方はお分かりかと思いますがデータ量により数十分の時間を要します。Dynamics 365の画面下にも進捗状況が可視化されているので助かりますが、1回目紹介したRecommendations APIのWeb画面においてもタスクの進捗状況が分かるようになっています。こちらも参考にされると良いかと思います。

Dynamics 365の画面下[モデルバージョン]の[AzureModelBuildStatus]に成功と表示されていることを確認ください。もしエラーが出てしまうという方は、何回かビルドに挑戦していただくか、営業案件や製品品目にサンプルデータが含まれているか等を確認して再度ビルドに挑戦してください。(筆者も初回はエラーになり、営業案件に製品品目のデータを追加するなどして、2回目で成功しました。)
無事に成功すると、画面上[推奨事項のテスト]からクロスセルの予測結果を確認できます。製品の欄にDynamics 365で管理している製品名を設定すると予測モデルにもとづきクロスセル製品が表示されます。ここまででモデルの構成は完了です。

4.営業案件の製品品目でクロスセルを体験する

それでは営業案件を表示し、クロスセルを体験してみましょう。
例えば、案件名「4G対応タブレットPC」で提案製品に「ABSフィラメント3Dプリンター4インチ」を選びます。ここまでは標準機能の操作ですね。
「ABSフィラメント3Dプリンター4インチ」が過去受注の営業案件の情報からどのような製品と一緒におススメできるかを知りたいわけです。一覧に表示されている[推奨事項]をクリックします。そうすると予測モデルにもとづき「ABSフィラメント3Dプリンター4インチ」のクロスセル候補が表示されます。これがRecommendations APIで計算された結果ですね。表示された結果を参考に提案製品のリストへ追加します。

まとめ

営業案件でRecommendations APIを使う意義は、大きく2つあると思います。1つは先代の知恵を受け継げること。2つは企業のマーケティング・営業部門の戦略に適用できること。製品サービスサイクルの長短により使い方が異なりますが、予測モデルは良いデータがあるほど精度があがっていきます。過去の営業案件(明細)データを有効に活用できるものですし、今そのようなデータはないという企業も中長期を視野にこれからDynamics 365とRecommendations APIを使い、このようなモデルを築いていくことも良いのではないでしょうか。

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※ 記事の内容は個人発信の参考情報です。記事内容のご利用は、ご自身の判断でお願いします。

この記事を書いた人
徳本 和也

関電システムソリューションズ、アバナードを経てアーティサン(アーカス・ジャパン)に勤務。
CRM導入コンサルタント、システムエンジニア。昔、尊敬する上司に「4C=奉仕の精神で頑張りなさい。」と教えられました。
その言葉を思い出して、いまは、変化(Change)が機会(Chance)を呼び、創造(Creativity)をもって挑戦(Challenge)する、そのように思いました。
皆さん一人ひとりが変化すれば、必ず将来チャンスを呼び、更なる成長を遂げるはずです。
マイクロソフト認定プロフェッショナル 、情報処理技術者(AP、FE)を持つ。

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