Microsoft Cognitive Servicesで人工知能を体験しよう! (Recommendations編)
みなさん、こんにちは。
今回は、Microsoft Cognitive Servicesで人工知能を体験しよう!と題して、2回に分けてKnowledge関連製品であるRecommendations APIを紹介していきたいと思います。1回目はデモページを用いてAPIの概要を紹介します。
デモページのご紹介
https://www.microsoft.com/cognitive-services/en-us/recommendations-api
Recommendations UI(Beta)からデモページへ遷移します。
Recommendations の概要
Recommendationsは、ビッグデータなど過去の取引から学習して、顧客が関心を持つ可能性が高い商品や購入する可能性が高い商品を予測するサービスとなります。レコメンデーションで使用されるエンジンはAzure Machine Learning(人工知能プラットフォーム)を基に構築されており、次のようなシーンで活躍が期待できます。
- よく一緒に買われているもの
製品ページにある、同じような買い物でよく一緒に買われている品物を自動でお勧めします。 - 探しやすさを高める
クリック パターンから学習し、製品カタログでの製品の探しやすさを高めて売上を向上させます。 - 個人に合わせたレコメンデーション
特定の顧客の購入履歴を利用することで、その顧客専用のレコメンデーションを行い、顧客のエクスペリエンスをパーソナライズします。
Recommendations API を使うための手順
デモページでRecommendationsを使う手順を整理します。
1.Azure Portalからアカウント(Key)を作成
2.プロジェクト(Model)を作成
3.カタログ(Catalog)をアップロード
4.実績(Usage data)をアップロード
5.プロジェクト(Model)をビルド
それぞれ手順を見ていきましょう。
1.Azure Portalからアカウント(Key)を作成
Azure Portal の新規作成から Intelligence を選ぶと Cognitive Services APIs が出てきます。API type で今回は Recommendationsアカウントを作成するとアクセスキーを取得出来ます。これは デモページへアクセスした際に最初に登録を促されるので、デモページを使用するために必要です。
2.プロジェクト(Model)を作成
プロジェクト(Model)という1つのデータベースのようなものを作成するわけですが、デモページのから簡単に作成できる機能が用意されているので、まずはプロジェクト名称を登録して、一通りの処理を行いたいと思います。
3.カタログ(Catalog)をアップロード
サンプルデータで約2000種類の商品情報が提供されていますので使用したいと思います。
フォーマットは次の通りで最初の3項目が必須となります。
Item Id, Item Name, Item Category, Description, Features list
例:
93A-00299,Office Language Pack 2010 32-bit/x64 Italian PK Lic Online DwnLd,Office
AAA-04294,OfficeLangPack 2013 32/64 E34 Online DwnLd,Office
AAA-04303,OfficeLangPack 2013 32/64 ET Online DwnLd,Office
デモページからサンプルデータのCSVファイルをアップロード。
4.実績(Usage data)をアップロード
Usage dataもサンプルデータで約500万人の取引情報が提供されていますので使用したいと思います。
フォーマットは次の通りで最初の3項目が必須となります。
User Id, Item Id, Time, Event type.
例:
0003BFFD998FF4E1,93A-00299,2015/06/09T22:54:46
00034001CFB58AB9,GZA-00202,2015/06/09T22:53:53
00037FFE9A4BE561,QQ2-00031,2015/06/09T22:53:40
Event typeは任意の項目ですが、選択しとしてClick / RecommendationClick / AddShopCart / RemoveShopCart / Purchase が提供されており、ECサイトでの主な行動を追跡できるように設計されているようです。
デモページからサンプルデータのCSVファイルをアップロード。
フォーマットに沿ってデータを作成し追加でアップロードすることも可能です。
カタログ(Catalog)、実績(Usage data)データ定義の仕様はこちらからも参照いただけます。
https://westus.dev.cognitive.microsoft.com/docs/services/Recommendations.V4.0/operations/56f316efeda5650db055a3e1
5.プロジェクト(Model)をビルド
リコメンドエンジンに学習させるデータが準備できましたので、いざ学習をさせます。
パラメータが多いのでデフォルトでとりあえず実行します。
データの容量が大きいとビルドに数十分の時間がかかります。
デモページからビルドを行います。
Recommendationsを行う
Recommendationsには商品ベースと利用者ベースの 2 種類が用意されています。商品ベースの場合は catalog でアップロードした item id を指定すると、過去の取引からその商品に関係してオススメのRecommendation Items が提案されます。
デモページでは登録したカタログ商品が表示されていますので、どれか商品をクリックすると、下部にリコメンドの結果から提案される商品が表示されます。
リコメンド商品には数字(0.57…)が記載されています。これは予測があたる確率を示しており、これまでの傾向によると商品が選ばれる確率は57%!ということになります。
ここまでデモページを例にRecommendations APIの概要と簡単な利用方法を確認できました。
次回は、構築したレコメンデーション プロジェクト(Model)をDynamics 365(Dynamics CRM)からアクセスして使ってみたいと思います。
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