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EMOROCO CRM Lite

弁護士事務所向けEMOROCO CRM Lite活用ガイド — 依頼者との関係と期日管理を一元化する

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

弁護士事務所の業務には、案件処理そのものに加えて、依頼者との継続的な関係構築、期日・時効の管理、他士業との紹介ネットワークの維持といった多岐にわたる業務が伴います。

今回は、こうした周辺業務に、EMOROCO CRM Liteをどう活用できるかを解説します。

なお、最初にお伝えしておきたい重要な前提があります。
弁護士業務には、守秘義務や利益相反の確認といった法律専門職特有の厳格なルールがあります。
EMOROCO CRM Liteは、こうした専門的な業務プロセスそのものを代替するものではなく、あくまで依頼者との関係管理・案件の進捗管理を補助するための基盤です。
具体的な法令遵守・職務規程への対応については、弁護士会のガイドラインや専門家にご確認ください。

目次

1. 弁護士事務所が抱える特有の課題
2. なぜExcelや紙の管理では限界があるのか
3. 守秘義務・利益相反チェックという特有の配慮
4. エンティティ設計の具体例
5. 期日・時効管理のワークフロー自動化
6. ある法律事務所のよくある課題シナリオ
7. 専門分野別に見る活用イメージ
8. 顧問先との継続的な関係管理
9. 他士業・専門家との紹介ネットワーク管理
10. 案件進捗の可視化
11. 権限設計:秘匿性の高い情報への配慮
12. 依頼者満足度の可視化
13. 担当弁護士交代時の引き継ぎ
14. 導入の進め方
15. よくある質問(FAQ)
16. まとめ

1. 弁護士事務所が抱える特有の課題

弁護士事務所には、次のような特有の課題があります。

・依頼者ごとの案件内容、進捗状況を、正確に管理する必要がある
・期日や時効の管理を誤ると、依頼者に重大な不利益を与えるリスクがある
・新規依頼の多くが、既存の顧問先や他士業からの紹介によって生まれる
・複数の弁護士が在籍する事務所では、案件の引き継ぎや情報共有が課題になりやすい
・依頼者情報には高い機密性が求められ、情報の取り扱いに特に注意が必要である

2. なぜExcelや紙の管理では限界があるのか

多くの事務所では、依頼者情報や案件の進捗をExcelや紙のファイルで管理しています。
この状態では、次のような問題が発生します。

・期日の管理が、個々の弁護士の手帳やメモに依存し、事務所全体での確認が難しい
・顧問先との過去のやり取りが、担当弁護士の記憶やメールの中に散らばってしまう
・紹介元となった顧問先や他士業の情報が、記録として残らない

3. 守秘義務・利益相反チェックという、特有の配慮

弁護士業務には、守秘義務や利益相反の確認という他業種にはない厳格なルールがあります。
EMOROCO CRM Liteを活用する際は、次の点に留意してください。

・依頼者に関する秘匿性の高い情報は、必要最小限のスタッフのみがアクセスできるよう権限設計を慎重に行う
・利益相反のチェックそのものは事務所として定められた正式な手続きに従って行い、CRM上の記録はあくまで参考情報としての位置づけにとどめる
・具体的な職務規程・倫理規定への対応については、所属する弁護士会のガイドラインを確認する

CRMはあくまで関係管理を支援する道具であり、専門職としての義務そのものを代替するものではないという前提を事務所全体で共有しておくことが重要です。

4. エンティティ設計の具体例

EMOROCO CRM Liteのノーコード機能を使い、弁護士事務所向けに次のようなエンティティ設計が可能です。

依頼者エンティティ:氏名(法人の場合は会社名)、連絡先、顧問契約の有無を管理
案件エンティティ:案件の種類、担当弁護士、進捗状況を管理
期日エンティティ:裁判期日、書面提出期限、時効期限などを管理
紹介元エンティティ:新規依頼の紹介元となった顧問先・他士業の情報を管理

リレーションシップ管理機能を使い、「依頼者(親)→ 案件(子)」「案件(親)→ 期日(子)」という構造を組み立てることで、依頼者ごとに案件の進捗と重要な期日を一つの画面で確認できるようになります。

5. 期日・時効管理のワークフロー自動化

弁護士業務において、期日や時効の管理ミスは、依頼者に重大な不利益を与える最も避けるべきリスクです。
ワークフロー機能を使い、次のような自動化を組み込めます。

・期日の一定期間前に、担当弁護士へのリマインド通知を自動送信する
・時効期限が近づいた案件を、事務所全体でリストアップして確認できるようにする
・書面提出期限が近づいた案件について、担当者だけでなく、事務所内の別の弁護士にも確認を促す二重チェックの仕組みを検討する

こうした自動化は、あくまで補助的な仕組みであり、事務所として定めている期日管理の正式な手続き(手帳での管理、複数人でのチェック体制など)と併用することをおすすめします。

6. ある法律事務所のよくある課題シナリオ

具体的なイメージを持っていただくために、ある法律事務所でのシナリオを紹介します。

この事務所では、案件ごとの期日を、担当弁護士がそれぞれ個人の手帳で管理していました。
ある弁護士が体調不良で急に休むことになった際、担当していた案件の期日が近づいていることに、他の弁護士が気づくのが遅れ、慌てて対応するという事態がありました。

期日エンティティを使い、事務所全体で期日を一元的に確認できる仕組みに変えたことで、この事務所では担当者が不在の場合でも事務所全体で期日の状況を把握できるようになりました。
ただし、この事務所では、CRM上のリマインドに加えて、従来通りの手帳での管理も継続しており、「二重の確認体制があることで、より安心感が高まった」と担当者は振り返っています。

7. 専門分野別に見る活用イメージ

企業法務:顧問先ごとの相談履歴、契約書レビューの依頼状況を管理
個人向け(相続・離婚等):依頼者ごとの相談経緯、家族関係の背景情報を機密性に配慮しながら記録
訴訟対応:期日管理、証拠書類の準備状況の進捗管理
顧問業務中心の事務所:定期的な顧問先訪問のスケジュール管理、相談内容の傾向分析

専門分野によって重視すべき点は異なりますが、いずれも「依頼者との関係を、属人的な記憶ではなく事務所の記録として残す」という発想は共通しています。

8. 顧問先との継続的な関係管理

顧問契約を結んでいる依頼者との関係は、事務所の安定的な収益基盤になります。

・顧問先ごとの相談内容や過去のやり取りの経緯を、活動履歴として記録する
・顧問契約の更新時期を、ワークフロー機能で管理する
・顧問先からの日常的な相談への対応状況を、事務所全体で把握できるようにする

以前新規顧客に多大な予算をかける前にで解説した既存顧客を大切にするという考え方は、顧問先との関係においてもそのまま当てはまります。

9. 他士業・専門家との紹介ネットワーク管理

弁護士事務所にとって、税理士、司法書士、行政書士といった他士業や既存の顧問先からの紹介は、新規依頼の重要な経路です。

・紹介元となった専門家・顧問先を記録し、感謝を伝えるフォローアップを行う
・紹介による依頼の割合を、ダッシュボードで可視化する
・他士業との相互紹介の実績を、関係構築の材料として活用する

紹介元を記録として残すことで、こうした専門家ネットワークとの関係を、属人的な付き合いではなく、事務所全体の資産として維持できます。

10. 案件進捗の可視化

Business Process Flow(BPF)を使い、案件の進捗を次のようなステージで可視化できます。

  1. 相談受付:依頼者からの相談を受け付ける
  2. 受任判断:利益相反の確認等を経て、受任を判断する
  3. 着手:案件対応を開始する
  4. 進行中:交渉・訴訟等の対応を進める
  5. 解決・終結:案件が解決し、終結する

このプロセスを可視化することで、事務所全体として、どの案件がどの段階にあるかを一目で把握できます。

11. 権限設計:秘匿性の高い情報への配慮

弁護士事務所では、依頼者情報の機密性が特に重要です。
セキュリティロールとフォームごとの権限管理を使い、次のような設計が可能です。

担当弁護士用フォーム:自身が担当する案件の詳細情報を閲覧・編集できる
事務スタッフ用フォーム:期日管理や連絡先情報など、案件の詳細な内容には立ち入らない範囲の情報を扱う
他の弁護士:利益相反確認など、正式な手続きに必要な範囲でのみ限定的に情報を共有する

こうした権限設計は、事務所の守秘義務に関する方針と照らし合わせながら、慎重に検討することをおすすめします。

12. 依頼者満足度の可視化

依頼者からの評価を把握することは、事務所の信頼構築において重要です。

・案件終結後に、満足度調査(NPSなど)を実施する
・調査結果は、個別の弁護士への評価としてだけでなく、事務所全体のサービス向上のための材料として活用する
・回答は任意であることを明確にし、依頼者の負担にならない形で実施する

13. 担当弁護士交代時の引き継ぎ

弁護士の異動や独立により、担当が交代する場合、依頼者との関係が途切れないようにする配慮が必要です。

・案件の経緯や依頼者とのやり取りの記録を、活動履歴として残す
・顧問先との関係性の背景(どのような経緯で顧問契約に至ったかなど)を、記録として保持する
・担当交代の際は、これらの記録をもとに、後任者が経緯を踏まえた対応を行えるようにする

14. 導入の進め方

弁護士事務所での導入は、次のような段階的な進め方をおすすめします。

・まずは依頼者情報・案件管理という基本的な業務から導入する
・期日管理のワークフローは、既存の期日管理体制と併用しながら、慎重に導入する
・顧問先・紹介ネットワークの管理や満足度調査は、運用が安定してから追加する

15. よくある質問(FAQ)

Q. 依頼者の秘密に関わる詳細な相談内容もEMOROCO CRM Liteで管理すべきですか?
案件の性質や事務所の方針によりますが、特に機密性の高い内容については、専用のシステムやより厳格な管理方法を検討することをおすすめします。
CRM上では、進捗管理に必要な範囲の情報を扱うという考え方が現実的です。

Q. 期日管理をCRMだけに頼っても大丈夫ですか?
CRM上のリマインド機能は、あくまで補助的な仕組みとして位置づけ、事務所として定めている期日管理の正式な手続きと併用することをおすすめします。

Q. 利益相反のチェックはCRM上で完結できますか?
利益相反の確認は、事務所として定められた正式な手続きに従って行う必要があります。
CRM上の依頼者情報は、その確認作業の参考情報として活用できます。

Q. 複数の弁護士が在籍する事務所でも管理できますか?
はい。
案件ごとに担当弁護士を紐づけて管理でき、権限設計により、必要な範囲での情報共有が可能です。

Q. 既存の依頼者データ(Excel)からの移行はできますか?
はい。
Excelインポート機能を使い、既存のデータを取り込みながら移行できます。

16. まとめ

弁護士事務所の業務には、依頼者との継続的な関係構築、期日・時効の管理、紹介ネットワークの維持という案件処理以外にも重要な業務が数多く存在します。
EMOROCO CRM Liteは、これらの業務を支援する基盤として活用できますが、守秘義務や利益相反の確認といった専門職特有のルールについては、CRMを補助的な位置づけとして捉え、事務所として定められた正式な手続きを優先することが重要です。

EMOROCO CRM Liteは月額1,500円/ユーザー(最低3ユーザーから)・初期費用0円で、30日間の無料トライアル(https://www.emoroco.com/)から始められます。
IT導入補助金対象ツール番号:DL07-0022934。

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この記事を書いた人
松原 晋啓

アーカス・ジャパン代表取締役/CRMコンサルタント
詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォーム型CRM)を提唱して世界的に広めてWWで表彰を受けたCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、The Wall Street Journal、Newsweek、TIME、WORLDCOM、毎日新聞(週刊エコノミスト)、文化放送等、国内外で多くの賞を受賞し、「経済界」にて4年連続で関西財界を代表する企業として選出されている。
著書:バーサタイリスト - 35歳までに「1万人に1人」の実力者になる方法

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