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決算期・新年度のCRMデータ整理ガイド — 3月・4月にやるべき顧客データのメンテナンス
こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。
3月・4月は、ビジネスの区切りが最も多い時期です。
決算・予算策定・人事異動・新規契約・更新交渉——これらが一斉に動くこの時期に、CRMのデータが整っているかどうかで、新年度のスタートダッシュが大きく変わります。
「年度が替わったのに、去年の感情温度がそのままになっている」「担当者が変わったのに、CRMの担当フィールドが更新されていない」「昨年成約した顧客のフォロー設定が止まっている」——この記事ではこれらの問題を解消する、年度替わりのCRMデータ整理の手順を解説します。
なぜ年度替わりにCRMを整理すべきか
CRMは使い続けるほどデータが蓄積しますが、同時に「劣化」も進みます。
① 担当者の異動・退職(3〜4月に集中)
→ 担当フィールドが前任者のままになる
→ 引き継ぎが不完全で関係の文脈が失われる
② 感情温度の「放置」
→ 昨年設定した感情温度が更新されないまま
→ 現実と乖離したデータで判断するリスク
③ 不要レコードの蓄積
→ 失注・休眠・廃業した顧客が
アクティブリストに混在する
年度替わりは「CRMのリセット」の最良タイミングです。
1年間のデータを棚卸しし、新年度を正確なデータからスタートする習慣が、CRMの長期的な定着率を高めます。
3月中にやること——クロージングの整理
①全顧客の感情温度を一斉棚卸し
年度末は「今期の着地」を確認する自然なタイミングです。
この機会に全顧客の感情温度を見直します。
STEP 1:取引先企業の一覧を開き、
感情温度でフィルタリング
STEP 2:各担当者が自分の担当顧客を
上から順に確認・更新
(目安:1件あたり30秒〜1分)
STEP 3:ナラティブに「{年度}年度末の状態」として
一言メモを追記
例:「2025年度末:継続安定。次期更新に前向き」
例:「2025年度末:担当変更後やや距離あり。要注視」
STEP 4:クール以下の顧客に今期中のフォローを設定
棚卸しで特に確認すべき状態:
| 状態 | 対応 |
|---|---|
| 1年以上感情温度が更新されていない | 担当者に現状確認を指示。必ず更新 |
| 前任者が設定したままの感情温度 | 新担当者が改めて評価して更新 |
| ナーチャリングスコアと大幅に乖離している | 矛盾の理由を担当者にヒアリング |
②今期未達・失注案件の記録を完結させる
3月末までに、今期の案件を正式にクローズします。
・案件フェーズを「失注」に変更
・失注理由をナラティブに記録
(例:「価格・競合他社・タイミング・担当者相性」)
・次年度の再アプローチ可能性を判断して感情温度を設定
・6ヶ月後・1年後の再フォロータスクを設定しておく
「失注は終わりではなく、再アプローチのスタート」という設計が、年度をまたいだ顧客関係の継続につながります。
③今期の感情温度分布をスナップショットとして記録
年度末の感情温度分布を記録しておくことで、来年度末との比較が可能になります。
2025年度末の感情温度分布(全顧客○○社):
・ホット:○社(○%)
・ウォーム:○社(○%)
・クール:○社(○%)
・コールド:○社(○%)
この記録が「年間でクールが増えたか・減ったか」を翌年度末に確認するベースラインになります。
4月にやること——新年度のセットアップ
①担当者変更に伴うCRMの更新
4月の人事異動に合わせて、CRMのデータを更新します。
□ 担当フィールドを新担当者に変更
□ 新担当者がナラティブを読んで引き継ぎ内容を確認
□ 新担当者が最初の接触後に感情温度を更新
□ 前任者のワークフロータスクの引き継ぎを確認
□ セキュリティロールの権限設定を更新
□ 退職・移動した前任者のアカウントを無効化
引き継ぎの質を上げるナラティブ活用:
「引き継ぎメモ(2026年4月):
この顧客のキーパーソンは社長ではなく部長の田中様。
田中様と直接信頼関係を作ることが受注の鍵。
価格感度は低く、スピードを最も重視する。
毎月第1月曜日の午前中が連絡しやすいタイミング。
前回提案は競合に負けたが、
『次回は一緒に仕事したい』という言葉をもらっている。
新担当者への引き継ぎ後、最初の1ヶ月が勝負」
このナラティブがあれば、新担当者は「関係のゼロリセット」ではなく「関係の続き」から始められます。
②新年度のKPI・目標をダッシュボードに設定
新年度の売上目標・顧客数目標が決まったら、個人ダッシュボードのKPIウィジェットに設定します。
営業担当者:
・今期の売上目標額
・新規顧客獲得件数の目標
・感情温度ホット・ウォームの維持率目標
マネージャー:
・チームの今期売上見込み合計
・感情温度クール以下顧客の削減目標(件数)
・顧問先継続率の目標(%)
経営者:
・今期累計売上目標
・チャーン率の目標(%)
・新規紹介件数の目標
KPIをCRMダッシュボードに設定することで「目標と日々の行動」が画面上で直結します。
③新年度のワークフロー見直し
昨年設定したワークフローを見直し、不要なものを無効化・必要なものを追加します。
① 今年度も有効なワークフロー
→ そのまま継続
② 昨年の課題から生まれた新しいワークフロー
→ 新たに追加
例:「今年クール化が多かった顧客層への
早期アラートを強化する」
③ 不要になったワークフロー
→ 無効化(削除ではなく無効化を推奨。後で確認できる)
④休眠顧客のリスト化と年度別フォロー戦略
コールド顧客の中で「今年度に再アプローチすべき顧客」をリスト化します。
・4月:新年度のご挨拶
・5月:GW明けの近況確認
・6月:半期の振り返りの時期
・9月:下半期のスタート
・10月:年末に向けた計画相談
・12月:年末のご挨拶
・1月:新年のご挨拶
・3月:今期の着地と来期に向けた相談
年度替わりの4月は、休眠顧客への「新年度のご挨拶」として最も違和感のない接触タイミングです。
「昨年はお世話になりました。今年もよろしくお願いします」の一言が、休眠から戻るきっかけになります。
業種別の決算期・新年度整理のポイント
税理士・会計事務所
・3月決算法人の顧問先が最繁忙期
・逆に、12月決算法人の顧問先は2月に完結しているため、
3月中に感情温度の棚卸しができる
4月のポイント:
・新規顧客の獲得シーズン(会社設立が多い)
・新入社員の入社に伴う労務・社保の相談が増える時期
不動産・工務店
・年度末の駆け込み需要(引っ越し・完工)でピーク
・成約した顧客のアフターフォロー設定を確認
4月のポイント:
・新生活シーズンの見込み顧客リストを整理
・昨年成約した顧客への1年後点検フォローを設定
製造業・BtoB営業
・予算消化の発注が集中するため受注確定案件が多い
・失注案件の原因分析と記録
4月のポイント:
・取引先担当者の異動による新担当者との関係構築開始
・新予算を持った取引先への提案タイミング
美容・サービス・リピートビジネス
・卒業・就職・引っ越し前の来店需要ピーク
・転居する顧客の「最後の来店」を記録する
4月のポイント:
・新生活を始めた新規顧客の感情温度を早めに設定
・春の新メニュー・新サービスの案内に向けた
ホット顧客リストの整理
まとめ——年度替わりの1週間が、次の1年を決める
CRMのデータは「正確さ」と「鮮度」が命です。
感情温度が1年前のまま、担当者が異動前のまま、失注案件が未処理のまま——このようなデータの上では、正確な判断も適切なフォローも生まれません。
3月の最終週と4月の第1週、合計2週間をCRMの整理に充てることで、新年度を「正確なデータ」からスタートできます。
特に効果的な順番は「感情温度の全件棚卸し → 担当者変更の更新 → 新年度KPIの設定」です。
この3つだけでも、新年度のCRM活用の質が大きく変わります。
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