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EMOROCO CRM Lite

教育・研修業界向けEMOROCO CRM Lite活用ガイド — 継続率と満足度を仕組みで支える

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

学習塾、予備校、資格取得スクール、企業研修会社——教育・研修業界には、生徒・受講者との関係だけでなく、保護者や企業担当者といったもう一つの重要な関係者が存在します。

今回は、この業界特有の関係性を、EMOROCO CRM Liteでどう管理できるかを解説します。

目次

1. 教育・研修業界が抱える特有の課題
2. なぜExcelや紙の管理では限界があるのか
3. エンティティ設計の具体例
4. 継続率(退塾・退会防止)の可視化
5. 保護者・法人担当者対応のための権限設計
6. 出席・進捗管理のワークフロー自動化
7. 顧客ポータルでの情報共有
8. 業態別に見る、活用イメージ
9. ある学習塾のよくある課題シナリオ
10. 保護者とのコミュニケーション設計
11. 講師・トレーナーのアサイン管理
12. 満足度調査の設計における注意点
13. 導入の進め方
14. よくある質問(FAQ)
15. まとめ

1. 教育・研修業界が抱える特有の課題

教育・研修業界には、次のような特有の課題があります。

・生徒・受講者本人に加え、保護者や企業の研修担当者というもう一つの関係者が存在する
・継続率(退塾・退会)の維持が、経営の安定に直結する
・講師・トレーナーのアサインやスケジュール管理が複雑になりやすい
・出席状況や学習の進捗を、保護者や企業担当者に定期的に共有する必要がある
・複数の講座・コースを生徒・受講者ごとに管理する必要がある

2. なぜExcelや紙の管理では限界があるのか

多くの教育・研修事業者では、生徒名簿や出席簿をExcelや紙で管理しています。
この状態では、次のような問題が発生します。

・講師が変わると、生徒ごとの学習状況や保護者とのこれまでのやり取りが引き継がれない
・出席状況の集計に時間がかかり、保護者への報告が遅れる
・退塾・退会の兆候(出席率の低下など)に、気づくのが遅れる
・複数の講座を受講している生徒の情報が、講座ごとに別々の管理になってしまう

3. エンティティ設計の具体例

EMOROCO CRM Liteのノーコード機能を使い、教育・研修業界向けに次のようなエンティティ設計が可能です。

生徒・受講者エンティティ:氏名、連絡先、入会日、受講中の講座を管理
保護者・法人担当者エンティティ:生徒・受講者に紐づく連絡先となる保護者や企業担当者を管理
講座・コースエンティティ:講座名、対象学年・レベル、担当講師を管理
出席履歴エンティティ:出席日、出席状況、当日の学習内容メモを管理

リレーションシップ管理機能を使い、「生徒(親)→ 保護者(子)」「生徒(親)→ 出席履歴(子)」という構造を組み立てることで、生徒を開けば、保護者の連絡先、受講講座、出席状況を、一つの画面で確認できるようになります。

4. 継続率(退塾・退会防止)の可視化

教育・研修事業者にとって、継続率の維持は経営の安定に直結します。
以前解約率(チャーン)を下げるCRM設計で解説した考え方は、この業界にもそのまま応用できます。

・出席率が低下してきた生徒・受講者を早期にリストアップする
・講師が感じる「モチベーションの変化」を感情温度として記録する
・保護者・法人担当者へのアンケート(満足度調査)の結果を継続的にモニタリングする

出席率という客観的なデータと講師が感じる主観的な変化を組み合わせることで、「そろそろ退塾を考えているかもしれない」という兆候を早期に察知できる可能性が高まります。

5. 保護者・法人担当者対応のための権限設計

教育・研修業界では、生徒・受講者本人だけでなく、保護者や法人の研修担当者への対応も重要です。
セキュリティロールとフォームごとの権限管理を使えば、次のような使い分けができます。

講師用フォーム:担当している生徒の出席状況・学習内容を閲覧・編集できる
事務スタッフ用フォーム:入会手続きや保護者・法人担当者への連絡状況を管理できる
マネージャー用フォーム:継続率や満足度の集計結果を全体的に確認できる

企業研修の場合は、法人担当者向けに受講者全体の出席状況や研修効果を報告するためのフォームを、別途用意することも検討できます。

6. 出席・進捗管理のワークフロー自動化

ワークフロー機能を使い、次のような自動化を組み込めます。

・出席率が一定水準を下回った生徒・受講者に担当講師への確認タスクを自動作成する
・欠席が続いた場合、保護者・法人担当者への連絡を促す通知を送る
・講座の進捗に応じて、次のレベルへの案内タイミングを通知する

これらの自動化により、「気づいたら長期間欠席が続いていた」という事態を防ぎ、早期のフォローにつなげられます。

7. 顧客ポータルでの情報共有

顧客ポータル機能を使えば、保護者や法人担当者が生徒・受講者の出席状況や進捗を確認できる窓口を用意できます。

・保護者が子どもの出席状況をポータルから確認できる
・法人担当者が受講者全体の出席・進捗状況を、まとめて確認できる
・講座の開催予定や休講のお知らせをポータル経由で発信できる

これにより、電話や個別連絡での問い合わせ対応の負担を減らせます。

8. 業態別に見る活用イメージ

学習塾・予備校:出席状況と保護者への定期報告、模試の受験履歴の管理
資格取得スクール:受講コースの進捗管理、模擬試験の結果履歴
企業研修会社:法人担当者との契約管理、受講者全体の出席・研修効果の報告
オンライン講座提供者:受講状況(視聴履歴など)と問い合わせ対応の履歴管理

業態は異なっても、「本人」と「もう一つの関係者(保護者・法人担当者)」という2層の関係を管理するという構造は共通しています。

9. ある学習塾のよくある課題シナリオ

具体的なイメージを持っていただくために、ある学習塾でのシナリオを紹介します。

この塾では、生徒の出席状況を、講師ごとに個別のノートで記録していました。
ある生徒の出席率が徐々に下がっていましたが、担当講師以外はその変化に気づいていませんでした。
保護者面談のタイミングになって初めて、「実はしばらく前から、お子さんが行きたくないと言うことが増えていた」という話が出て、対応が後手に回ってしまいました。

出席履歴をCRM上で一元管理し、出席率の低下を自動的に検知する仕組みを整えたことで、この塾では、講師だけでなく塾長やスタッフ全体が、早い段階で変化に気づけるようになりました。
「一人の講師の気づき」に依存しない体制を作ったことが大きな変化でした。

10. 保護者とのコミュニケーション設計

学習塾や予備校では、保護者とのコミュニケーションの質が、継続率に直結します。
CRM上で記録した情報を活用し、次のようなコミュニケーション設計が可能です。

・面談の内容を活動履歴として記録し、次回の面談時に振り返れるようにする
・保護者からの要望や相談を担当講師だけでなく、塾全体で共有できる状態にする
・定期的な学習報告をテンプレート化した形式で負担なく送付できるようにする

保護者にとって、「毎回同じことを説明しなければならない」という状態は、大きなストレスになります。
過去のやり取りが記録として残っていることは、保護者との信頼関係を築く上でも重要な要素です。

11. 講師・トレーナーのアサイン管理

講師・トレーナーの数が多くなるほど、誰がどの生徒・受講者、どの講座を担当しているかの管理が複雑になります。

・講師エンティティを用意し、担当している講座・生徒を紐づけて管理する
・講師の稼働状況(担当できるコマ数など)を記録し、新規生徒の割り振りの参考にする
・講師の異動・退職時に、担当していた生徒の引き継ぎをスムーズに行う

これらの管理は、以前営業の属人化を解消する方法で解説した考え方——特定の個人に依存した関係性を組織の記録に変えるという発想——と、本質的に同じものです。

12. 満足度調査の設計における注意点

保護者や法人担当者向けの満足度調査(NPSなど)を実施する際は、次の点に注意することをおすすめします。

・調査結果が、特定の講師個人への評価として、過度に個人を特定する形にならないよう配慮する
・回答内容は、教育・指導方針の改善のために活用し、個別の評価としてではなく、全体的な傾向として扱う
・生徒・受講者本人が未成年の場合、保護者を通じた適切な形での調査設計を心がける

13. 導入の進め方

教育・研修事業者での導入は、次のような段階的な進め方をおすすめします。

・まずは出席管理・生徒情報の一元化という基本的な業務から導入する
・講師・スタッフが運用に慣れた段階で、保護者・法人担当者向けのポータル公開を検討する
・継続率の可視化やアンケート機能は、運用が安定してから追加する

14. よくある質問(FAQ)

Q. 生徒の学習成績も、EMOROCO CRM Liteで管理できますか?
ノーコードでフィールドを追加できるため、成績や模試結果を管理項目として追加することは可能です。
ただし、専用の学習管理システムがある場合は、その連携方法を検討することをおすすめします。

Q. 保護者への連絡は、どのように行えますか?
LINE通知や顧客ポータルを活用し、出席状況や講座の案内を届けられます。

Q. 複数の校舎・拠点を持つ場合、どう管理すればいいですか?
校舎ごとにフィールドを設け、拠点をまたいだ生徒情報を一元的に管理できます。

Q. 企業研修の場合、法人担当者との契約管理もできますか?
はい。法人担当者エンティティに契約内容や契約期間を紐づけて管理できます。

Q. 講師の退職時、生徒の引き継ぎはスムーズにできますか?
生徒エンティティに紐づいた出席履歴や学習メモが記録として残るため、後任の講師も経緯を踏まえて引き継げます。

15. まとめ

教育・研修業界には、生徒・受講者本人と保護者や法人担当者という2層の関係者が存在します。
EMOROCO CRM Liteのノーコード設計を使えば、この2層の関係を整理し、出席状況・継続率・満足度を一元的に管理できます。
講師の異動があっても、生徒との関係性が組織の記録として引き継がれる体制を整えることが、継続率の維持と保護者・法人担当者からの信頼につながります。

EMOROCO CRM Liteは月額1,500円/ユーザー(最低3ユーザーから)・初期費用0円で、30日間の無料トライアル(https://www.emoroco.com/)から始められます。
IT導入補助金対象ツール番号:DL07-0022934。

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この記事を書いた人
松原 晋啓

アーカス・ジャパン代表取締役/CRMコンサルタント
詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォーム型CRM)を提唱して世界的に広めてWWで表彰を受けたCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、The Wall Street Journal、Newsweek、TIME、WORLDCOM、毎日新聞(週刊エコノミスト)、文化放送等、国内外で多くの賞を受賞し、「経済界」にて4年連続で関西財界を代表する企業として選出されている。
著書:バーサタイリスト - 35歳までに「1万人に1人」の実力者になる方法

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