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AttioとEMOROCO CRM Liteを比較する — 「おしゃれなCRM」と「育てるCRM」の根本的な違い

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

「Attio(アティオ)がいいって聞いたんですが、EMOROCO CRM Liteとどう違うんですか」

最近、この質問を受ける機会が増えました。Attioはスタートアップ・テック系企業を中心に注目を集めているCRMで、洗練されたUI・柔軟なデータ構造・豊富なAPI連携が強みです。

正直に言います。Attioは良いツールです。特定の用途においては、EMOROCOより優れている部分があります。

ただ、「自社に合うかどうか」という視点で見ると、両者は根本的に異なる設計思想を持っています。
この記事では、その違いを正直に整理した上で、EMOROCO CRM Liteが勝っている領域を具体的に解説します。


Attioとは何か——まず正直に強みを整理する

Attioは2019年にロンドンで創業されたCRMです。「柔軟性」と「美しさ」を武器に、特にスタートアップ・VC・テック企業の間で急速に普及しました。

Attioの主な強み:

  • 柔軟なデータモデル: Notionに近い感覚でオブジェクト(データの種類)を自由に定義できる。「顧客」「案件」以外のカスタムオブジェクトを直感的に作れる
  • 洗練されたUI: モダンで美しいインターフェース。特にテック系・デザイン系の企業から高い評価を受けている
  • API・連携の充実: REST APIが充実しており、開発者がカスタム連携を構築しやすい
  • リアルタイムコラボレーション: チームでの同時編集・コメント機能が充実している
  • グローバル対応: 英語圏での採用実績が豊富。グローバルチームでの利用に向いている

これらは本物の強みです。
特に「APIを使って自社システムと深く連携したい」「デザイン・UI品質を重視するテック企業」には、Attioが選択肢として上位に来ることもあります。


「誰のために作られたか」という根本的な違い

2つのツールを正確に比較するには、「誰のために設計されたか」を理解する必要があります。

  Attio EMOROCO CRM Lite
主な対象 スタートアップ・テック企業・VC 中堅・中小企業(エンタープライズ対応も可)
設計の中心 柔軟性・開発者フレンドリー CRM4.0(顧客との関係を育てる)
運用に必要なスキル ある程度の技術的素養 ノーコード・現場担当者が設定可能
思想 「自由に作れる」 「業務に合わせて育てる」
日本語対応 限定的(英語が主体) 完全日本語対応(多言語にも対応)
日本のサポート なし(英語のみ) 日本語サポートあり

Attioは「開発者やテック系人材がいる組織が、自分たちの業務に合わせて柔軟にカスタマイズする」という前提で設計されています。
EMOROCO CRM Liteは「現場の担当者が、ITの専門知識なしに自分たちの業務に合わせて育てられる」という前提で設計されています。

この違いが、以下で述べる具体的な差につながります。


EMOROCO CRM Liteが勝っている6つの領域

領域①:感情温度・CRM4.0の思想設計

これが最も根本的な差です。

Attioは顧客データを「正確に・柔軟に管理する」ためのツールです。「顧客が今どういう感情状態にあるか」「関係性の温度感がどう変化しているか」を記録・管理する設計思想はありません。

EMOROCO CRM Liteの中心にある「感情温度」「ナラティブメモ」「ICXキャプチャー」は、CRM4.0——「顧客の深層心理に共鳴し、管理ではなく共創の関係を築く」という思想から生まれた設計です。

Attioでできないこと:

  • 顧客ごとの感情温度(ホット/ウォーム/クール/コールド)を定義し、変化を追跡する
  • 「感情温度がクールに変化→7日以内にフォロータスク自動生成」というCRM4.0的なワークフロー
  • ICX(言語化されない顧客体験)を記録するための専用フィールド設計

感情温度の1年間の蓄積が「顧客の感情パターン」を可視化し、紹介・継続・LTV向上につながるという複利効果は、Attioでは実現できません。


領域②:GISマップ・ルート営業

EMOROCO CRM Liteはver2.0からGISマップ機能を標準搭載しています。顧客の住所を地図上にプロットし、感情温度に応じてピンの色を変える(赤=ホット・オレンジ=ウォーム・青=クール・水色=コールド)ことで、「今日誰を優先して訪問すべきか」が地図を見た瞬間にわかります。

Attioにはこのルート営業・GIS機能はありません。訪問営業・ルート営業・フィールドサービスを行う会社には、この差は実務上の大きな優位性になります。

GISマップが特に有効な業種: 製造業のルート営業、訪問介護・訪問看護、不動産仲介、工務店・建設業、食品・飲料の営業担当


領域③:日本語対応・日本のビジネス文化への適合

Attioは英語が主体のプロダクトです。UIの日本語化は限定的で、サポートも英語のみです。

EMOROCO CRM Liteは完全日本語対応で、日本のビジネス慣行(名刺文化・訪問営業・稟議プロセス・士業の顧問関係など)に合わせた設計がされています。

さらに、アーカス・ジャパンの松原代表が「おもてなし」「一期一会」「主客一体」という日本の文化的概念をCRM4.0に組み込んでいます。
「日本のビジネス文化に根ざした顧客関係管理」という観点で、Attioとは根本から異なります。


領域④:セルフホスト対応

EMOROCO CRM LiteはMicrosoft Azureベースのクラウド運用に加え、自社サーバーへのセルフホストに対応しています。

Attioはクラウド専用です。セルフホストには対応していません。

セルフホストが必要なケース:

  • 金融機関・医療機関・士業(顧客データを社外クラウドに置けない)
  • 官公庁・自治体向けサービスを提供している企業
  • 機密性の高い製造情報・設計情報を扱う製造業

このセキュリティ要件は、Attioでは絶対に満たせません。


領域⑤:コスト構造の透明性と日本市場での現実的な費用

Attioの料金体系(2025年時点):

  • Free:3ユーザーまで無料(機能制限あり)
  • Plus:月額34ドル/ユーザー(約5,100円〜)
  • Pro:月額89ドル/ユーザー(約13,400円〜)
  • Enterprise:要問い合わせ

5名チームで本格利用しようとすると、Plusプランで月額約25,500円〜、Proプランで月額約67,000円〜になります。さらに日本円での請求時のレート変動リスクがあります。

EMOROCO CRM Liteは月額1,500円/ユーザー(税別)、初期費用0円。5名チームで月額7,500円。Attioのプランと比較して3〜9倍のコスト差があります。

  Attio Plus(5名) Attio Pro(5名) EMOROCO CRM Lite(5名)
月額費用目安 約25,500円〜 約67,000円〜 7,500円
初期費用 0円 0円 0円
為替リスク あり(ドル建て) あり(ドル建て) なし(円建て)
日本語サポート なし なし あり

※Attioの料金は為替レートにより変動します。上記は参考値です。


領域⑥:業種別の実務設計の深さ

EMOROCO CRM Liteは、206本以上のブログ記事で取り上げているように、士業・不動産・工務店・保険代理店・製造業・訪問介護・学習塾・美容サロンなど、20以上の業種に特化した実務設計が蓄積されています。

Attioは汎用的な設計が強みである反面、「税理士事務所の決算フォロー仕組み化」「保険代理店のライフイベント先読み」「工務店のOB客5年フォロー」といった業種固有の業務フロー設計が体系化されていません。

「自社の業種に合わせたCRMを作りたい」という場合、EMOROCO CRM Liteには業種別のテンプレート・設計事例が豊富にあります。ゼロから設計する必要がありません。


Attioが勝っている領域——正直に認める

公平のために、Attioが優れている領域も整理します。

Attioが向いているケース:

  • 英語圏のグローバルチームでの利用
  • APIを活用して自社開発のシステムと深く連携したい技術系企業
  • UIの美しさ・モダンさを最優先するデザイン系・クリエイティブ系企業
  • スタートアップのVC管理・ポートフォリオ企業管理
  • Notionのような柔軟なデータ構造を求める企業

これらの用途では、Attioの方が適しています。ツールは「合う・合わない」の問題であり、「優劣」ではありません。


どちらを選ぶべきか——判断の3つの問い

2つのツールを比較するとき、以下の3つの問いに答えてください。

問い①:「既存顧客との関係を深める」ことが主目的か、「柔軟なデータ構造でシステムを作る」ことが主目的か

前者ならEMOROCO CRM Lite。後者ならAttio。

問い②:現場の営業担当者・事務スタッフが自分で設定・変更できることが重要か

重要ならEMOROCO CRM Lite(ノーコード・3クリック設計)。技術者が設定・管理できる環境があるならAttioも選択肢に入る。

問い③:日本語サポート・円建て費用・日本のビジネス文化への対応が必要か

必要ならEMOROCO CRM Lite一択。英語環境・グローバルチームならAttioも検討可能。


まとめ——「おしゃれなCRM」か「育てるCRM」か

Attioは「美しく・柔軟に・開発者フレンドリーに」設計されたCRMです。テック系・グローバル企業にとって魅力的な選択肢です。

EMOROCO CRM Liteは「業務に合わせて育て・顧客との関係を深め・日本の中堅中小企業の現場に根付く」ために設計されたCRMです。

感情温度・CRM4.0の思想・GISマップ・セルフホスト・日本語サポート・業種別の実務設計の深さ——これらはAttioにはない、EMOROCO CRM Liteの独自の強みです。

「どちらが優れているか」ではなく「自社に何が必要か」で選ぶ。それが正しいCRM選定の出発点です。

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デジタル化・AI導入補助金2026 対応ツール番号:DL07-0022934
製品情報:https://www.emoroco.com/


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この記事を書いた人
松原 晋啓

詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォーム型CRM)を提唱して世界的に広めてWWで表彰を受けたCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、The Wall Street Journal、Newsweek、TIME、WORLDCOM、毎日新聞(週刊エコノミスト)、文化放送等、国内外で多くの賞を受賞し、「経済界」にて4年連続で関西財界を代表する企業として選出されている。
著書:バーサタイリスト - 35歳までに「1万人に1人」の実力者になる方法

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