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「紹介が来たらラッキー」から「紹介が来る仕組み」へ — 地域工務店がEMOROCO CRM Liteで紹介営業を仕組み化した変革ストーリー

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

「おたくで建てたお客さんから紹介してもらいました」

この電話が来るたびに、山本社長(仮名)は複雑な気持ちになっていました。

「ありがたい。でも、なぜ今来たのか。なぜあのお客さんが紹介してくれたのか。何が引き金だったのか——まったくわからなかった」

紹介は来る。しかし、なぜ来たのかがわからない。だから、増やしようがない。「紹介が来たらラッキー」という状態がずっと続いていました。

これは、愛知県で外壁リフォームを中心に年間売上1.4億円を誇る山本工務店(仮名・従業員9名)の、EMOROCO CRM Lite導入前の姿です。

※本記事は業界の実態と複数社の実際の導入パターンをもとに構成した仮想の変革ストーリーです。


導入前の課題——「頑張っているのに、成長が止まった」

課題① 完工後の関係が「自然消滅」していた

山本工務店の主力商品は外壁塗装・屋根リフォーム。完工後のお客様との関係は「工事が終わったら終わり」という状態でした。

「完工後にお礼のハガキは送っていた。でも、それだけ。1年後・3年後に連絡することは、ほとんどなかった。完工したお客様が今どんな状態にあるか、誰も把握していなかった」

完工済みのOB客は8年間で約320件。しかし実際にフォローできていたのは、担当者が覚えている顧客だけ。年間を通じてフォロー接触できていたのは30件程度——全体の1割にも届いていませんでした。

課題② 紹介の「連鎖」が途切れていた

山本工務店の受注の約20%は紹介経由でした。しかし紹介の流れを分析してみると、重大な事実が浮かび上がりました。

「紹介してくれているのは、特定の5〜6名のお客さんだけだった。残りの310名以上のお客さんからは、ほぼ一度も紹介が来ていなかった」

なぜ特定の人だけが紹介してくれるのか——それは、担当者が「個人的に仲良し」の顧客だけと関係が続いていたからでした。担当者の「感覚」でフォローしている顧客だけが、紹介を生み出していたのです。

課題③ 担当者が変わると「ゼロからやり直し」

3年前にベテランの営業担当・田中さん(仮名)が独立しました。田中さんが担当していた顧客80名のうち、半数以上は翌年に他社でリフォームをしていたことが、後から判明しました。

「田中さんが持っていたのは、顧客リストじゃなかった。顧客との関係そのものだった。それが全部、彼と一緒に出て行ってしまった」

課題④ 「感覚営業」からのデータがゼロ

「うちの紹介率はどのくらいか」「どのお客さんが紹介してくれやすいか」「完工から何年後に次の工事依頼が来るか」——これらをデータで答えられる人が社内に一人もいませんでした。


転換点——「完工日を入力した瞬間、5年先まで動き出した」

EMOROCO CRM Liteを導入したのは、田中さんが独立した翌年のことでした。

「もう同じことを繰り返したくなかった。お客さんとの関係を、個人じゃなくて会社として持ちたかった」

導入初日、山本社長がまずやったことは驚くほどシンプルでした。

「過去8年分のOB客320件の顧客リストを、CSVでEMOROCOにインポートした。そして各顧客に『完工日』を入力した」

それだけです。

しかし、完工日が入力された瞬間に、EMOROCO CRM Liteのワークフロー自動化が動き始めました。

各OB客に対して自動生成されたタスク(例:完工から3年経過の顧客):
・「3年点検フォロー連絡」→ 今月中に実施
・「5年点検・本格提案」→ 2年後の○月に自動生成予定

320件のOB客に対して、それぞれの完工年月から逆算した「今すぐ動くべきタスク」が一斉に生成されました。

「画面を見たとき、震えた。完工から3年以上経過しているのに一度も連絡していないお客さんが、127件あった。その人たちへの連絡タスクが、全部今週中に届いていた」


導入後3ヶ月——「奇跡のような『ちょうど』が続いた」

奇跡① 「ちょうど考えていたところでした」

導入から2週間後。完工から4年が経過していたBさんへ電話フォローを入れたとき、こう言われました。

「『ちょうど屋根のことが気になっていたんですよ』って。僕が連絡しなかったら、たぶんどこかに電話していたと思う」

これは偶然ではありませんでした。外壁塗装の耐用年数は一般的に10〜15年、屋根は8〜10年。完工から4年経過した顧客は「そろそろ気になり始める」タイミングに差し掛かっている。EMOROCOのワークフローが、その「タイミング」を計算して連絡を促していたのです。

導入2ヶ月後の連絡再開OB客からの反応(127件フォロー結果):

  • 「ちょうど考えていた・興味あり」:34件(26.8%)
  • 「また何かあればお願いしたい」:58件(45.7%)
  • 「他社に頼んだ・検討外」:21件(16.5%)
  • 「連絡つかず・不明」:14件(11.0%)

4年以上放置していた顧客の約4人に1人が「今まさに検討中」だったという事実は、山本社長に強烈なメッセージを届けました。

「俺たちはずっと宝の山の上に座っていたんだ」

奇跡② 紹介者への「御礼の連絡」が自動化された

以前は、紹介をいただいたお客様への御礼が「気が向いたとき」になっていました。

EMOROCO CRM Liteでは、紹介経由の新規顧客が成約した際に「紹介元顧客への御礼連絡タスク」が翌日に自動生成されるよう設定しました。さらに工事完了後に「工事のご報告連絡タスク」が自動生成される仕組みも追加しました。

「『無事に完工しました。ご紹介いただいたAさんもとても喜んでくださっています』と報告したら、『よかった。また知り合いに話しておきます』って言ってくれた」

紹介してくれた方への報告が「次の紹介の種まき」になることに、スタッフ全員が気づいた瞬間でした。


導入8ヶ月後——「紹介営業」が「仕組み」になった

仕組み① 「紹介連鎖マップ」が可視化された

EMOROCOのカスタムフィールドに「紹介元顧客」フィールドを追加したことで、「誰が誰を紹介したか」の連鎖が可視化されました。

8ヶ月後に「紹介連鎖マップ」を分析したとき、驚くべきことが判明しました。

「全紹介の67%が、完工後1〜3年以内のお客さんからだった。完工直後の満足度が最も高い時期に、定期的にフォローして関係を温めておくことが、紹介を生む最大の要因だった」

この発見を踏まえ、完工後1年以内の顧客に対するフォロー頻度を月次に設定。完工後6ヶ月の「満足度確認ミーティング」をルーティンに組み込みました。

仕組み② 「紹介意向スコア」で優先順位をつけた

EMOROCOのカスタムフィールドに「紹介意向(高・中・低)」を追加。接触のたびに担当者が更新します。

「高」の顧客——過去に紹介実績がある・満足度が高い・口コミ発言が多い——に対しては、月次でフォローを入れる設定をワークフローで自動化しました。

ダッシュボードには「紹介意向:高 × 最終接触から60日以上」というビューを設定。紹介してくれやすい顧客への接触が途絶えるリスクを常時モニタリングできる体制になりました。

仕組み③ スタッフが変わっても「関係」は続く

田中さんが独立したときと同じことが、8ヶ月後にも起きました。若手の営業担当・佐藤さん(仮名)が担当替えになったとき、引き継いだ顧客40名の対応をEMOROCOだけで完結させました。

「前任者の訪問メモ・感情メモ・紹介関係を確認してから電話した。『先日、田中が担当しておりましたが、引き続きよろしくお願いします。そういえば、前回お子さんの受験のお話をされていましたね。その後いかがでしたか?』って話せた」

顧客から「ちゃんと引き継いでくれているんだね」と言われた瞬間、佐藤さんはEMOROCOの価値を体感しました。


導入1年後——数字が物語る変化

指標 導入前 導入1年後
OB客へのフォロー接触率(年間) 9.4%(320件中30件) 78.4%(320件中251件)
紹介経由の受注割合 約20% 約38%
紹介してくれる顧客の数 5〜6名(特定の人だけ) 29名(新規紹介者が増加)
完工後リピート受注の平均期間 把握できず 完工後3.2年(データで把握)
担当者交代後の顧客継続率 「半数が疎遠に」(感覚) 引き継ぎ後も文脈連続で対応可能

特に注目すべきは「紹介してくれる顧客の数」の変化です。5〜6名だった紹介者が29名に増えた——これは特定の「紹介してくれる人」に依存した状態から脱し、フォロー接触した顧客全体から紹介が生まれる「仕組み」ができた証拠です。


山本社長が語る「本当の変化」

「数字の変化より、もっと大切なことが変わった」と山本社長は言います。

「以前は、お客さんのことが心配だった。フォローできていないお客さんが、どんな状態にあるのか。冷めているのか、もう他の会社に行ってしまったのか。それが見えなくて、ずっと不安だった」

「今は、全員の状態が見えている。誰に今月連絡すべきか、誰がそろそろ次の工事を考え始めているか、誰が紹介してくれる可能性があるか——ダッシュボードを開くだけでわかる。不安がなくなった」

顧客管理システムを導入することにより顧客のニーズに合った提案ができるようになり、顧客満足度が向上すると良い口コミが広がり、紹介をもらえる数も増える——この言葉が示す変化が、山本工務店で実際に起きました。

しかしそれ以上に、山本社長が感じた変化は「安心感」でした。OB客全員との関係が「見えている」状態になったこと——それが最大の成果だったのです。


この変革が教えてくれること

山本工務店の変革に、特別な才能は必要ありませんでした。「完工日を入力した」——それだけが出発点でした。

新規顧客の獲得には既存客の5倍の費用がかかる(1:5の法則)。顧客獲得単価を抑えるには顧客管理システムの導入がもっとも効果的——この原則は知識として知っていても、仕組みとして実践できていない工務店は多い。

「紹介が来たらラッキー」から「紹介が来る仕組み」への転換に必要なのは、高額なシステムでも、大規模な組織改革でもありません。

OB客の情報をCRMに入れ、完工日をトリガーにしたワークフローを設定し、紹介元を記録して連鎖を可視化する——この3つが揃った瞬間に、仕組みは動き始めます。

EMOROCO CRM Liteは、月1,500円/ユーザーから、この仕組みを今日から構築できます。まずは過去のOB客リストをCSVでインポートし、完工日を入力することから始めてください。翌日から、「今週フォローすべきOB客リスト」がダッシュボードに現れます。
https://www.emoroco.com/


まとめ——山本工務店の変革を支えた4つのEMOROCO設計

①完工日トリガーのワークフロー 完工日を入力するだけで、1ヶ月後・6ヶ月後・1年後・3年後・5年後のフォロータスクが自動生成。「覚えていなくても」先手を打てる体制に。

②紹介元フィールドと紹介連鎖の可視化 誰が誰を紹介したかを記録することで、「紹介が多く生まれる時期と条件」がデータで判明。フォロー戦略の精度が劇的に向上。

③紹介意向スコアとダッシュボード 紹介してくれやすい顧客を優先的にフォローするための自動アラートを設定。「紹介者の枯渇」リスクを常時モニタリング。

④担当者交代時の文脈継承 感情メモ・訪問履歴・紹介関係がEMOROCOに蓄積されているため、担当が変わっても「この顧客の物語の続き」から会話を始められる。


関連記事:[工務店・リフォーム会社がEMOROCO CRM LiteでOB客フォローを5年先まで設計する方法]

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この記事を書いた人
松原 晋啓

詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォームドCRM)を世界的に提唱したCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、国内外で多くの賞を受賞している。
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