Dynamics365(Dataverse) 基本機能編(1) エンティティとは
みなさん、こんにちは。
今回から、Dynamics365(Dataverse)の中でも、基本的な機能について紹介していく連載を始めてみます。
まずはDynamicsの基本用語にして非常にとっつきにくい「エンティティ」についてご紹介します。
Dynamicsの標準では、顧客となる企業を管理するためのエンティティとして「取引先企業」エンティティがあります。
また、顧客の企業の社員さんの中で、自社のことを担当してくれている人のデータを格納する「取引先担当者」エンティティもあります。
このように、Dynamicsには、いろいろなエンティティが登場しますが、「エンティティ」とはそもそも何なのか。
エンティティを「箱」ととらえる
もしあなたが、システムやデータベースのことはあまりわからないという場合、エンティティとは、データを種類別にまとめるための「箱」だと考えると、理解しやすいのではないかと思います。
・顧客の中でも「企業」のデータは「取引先企業」という箱に入れて管理する。
・顧客の中でも「人」のデータは「取引先担当者」という箱に入れて管理する。
1つの箱の中に、いろいろな種類のデータがごちゃ混ぜになっていると、整理できないので、データの種類ごとに箱を用意しましょう、というわけです。
その箱の1つ1つをエンティティといい、Dynamicsに最初から用意されている箱もあるし、自分で独自の箱を作ることもできるわけです。
データベースが分かる人向け
データベースをご存じの方から、エンティティとは何かと聞かれたら、とりあえずデータベースの「テーブル」のようなものである、という理解で問題ありません。
例えば、現在使っているシステムではエンティティをいくつ使っていますか?という質問は、テーブルがいくつありますかという問いと、ほぼ同義です。
取引先企業エンティティのレコードという言い方は、取引先企業というテーブルのレコードと読み替えれば、しっくり来ると思います。
テーブルとは何が違うか
エンティティは、ほぼ、データベースの「テーブル」と考えてよいと書きました。
では厳密に、テーブルとは何が違うのかといいますと。
エンティティとは、テーブルに加えて、テーブルに付随する機能もひっくるめた集合体というのが、より正確です。
例えば、取引先企業エンティティは、取引先企業レコードを格納するテーブルを提供していると同時に、レコードを登録するのに必要な、取引先企業の「フォーム」も付随していますし、登録したレコードを閲覧する「ビュー」も付随しています。
※カスタマイズ画面より。「取引先企業」のエンティティの下には、フォームやビューといった要素が含まれている。
すなわち、データを格納するテーブルを核として、そのテーブルに付随するフォームやビュー、その他の機能をひっくるめたものが、Dynamicsの「エンティティ」です。
上記、エンティティに付随する各種の機能は、また次回以降にお伝えします。
おわりに
ここまで、エンティティとは何かについて、簡単にお伝えしました。
本日、こちらの記事を読んでいただいた方で、エンティティのことを知らなかったという方は、まずは「データを種類別にまとめるための「箱」のことである」、あるいは、「データベースのテーブルのことである」という理解でも良いので、そのイメージを覚えていただければと思います。
また、これまでに「箱」や「テーブル」という理解をされていた場合は、ぜひ次回以降の記事で、エンティティのほかの構成要素についても見ていきましょう。
※連載リスト
Dynamics365 基本機能編(1) エンティティとは
Dynamics365 基本機能編(2) ビューとは
Dynamics365 基本機能編(3) フォームとは
Dynamics365 基本機能編(4) グラフとは