Dynamics365(Dataverse) 基本機能編(3) フォームとは
みなさん、こんにちは。
Dynamics365(Dataverse)の中でも、基本的な機能について紹介していく連載の第3回です。
今回は「フォーム」です。こちらもエンティティにおいて非常に基本的な機能です。
フォームの概略
前回お伝えした「ビュー」は、エンティティに格納された複数のデータを一覧として表示する機能でしたが、今回の「フォーム」は、エンティティに格納されたデータの1件の詳細を表示したり、内容の更新を行ったりする機能です。
典型的なフォーム利用シーン
典型的なフォームの使用方法としては、まずビューで、自分の見たいデータを探します。その中の1件を選ぶと、フォームが出てきて詳細を閲覧する。
さらには、そこでデータの更新を行う。
そういった流れで作業することが多いです。
フォームに備わった機能
Dynamics365におけるフォーム機能の特徴は、エンティティの機能としてフォームが組み込まれているところにあります。
標準エンティティもさることながら、カスタムエンティティを新たに作った場合でも、何もしなくても標準的なフォームが勝手に作られ、最低限の項目が配置された状態になっています。
また、Dynamics365のフォームですが、様々な機能が標準で用意されています。
(例1)新規ボタンを押せば新規モードのフォームが出てきますし、
(例2)内容を入力して保存ボタンを押せばフォーム上の各項目の値を新規データとして保存され、フォームは編集モードに切り替わりますし、
※↑ビューに戻ってみると、「営業案件作成テスト」というデータが追加されているので、フォームでデータ保存できたことが確認できる
(例3)レコードを論理削除(非アクティブ化)したらフォームが読み取り専用になりますし・・
などと、よく考えるといろいろな機能が標準で用意されています。これを1から自分で作ろうとすることを考えると、なかなか手間ですよ。
フォーム作成・編集
こういった、どんなエンティティでもこの機能は共通的に持っていてほしいと思われるものが最初から備わっているのが、Dynamics365のフォームです。
これのおかげで、Dynamics365における「フォームを作る」作業は、その大部分が、「どこにどんな項目を配置するのか」という作業になるため、プログラマでない人にとってもお手軽にフォームを組み立てることができます。
まだフォームに配置されていない項目を配置したり、
既に配置されている項目を並べ替えたり、
これらの操作を、ドラッグ&ドロップで実現できます。
フォーム機能の変化
ビューと同様、フォーム機能も、Dynamics CRM/Dynamics365の歴史とともに変化を続けてきました。
ここ数年で最も大きい変化は、2018~2019年にかけて発生した、統一UIへの移行でしょう。
PCとスマホで同じUIを使うようにすることを目的に、それまでのUIを一新しました。
画面サイズを変更すると自動的に項目の配置が変更されるようになっているため、画面の狭いスマホでも同じUIでの表蛆が可能になっています。
(その反面、項目の配置に対する融通が利きづらくなった部分もありますが。)
統一UI対応以降も、細かいバージョンアップは何度も行われています。
Dynamics365の基本機能であるところのフォーム画面を、少しでも使いやすいものにしようと、常にMicrosoftは改善を繰り返しています。
※なお、統一UI化以前のサンプル画面をお見せしようとしましたが、今から新たに統一UI化以前の環境を取得することはできなくなっているため少々難しいです。画像検索して、Dynamicsに関する古いWeb記事を探してみてください。
また、下記のように、今でも、設定画面においては、かつてのDynamicsの姿が残っています。
おわりに
このように、Dynamics365のフォームはエンティティに付随する存在する機能の1つで、エンティティを新規で作ったら標準のフォームが勝手に作られるなど、エンティティと一体で管理されるものです。
※実は、この「エンティティと一体」というのは良し悪しもありまして、Dynamics365のフォームで
「どのエンティティにも対応しないフォームを作りたい」
「2つのエンティティの項目をまとめて更新するフォームを作りたい」
となると、急に難易度が増してしまうのもまた特徴です。
フォームにはまだまだ様々な機能が備わっていますが、今回はDynamicsの基本機能の概観が趣旨なので、このあたりにしておきます。
次回も、引き続き、エンティティの基本機能についてお伝えします。
※連載リスト
Dynamics365 基本機能編(1) エンティティとは
Dynamics365 基本機能編(2) ビューとは
Dynamics365 基本機能編(3) フォームとは
Dynamics365 基本機能編(4) グラフとは