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今、CRMに投資すべき理由【連載②】もう一つの見えない危機 — 顧客情報セキュリティへの投資不足
こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。
前回は、既存顧客との関係を大切にする企業ほど、危機の時代を乗り越えやすいという教訓と日本企業に根強く残る新規偏重の構造についてお伝えしました。
第2回となる今回は、既存顧客対応と同じように、多くの日本企業が予算を後回しにしがちな、もう一つの見えない危機——顧客情報セキュリティについて解説します。
目次
1.見えないコストはなぜ軽視されるのか
2.日本企業を取り巻くサイバー脅威の実態(再確認)
3.なぜセキュリティ投資が後回しにされるのか
4.既存顧客軽視とセキュリティ軽視は同じ構造から生まれている
5.Excel管理というもう一つの盲点
6.この2つの危機が同時に襲ってきたらどうなるか
7.よくある質問(FAQ)
8.まとめ:次回予告
1. 見えないコストはなぜ軽視されるのか
前回、既存顧客対応が軽視される理由として、「成果が見えにくい」という構造を挙げました。
実は、セキュリティ投資についても、まったく同じ構造が当てはまります。
・新規顧客獲得の成果は、契約件数として分かりやすく報告できる。既存顧客対応の成果は「離反を防げた」という見えにくい形でしか現れない
・新しい機能やシステムの導入効果は分かりやすい。セキュリティ対策の効果は「攻撃されなかった」というこれもまた見えにくい形でしか現れない
「何も起きなかったこと」を成果として評価する文化が根付いていない組織では、既存顧客対応もセキュリティ対策も後回しにされやすいという共通の弱点を抱えています。
2. 日本企業を取り巻くサイバー脅威の実態(再確認)
改めて、公的機関のデータを確認しておきます。
・警察庁の発表によれば、2025年のランサムウェア被害報告件数は226件で、過去最多だった2022年に次いで過去2番目に多い水準でした
・ランサムウェア被害のうち、中小企業が全体の約3分の2を占めています
・個人情報保護委員会の発表では、2025年度の個人情報漏えい件数は19,417件で、過去2番目に多い件数でした
・東京商工リサーチの調査では、2025年に上場企業とその子会社が公表した情報漏えい・紛失事故は180件、漏えいした個人情報は3,063万人分を超えています
これらの数字は、詳しくは日本企業の顧客情報が世界中から狙われている — 今、CRMで守るべき理由でも解説しています。
3. なぜセキュリティ投資が後回しにされるのか
多くの中小企業でセキュリティ投資が後回しにされる理由は、次のように整理できます。
・「うちのような会社が狙われるはずがない」という思い込み
・セキュリティ対策を、専門的で自社には手が届かないものだと感じている
・過去に大きな被害を経験していないため、リスクを実感しにくい
・限られた予算を、売上に直結しやすい新規顧客獲得の広告費に優先的に配分してしまう
最後の点は、前回解説した既存顧客軽視の構造と驚くほど似ています。
「見えやすい成果」に予算が偏り、「見えにくいリスク」への備えが後回しにされるという同じ経営判断の癖がここでも表れているのです。
4. 既存顧客軽視とセキュリティ軽視は同じ構造から生まれている
ここで、2つの問題を並べてみます。
| 既存顧客対応 | セキュリティ対策 | |
|---|---|---|
| 効果の見え方 | 見えにくい(離反を防げたという形) | 見えにくい(攻撃されなかったという形) |
| 予算配分の傾向 | 後回しにされやすい | 後回しにされやすい |
| 放置した場合のリスク | 気づかぬうちに顧客が離反する | 気づかぬうちに情報が漏えいする |
| 本質的な対策 | 関係性を記録として蓄積する仕組み | 情報を一元管理し統制する仕組み |
興味深いことに、この2つの課題はどちらも「CRMという基盤を持つこと」によって同時に改善できる関係にあります。
顧客情報を一元管理する基盤は、関係性を資産として蓄積する土台であると同時にアクセス権限を統制するセキュリティガバナンスの土台でもあるからです。
5. Excel管理というもう一つの盲点
既存顧客対応もセキュリティ対策も後回しにされている会社の多くに共通するのが、顧客情報をExcelで管理しているという実態です。
以前Excelで顧客情報を管理するリスクで詳しく解説した通り、Excelでの管理にはパスワード保護の甘さ、ファイルコピーの氾濫、退職時の回収漏れといった構造的なリスクがあります。
さらに言えば、Excelで管理された顧客情報は、既存顧客一人ひとりの状態を継続的に把握することも難しくします。
つまり、Excel管理は既存顧客対応の弱さとセキュリティの弱さの両方の原因になっているのです。
6. この2つの危機が同時に襲ってきたらどうなるか
想像してみてください。
既存顧客との関係が希薄なまま、景気が悪化し、顧客が離反し始めている
——そんな最中に、Excelファイルの入ったノートパソコンを紛失し、情報漏えい事故を起こしてしまったら、どうなるでしょうか。
・ただでさえ離反しやすい既存顧客が情報漏えいという決定的な理由で完全に離れていく
・事故対応に追われ、既存顧客のフォローに割ける時間がさらに減る
・企業イメージの悪化が新規顧客の獲得にも悪影響を及ぼす
2つの見えない危機はそれぞれ単独でも深刻ですが、同時に発生した場合、その被害は掛け算のように大きくなります。
7. よくある質問(FAQ)
Q. セキュリティ対策と既存顧客対応は、本当に同じ仕組みで改善できますか?
完全に同一ではありませんが、顧客情報を一元管理し、権限を統制できるCRM基盤を持つことは、両方の課題に共通する土台になります。
Q. 中小企業が限られた予算でどちらを優先すべきですか?
どちらか一方を選ぶ必要はありません。
CRMという一つの基盤への投資が、既存顧客対応とセキュリティ対策の両方に効果を発揮するため、優先順位で悩む前にこの共通の土台への投資を検討する価値があります。
Q. 「見えないコスト」を経営会議で説明するには、どうすればいいですか?
対応漏れや情報漏えいが起きた場合の損失を具体的な試算として提示することが有効です。
8. まとめ:次回予告
既存顧客対応の軽視とセキュリティ対策の軽視は、どちらも「見えないコストを軽視する」という同じ経営判断の癖から生まれています。
そして、この2つの課題は、CRMという一つの基盤によって同時に改善できる関係にあります。
次回は数あるCRMの中でなぜEMOROCO CRM Liteを選ぶべきなのか具体的な理由を詳しく解説します。
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