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EMOROCO CRM Lite

CRM4.0の理論的源流【後編】LCV理論とEMOROCO CRM Liteでの実現方法

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

前編では、リレーションシップマーケティング(RM)の本質と、6マーケットモデルという理論的枠組みを解説しました。

後編となる今回は、RMのもう一つの重要な柱であるLCV(顧客生涯価値)理論を取り上げ、これらの理論をEMOROCO CRM Liteがどう実装しているのかを機能ごとに具体的に解説します。

目次

1.LCV(顧客生涯価値)理論とは何か
2.なぜLCVの最大化がRMの核心的な目的なのか
3.LCVを構成する要素
4.CRM4.0の3軸評価とLCVの関係
5.6マーケットモデルをEMOROCO CRM Liteでどう扱うか
6.LCV最大化を支えるEMOROCO CRM Liteの機能マッピング
7.理論と実装をつなぐということ
8.よくある質問(FAQ)
9.まとめ:2回の連載を振り返って

1. LCV(顧客生涯価値)理論とは何か

LCV(Life Customer Value、一般にはLTV:Life Time Valueや、CLV:Customer Lifetime Valueとも呼ばれます)とは、一人(あるいは一社)の顧客が、取引を開始してから終了するまでの期間全体で、企業にもたらす価値の総計を示す指標です。
呼び方はLCV・LTV・CLVといくつかありますが、いずれも「顧客との関係を、一回の取引ではなく、関係が続く期間全体で捉える」という同じ考え方を指しています。

2. なぜLCVの最大化がRMの核心的な目的なのか

RMが「取引」ではなく「関係」を重視する理由は、まさにこのLCVという考え方に集約されます。
一回の取引でどれだけ利益を得られるかではなく、顧客との関係が続く期間全体でどれだけの価値を生み出せるかを最大化することが、RMが目指す本質的なゴールです。

以前、既存顧客との向き合い方の記事で触れた「1:5の法則」
——新規顧客の獲得コストは、既存顧客維持コストの5倍かかるという原則も、このLCVという考え方を裏付けています。
一度築いた関係を長く維持し、その期間全体の価値を高めていくことは、新規顧客を次々に獲得し続けることよりもはるかに効率的な成長戦略なのです。

3. LCVを構成する要素

LCVは、一般的に次のような要素の掛け合わせで構成されます。

・取引の継続期間:顧客が離反せずに取引を続けてくれる期間の長さ
・取引の頻度・単価:一定期間内にどれだけの頻度で、どれだけの金額を取引してくれるか
・粗利率:売上のうち、どれだけが利益として残るか
・紹介による波及効果:その顧客が、新たな顧客を紹介してくれる効果(6マーケットモデルの「紹介者市場」との接点)

これらの要素のうち、特に「継続期間」に大きな影響を与えるのが、顧客との関係性の質です。
関係性が良好であれば継続期間は延び、関係性が悪化すれば早期に離反してしまいます。

4. CRM4.0の3軸評価とLCVの関係

ここで、これまで解説してきたCRM4.0の3軸評価——ナーチャリングスコア・感情温度・NPSが、LCVとどう結びつくかを整理します。

・ナーチャリングスコアは、顧客の行動的な関与度を捉えることで、継続期間や取引頻度の先行指標になります
・感情温度は、現場が感じる関係性の深さを捉えることで、離反の兆候を早期に察知する材料になります
・NPSは、顧客が他者に薦めたいと思うかどうかを捉えることで、紹介による波及効果を予測する材料になります

つまり、CRM4.0の3軸評価は、LCVを構成する要素それぞれに対応する先行指標として機能するように設計されています。
これは偶然の一致ではなく、RM理論におけるLCV最大化という目的を具体的な運用指標に落とし込んだ結果です。

5. 6マーケットモデルをEMOROCO CRM Liteでどう扱うか

前編で解説した6マーケットモデルの6つの市場は、EMOROCO CRM Lite上で、それぞれ次のように扱うことができます。

・顧客市場:取引先・案件・活動履歴といった標準機能で管理
・紹介者市場:NPSデータや紹介元をたどれるエンティティ設計により、紹介経由の顧客を追跡
・供給者市場:取引先企業エンティティを顧客だけでなく仕入先・協力会社の管理にも応用
・内部市場個人ダッシュボードセキュリティロールによる社内向けの情報共有・権限設計
・影響者市場・採用市場:標準機能としては顧客市場ほど手厚くありませんが、ノーコードでのエンティティ追加により、業界の専門家リストや採用候補者リストといった形で管理を拡張できます

6マーケットモデルの全体を一つのCRMだけで完璧にカバーすることは容易ではありませんが、ノーコードによる拡張性があることで、顧客市場以外の関係性管理にも応用の幅を広げられます。

6. LCV最大化を支えるEMOROCO CRM Liteの機能マッピング

LCVを構成する要素ごとに対応する機能を整理します。

LCVの構成要素 対応するEMOROCO CRM Liteの機能
継続期間の延伸 感情温度・ナーチャリングスコアによる離反兆候の早期発見、チャーン予測
取引頻度・単価の向上 ワークフローによる定期フォロー自動化、ダッシュボードでの案件進捗管理
粗利率の維持 ノーコードによる低コスト運用、属人化解消による対応工数の削減
紹介による波及効果 NPSデータの収集、紹介元の追跡設計

このように、LCVという一つの理論的な目的から逆算すると、EMOROCO CRM Liteの各機能がバラバラの便利機能の寄せ集めではなく、一貫した目的を持って設計されていることが見えてきます。

7. 理論と実装をつなぐということ

CRMツールの多くは、「便利な機能がたくさんある」という形で訴求されます。
しかし、なぜその機能が必要なのか、どういう理論的根拠に基づいているのかを説明できるCRMは、実はそれほど多くありません。

EMOROCO CRM Liteは、RM理論・6マーケットモデル・LCV理論という、マーケティング学における確立された理論を出発点にし、それをCRM4.0という現代的な解釈に落とし込み、さらに具体的なソフトウェア機能として実装するという一貫した流れを持っています。
この一貫性こそが、単なる機能の寄せ集めではない理論的な裏付けのある製品であることの証明です。
そして、それがAIでEMOROCO CRM Liteが開発出来ない最大の理由です。

8. よくある質問(FAQ)

Q. LCVとLTVは、同じ意味ですか?
はい。
呼び方の違いはありますが、いずれも「顧客との関係が続く期間全体で生み出される価値」を指す同じ概念です。

Q. 6マーケットモデルのすべてを、CRM上で管理する必要がありますか?
必須ではありません。
まずは顧客市場から始め、必要に応じて紹介者市場や供給者市場の管理にもノーコードで拡張していくという進め方が現実的です。

Q. LCVを実際に計算するには、どうすればよいですか?
継続期間・取引頻度・単価・粗利率といった要素を、CRM上に蓄積されたデータから算出できます。
ダッシュボード機能を使えば、これらの指標を可視化できます。

9. まとめ:2回の連載を振り返って

前編では、リレーションシップマーケティングの本質と6マーケットモデルという理論的な広がりを、後編ではLCV理論とEMOROCO CRM Liteがこれらの理論をどう実装しているかを解説しました。

CRM4.0は、決して新しく思いつかれた概念ではなく、RM理論という確立された経営学の系譜の上に成り立っています。
ナーチャリングスコア・感情温度・NPSという3軸評価は、LCVという指標を最大化するための先行指標として設計されており、6マーケットモデルが示す関係性の広がりは、ノーコードによる拡張性を通じて顧客市場以外にも応用できます。
理論を理解した上でEMOROCO CRM Liteを使うことで、単なる機能の操作にとどまらない本質的な関係性資産化の実践につながります。

EMOROCO CRM Liteは月額1,500円/ユーザー(最低3ユーザーから)・初期費用0円で、30日間の無料トライアル(https://www.emoroco.com/)から始められます。
IT導入補助金対象ツール番号:DL07-0022934。

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この記事を書いた人
松原 晋啓

アーカス・ジャパン代表取締役/CRMコンサルタント
詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォーム型CRM)を提唱して世界的に広めてWWで表彰を受けたCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、The Wall Street Journal、Newsweek、TIME、WORLDCOM、毎日新聞(週刊エコノミスト)、文化放送等、国内外で多くの賞を受賞し、「経済界」にて4年連続で関西財界を代表する企業として選出されている。
著書:バーサタイリスト - 35歳までに「1万人に1人」の実力者になる方法

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