- #セキュリティ対策
- #セキュリティガバナンス
- #情報セキュリティ
- #DX
- #EMOROCO CRM Lite
- #Creative CRM
- #アーカス・ジャパン
- #CRM4.0
- #法人心理学
- #企業心理学
- #CRMドクター
- #CRM・xRM
- #EMOROCO
- #人工知能・機械学習(AI・ML)
- #顧客・販売戦略(SFA)
- #カスタマーサービス・コールセンター(CS)
- #マーケティング・オートメーション(MA)
- #カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)
- #AI
- #フィールドサービス(FS)
- #CRM
CRM4.0の理論的源流【前編】リレーションシップマーケティング(RM)の本質と6マーケットモデル
こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。
CRM4.0という理論は、突然生まれたものではありません。
その源流をたどっていくと、1980年代から発展してきた「リレーションシップマーケティング(RM)」という経営理論に行き着きます。
今回から2回にわたり、このRMの本質とCRM4.0がそこからどう発展してきたのかを、学術的な理論に立ち返りながら詳しく解説します。
前編となる今回は、RMの本質と「6マーケットモデル」を扱います。
目次
1.リレーションシップマーケティングとは何か
2.なぜ「取引」から「関係」へと発想が転換したのか
3.6マーケットモデルとは何か
4.6つの市場、それぞれの意味
5.6マーケットモデルが示す、マーケティングの本当の広がり
6.CRM1.0〜4.0との接続点
7.よくある質問(FAQ)
8.まとめ:後編に向けて
1. リレーションシップマーケティングとは何か
リレーションシップマーケティング(Relationship Marketing、以下RM)とは、顧客との一回限りの取引を追い求めるのではなく、顧客と長期的・継続的な関係を築き、その関係性そのものを企業の資産として捉える経営理論です。
以前CRMの歴史と定義でも触れた通り、CRMという概念には、RMに端を発する経営戦略としての系譜とCRM1.0から発展してきたソフトウェアとしての系譜という2つの流れがあります。
RMは、まさにこの経営戦略としての系譜の出発点にあたる理論です。
2. なぜ「取引」から「関係」へと発想が転換したのか
RMが提唱された背景には、大量生産・大量販売を前提とした工業化社会の「マスマーケティング」の限界がありました。
マスマーケティングは、不特定多数の消費者に同じ製品・同じメッセージを届けることを前提としています。
しかし、消費経済が成熟し、消費者のニーズが多様化するにつれて、この画一的なアプローチでは顧客との深い結びつきを作れなくなっていきました。
この課題意識から「顧客を、一回きりの取引相手としてではなく、継続的な関係を築くパートナーとして捉える」という発想の転換が生まれました。
これが、RMの根本的な出発点です。
3. 6マーケットモデルとは何か
RMの理論の中でも、特に重要な枠組みの一つが「6マーケットモデル(Six Markets Model)」です。
これは、マーケティング学者のマーティン・クリストファー、エイドリアン・ペイン、デビッド・バランタインによって提唱された考え方で、企業が関係性を構築すべき対象は顧客だけにとどまらないという視点を示しています。
多くの企業は「マーケティング=顧客への働きかけ」と考えがちです。
しかし6マーケットモデルは、企業が本当に良好な関係を築くべき相手は、次の6つの市場に広がっていると説明します。
出典:Christopher, M., Payne, A. and Ballantyne, D., “Relationship Marketing”
4. 6つの市場、それぞれの意味
① 顧客市場(Customer Markets)
新規顧客と既存顧客の両方を指します。
6マーケットモデルの中心に位置づけられますが、あくまで6つの市場のうちの一つに過ぎないという点が重要です。
② 紹介者市場(Referral Markets)
既存顧客や取引先など、新たな顧客を紹介してくれる存在です。
口コミや紹介プログラムを通じて、新規顧客獲得のコストを抑えながら質の高い見込み客を得られる市場です。
③ 影響者市場(Influence Markets)
業界の専門家、メディア、規制当局、アナリストなど、企業や製品の評判に影響を与える存在です。
直接の取引相手ではありませんが、企業の評判形成に大きな役割を果たします。
④ 供給者市場(Supplier Markets)
仕入先や協力会社など、事業運営に不可欠なパートナーです。
良好な関係を築くことで、コストや品質、供給の安定性に良い影響を与えられます。
⑤ 採用市場(Recruitment Markets)
優秀な人材を採用するための市場です。
良い人材を惹きつけられる企業であることは、長期的な事業の質を左右します。
⑥ 内部市場(Internal Markets)
社内の従業員を、いわば「内部の顧客」として捉える考え方です。
従業員満足度が低ければ、顧客への対応品質にも影響します。
5. 6マーケットモデルが示す、マーケティングの本当の広がり
6マーケットモデルが示す最も重要な示唆は、「顧客とだけ良い関係を築いても事業は持続的に成長しない」ということです。
紹介者との関係が薄ければ新規顧客の紹介は生まれず、内部の従業員との関係が悪ければ顧客対応の質は落ち、供給者との関係が不安定であれば製品・サービスの品質そのものが揺らぎます。
つまり、RMが目指す「関係性の構築」は、顧客との一対一の関係にとどまらず、企業を取り巻くステークホルダー全体に及ぶ包括的な経営の視点だということです。
6. CRM1.0〜4.0との接続点
ここで、これまで解説してきたCRMの歴史を振り返ってみます。
CRM1.0からCRM3.0までのソフトウェアとしてのCRMは、主に「顧客市場」との関係管理に焦点を当てて発展してきました。
取引先管理、活動履歴、商談管理といった機能は、いずれも顧客市場を対象としたものです。
しかし、RMが本来示していたのは、顧客市場だけでなく、紹介者・影響者・供給者・採用・内部という6つの市場全体を見渡す視点でした。
CRM4.0が目指す「関係性資産化」という考え方は、この本来の広がりを取り戻そうとする試みでもあります。
次回はこの視点を具体的な指標——LCV(顧客生涯価値)理論と結びつけながら、EMOROCO CRM Liteがどう実現しているかを解説します。
7. よくある質問(FAQ)
Q. 6マーケットモデルは、いつ、誰が提唱したのですか?
マーケティング学者のマーティン・クリストファー、エイドリアン・ペイン、デビッド・バランタインによって提唱されたリレーションシップマーケティングにおける代表的な理論的枠組みです。
Q. CRMは、顧客市場以外もカバーできるのですか?
標準的なCRMソフトウェアは顧客市場を中心に設計されていますが、取引先(供給者)の管理や社内向けのダッシュボード活用など、工夫次第で他の市場との関係管理にも応用できます。
Q. なぜ「顧客だけ見ていればいい」という考え方では不十分なのですか?
紹介・評判・人材・供給網といった要素は、いずれも顧客との関係の質や事業の持続可能性に間接的に影響します。
顧客市場だけを見ているとこうした周辺の要因を見落としてしまいます。
8. まとめ:後編に向けて
リレーションシップマーケティングは、「取引」ではなく「関係」を中心に据える発想の転換から生まれた理論であり、6マーケットモデルはその関係構築の対象が顧客だけにとどまらないことを示しています。
CRM4.0が目指す関係性資産化は、この本来の広がりを現代の技術で取り戻そうとする試みです。
後編では、RMのもう一つの重要な理論であるLCV(顧客生涯価値)理論を取り上げ、EMOROCO CRM Liteがこれらの理論をどう実装しているかを解説します。
EMOROCO CRM Liteは月額1,500円/ユーザー(最低3ユーザーから)・初期費用0円で、30日間の無料トライアル(https://www.emoroco.com/)から始められます。
IT導入補助金対象ツール番号:DL07-0022934。
EMOROCO CRM Liteのアップデート情報や、CRM運用に役立つ情報を毎月お届けするニュースレター「アーカスNEWS」もございます。
よろしければこちらからご登録ください。
また、note(https://note.com/arcuss_crm)でもCRM4.0に関する有益な記事を発信していますので、あわせてご覧ください。



