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EMOROCO CRM Lite

人材紹介・人材派遣向けにEMOROCO CRM Liteで候補者と企業の両方を管理する「ダブルサイドCRM」の設計

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

「求人企業の担当者との関係は管理できているが、候補者一人ひとりとの関係が属人化している」

「候補者が入社した後、定着しているかのフォローが担当者任せになっている」

「優秀な候補者を複数の求人企業に紹介できるはずなのに、マッチングの情報が担当者の頭の中にある」

人材紹介会社・人材派遣会社のコンサルタント・マネージャーから繰り返し聞く言葉です。

人材ビジネスのCRM設計が他業種と根本的に異なる点は、「顧客が2種類いる」ことです。
求人企業(クライアント)と求職者・候補者(カンディデイト)——この2つは全く異なる関係構造を持ちながら、どちらも同時に管理する必要があります。
この設計を「ダブルサイドCRM」と呼びます。


ダブルサイドCRMとは何か

【一般的なCRMの構造】
自社(サービス提供者)→ 顧客(1種類)

【人材ビジネスのダブルサイドCRM】
自社(エージェント)→ 求人企業(クライアントサイド)
自社(エージェント)→ 候補者(カンディデイトサイド)

さらに:
 候補者 ← マッチング → 求人企業
 この「マッチング」という第三の関係を管理する

求人企業と候補者、それぞれの感情温度・状態・関係の文脈を別々に管理しながら、両者のマッチング状況も記録する——この三層の設計がダブルサイドCRMの核心です。


エンティティ設計——3種類のレコードを設計する

EMOROCO CRM Liteでは以下の3種類のレコードを設計します。

エンティティ①:求人企業レコード(クライアントサイド)

フィールド名 種類 内容
感情温度 選択式 赤=ホット / オレンジ=ウォーム / 青=クール / 水色=コールド
企業規模 選択式 〜30名 / 31〜100名 / 101〜500名 / 501名〜
業種 選択式 IT / 製造 / 医療 / 金融 / 小売 / その他
担当HR担当者名 テキスト 採用窓口となるHR担当者
決裁者名 テキスト 採用の最終決定者
現在の採用課題 テキスト 「エンジニアが慢性的に不足」「管理職の後継者がいない」等
取引状況 選択式 新規開拓中 / 取引中 / 休眠 / 取引終了
契約種別 選択式 紹介 / 派遣 / 両方
最終提案日 日付  
成功報酬実績 数値 これまでの成功報酬累計(関係の深さの指標)
担当コンサルタント テキスト 自社の担当者名
ナラティブ テキスト 「スピード重視・書類より面談を優先」「創業者が面接に同席する」「外資系出身者を好む」等

エンティティ②:候補者レコード(カンディデイトサイド)

フィールド名 種類 内容
感情温度 選択式 赤=ホット(転職意欲高)/ オレンジ=ウォーム / 青=クール / 水色=コールド(転職意欲なし)
転職活動ステータス 選択式 積極活動中 / 情報収集中 / 潜在層 / 内定承諾済み / 転職完了
現職情報 テキスト 業種・職種・役職・年収帯
希望条件 テキスト 職種・年収・エリア・働き方・業種等
転職の動機 テキスト 「年収アップ」「マネジメントへの挑戦」「ワークライフバランス」等
転職希望時期 選択式 即日 / 1ヶ月以内 / 3ヶ月以内 / 半年以内 / 未定
担当コンサルタント テキスト 自社の担当者名
最終接触日 日付  
紹介可能求人数 数値 現在マッチングできる求人数(担当者の感覚値)
ナラティブ テキスト 「家族の介護で地方勤務必須」「前職でのトラブルあり・詳細ヒアリング済み」「年収より裁量を重視」等

エンティティ③:選考レコード(マッチング管理)

候補者と求人企業を紐づけるレコードです。

フィールド名 種類 内容
候補者(紐づけ) リレーション 対象の候補者レコード
求人企業(紐づけ) リレーション 対象の求人企業レコード
選考フェーズ 選択式(BPF) 推薦→書類選考→1次面接→2次面接→最終面接→内定→入社→定着フォロー
推薦日 日付  
各選考日 日付  
企業側の評価 テキスト 各面接後の評価コメント
候補者側の感触 テキスト 各面接後の候補者フィードバック
不合格・辞退理由 テキスト 不合格・辞退になった場合の理由(学習用)
内定条件 テキスト 提示年収・入社日等

ワークフロー設計——ダブルサイドで動く8本

ワークフロー①:候補者の感情温度クール化アラート(転職意欲の低下検知)

トリガー:候補者の感情温度が「クール」以下に変化

アクション:担当コンサルタントへタスク生成
「{候補者名}様の転職意欲が低下しています。
 今週中に連絡を入れてください。
 
 転職活動ステータス:{転職活動ステータス}
 最終接触日:{最終接触日}
 
 冷えた理由を丁寧に確認すること:
 ・現職で状況が改善したか
 ・他社エージェントで内定が出たか
 ・プライベートで変化があったか
 
 無理な引き止めはせず、
 『またいつでも相談してください』で
 関係を終わらせないことが重要」

人材ビジネスで「候補者の感情温度」は「転職意欲の温度」です。意欲が下がったときに素早く察知し、その理由を把握することが、将来の再エントリーにつながります。


ワークフロー②:候補者の長期未接触アラート(潜在層の定期接触)

トリガー:転職活動ステータス=「潜在層」または「情報収集中」
     × 最終接触日から60日経過

アクション:担当コンサルタントへタスク生成
「{候補者名}様と60日間接触がありません。
 近況確認の連絡を。
 
 ナラティブ:{ナラティブ冒頭}
 
 転職の話は一切しないこと。
 『最近いかがですか』の一言から。
 業界のトレンド情報・市場動向を
 さりげなく共有するのが効果的」

「今は転職する気がない」候補者こそ、2〜3年後の最も良い転職者候補です。
潜在層との関係を定期的に維持することが、将来の成約につながります。


ワークフロー③:求人企業への定期提案アラート

トリガー:求人企業の最終提案日から30日経過
     × 取引状況=「取引中」

アクション:担当コンサルタントへタスク生成
「{企業名}様への最終提案から30日が経ちました。
 今週中に新しい候補者の提案または
 近況確認の連絡を。
 
 現在の採用課題:{現在の採用課題}
 担当HR担当者:{担当HR担当者名}
 感情温度:{感情温度}
 
 候補者がいない場合も連絡は入れること。
 『市場動向のご報告』として情報提供でOK」

ワークフロー④:選考フェーズ変更時の両サイドへの即時対応

トリガー:選考フェーズが変更された

アクション①:候補者へのフォロータスク生成
「{候補者名}様の{求人企業名}の選考が
 {新フェーズ}に進みました。
 選考の感触・次回面接への不安を
 今日中にヒアリングしてください。
 
 フィードバックを選考レコードに記録すること」

アクション②:求人企業へのフォロータスク生成
「{求人企業名}の{候補者名}様の選考が
 {新フェーズ}に進みました。
 企業側の評価コメントを今週中に取得して
 選考レコードに記録してください」

選考が進むたびに、候補者側と企業側の両方から情報を取得し記録する——この両面フィードバックの記録が、マッチング精度を高める学習データになります。


ワークフロー⑤:内定後の承諾フォロー(辞退防止)

トリガー:選考フェーズ=「内定」に変更

アクション:担当コンサルタントへタスク生成
「{候補者名}様が{求人企業名}から内定を取得しました。
 内定承諾に向けた支援を最優先で。
 
 内定条件:{内定条件}
 
 内定後72時間が承諾・辞退の分かれ目です。
 
 確認事項:
 ・提示条件への満足度
 ・他社選考との比較状況
 ・現職の引き止めがないか
 ・家族への報告・相談の状況
 ・入社日・退職手続きのサポート
 
 候補者の不安を丁寧に解消すること」

ワークフロー⑥:入社後の定着フォロー(人材紹介の本当のゴール)

トリガー:選考フェーズ=「入社」から1ヶ月後・3ヶ月後・6ヶ月後

アクション:担当コンサルタントへタスク生成
「{候補者名}様の入社から{N}が経ちます。
 定着フォローの連絡を。
 
 確認事項(候補者側):
 ・職場への馴染み具合
 ・業務の難易度・期待とのギャップ
 ・困っていることはないか
 
 確認事項(企業側):
 ・期待通りのパフォーマンスか
 ・組織への馴染み具合
 ・追加採用のニーズはないか
 
 定着確認後は求人企業の感情温度を更新すること」

入社後の定着フォローは、人材紹介ビジネスの「本当のゴール」です。
入社がゴールではなく、定着して活躍することが成功です。
定着率が高いエージェントは、求人企業からの信頼が高まり、次の依頼につながります。
これが出来ていない会社が本当に多い。。。


ワークフロー⑦:不合格・辞退後の候補者フォロー

トリガー:選考フェーズ=「不合格」または「辞退」に変更

アクション:担当コンサルタントへタスク生成
「{候補者名}様の{求人企業名}選考が
 {不合格/辞退}になりました。
 
 不合格・辞退理由:{不合格・辞退理由}
 
 今日中にフォロー連絡を。
 落ち込んでいる可能性があります。
 
 伝えること:
 ・このフィードバックを次に活かすこと
 ・次の選考先を一緒に考えること
 ・あなたの転職を最後まで支援するという姿勢
 
 決してフォローを止めないこと。
 ここでの対応が、候補者からの紹介に直結する」

ワークフロー⑧:求人企業への紹介依頼タイミング設計

トリガー:求人企業の感情温度=「ホット」
     × 成功報酬実績が一定以上

アクション:担当コンサルタントへタスク生成
「{企業名}様との関係がホットです。
 経営者・HR担当者からの紹介依頼の
 タイミングです。
 
 『もし他にお困りの企業様がいらっしゃれば、
  ぜひご紹介いただけますか』
 の一言を自然な流れで」

ナラティブで「マッチングの文脈」を残す

人材ビジネスのナラティブは、他業種より「人の背景」が核心になります。

【候補者ナラティブの記録例】

「田中様(35歳・ITエンジニア):
 表面上は『年収アップ』と言っているが、
 詳しく聞くと前職の上司との関係が本当の理由。
 上司の管理スタイルが合わず疲弊している。
 フラットな組織文化・裁量のある環境を
 本質的に求めている。
 スキルは高いが自己評価が低め——
 面接対策のサポートが必要。
 奥様が医療職で転居不可・首都圏のみ可。
 2月に第二子が生まれる予定で
 ワークライフバランスは外せない条件」
【求人企業ナラティブの記録例】

「株式会社ABC(HR:鈴木様・決裁:山田社長):
 山田社長が面接に必ず同席する。
 スキルより『人柄と価値観』を重視する採用スタイル。
 過去に採用した外資系出身者が合わなかった経験から
 ベンチャー気質の人材を好む。
 スピード採用が得意で、1次面接から内定まで最短1週間。
 鈴木HR担当者は決定権が薄いため、
 社長への直接アプローチが有効。
 今期は2名のエンジニア採用を計画しているが
 予算は非公開——成功報酬型のみ対応可」

このナラティブが候補者・企業の両方に蓄積されることで、「あの候補者とこの企業はナラティブ上で一致している」という精度の高いマッチング判断が生まれます。


まとめ——「企業も候補者も、どちらも大切なお客様」という設計

人材紹介・人材派遣ビジネスは、求人企業と候補者という2つの顧客の感情温度を同時に管理しなければなりません。
どちらかに偏った管理では、ビジネスは成立しません。

EMOROCO CRM Liteのダブルサイドローム設計は、求人企業・候補者・選考という3種類のレコードをリレーションで繋ぎ、選考の進行に合わせて両サイドのフォローが自動で発生する仕組みを作ります。

まず求人企業レコードと候補者レコードの感情温度を全件設定してください。
「クール以下の企業が何社か」「転職意欲が落ちている候補者が何人か」——その最初の発見が、人材ビジネスのCRM活用のスタートです。

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デジタル化・AI導入補助金2026 対応ツール番号:DL07-0022934
製品情報:https://www.emoroco.com/


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この記事を書いた人
松原 晋啓

アーカス・ジャパン代表取締役/CRMコンサルタント
詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォーム型CRM)を提唱して世界的に広めてWWで表彰を受けたCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、The Wall Street Journal、Newsweek、TIME、WORLDCOM、毎日新聞(週刊エコノミスト)、文化放送等、国内外で多くの賞を受賞し、「経済界」にて4年連続で関西財界を代表する企業として選出されている。
著書:バーサタイリスト - 35歳までに「1万人に1人」の実力者になる方法

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