トピックス

EMOROCO CRM Lite

自動車ディーラー向けにEMOROCO CRM Liteで車検・点検・乗り換えフォローを自動化する設計ガイド

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

「車検の時期が近づいているのに、他の整備工場に行かれてしまった」

「5年前に買ってくださったお客様が、他ディーラーで乗り換えていた」

「担当者が変わったら、長年の得意客が来なくなってしまった」

自動車ディーラーの営業現場で繰り返し聞く言葉です。

自動車の顧客フォローは「時間軸の管理」が命です。
車検は2年ごと、点検は6ヶ月ごと、乗り換えは5〜8年サイクル——これらのタイミングを制したディーラーが、顧客を守り、紹介を増やします。
でも担当者の頭の中だけにある「そろそろ車検のはずだ」という記憶は、異動・退職・繁忙期に必ず抜け落ちます。

この記事では、EMOROCO CRM Liteを使って自動車ディーラーの顧客フォローを「担当者の記憶」から「組織の設計」に変える方法を解説します。


自動車ディーラーの「顧客の時間軸」を設計する

自動車購入後の顧客との関係は、明確な時間軸があります。
この時間軸を制度化することが、顧客フォローの仕組み化の出発点です。

【納車後の顧客との時間軸】

納車
 ↓ 1ヶ月後
   └── 納車後点検・使用感ヒアリング
 ↓ 6ヶ月後
   └── 6ヶ月点検の案内
 ↓ 12ヶ月後(1年目)
   └── 1年点検・保険更新タイミング
 ↓ 24ヶ月後(2年目)
   └── 初回車検(2年目)
 ↓ 36ヶ月後(3年目)
   └── 3年点検・オプション提案
 ↓ 48ヶ月後(4年目)
   └── 乗り換え検討の始まりを先読み
 ↓ 60ヶ月後(5年目)
   └── 2回目車検 × 乗り換え提案の最重要タイミング
 ↓ 84ヶ月後(7年目)
   └── 3回目車検 × 「そろそろ替え時」の先手アプローチ

この時間軸を全顧客に対して漏れなく実行することが、EMOROCO CRM Liteのワークフローで実現することです。


フィールド設計——ディーラー特化の12フィールド

フィールド名 種類 内容
感情温度 選択式 赤=ホット / オレンジ=ウォーム / 青=クール / 水色=コールド
納車日 日付 全ワークフローの起点となる最重要フィールド
車検満期日 日付 次回の車検切れ日(納車日から計算・手動入力も可)
車種・グレード テキスト 現在の所有車両
購入形態 選択式 現金 / ローン(残クレ) / リース
ローン・残クレ満了日 日付 ローン残価精算のタイミングを先読みするため
乗り換え検討状況 選択式 検討なし / 漠然と検討中 / 積極的に検討中 / 他社比較中
関心のある車種 テキスト 次の乗り換えで興味を持っている車種・タイプ
自動車保険の更新月 テキスト 保険案内のタイミング管理用
家族の車の情報 テキスト 「奥様もそろそろ替え時かも」等の紹介見込み情報
紹介元 テキスト 誰から紹介されたか・または誰に紹介したか
ナラティブ テキスト 「SUVを欲しがっているが予算がネック」「先代から30年の付き合い」等

ワークフロー設計——車検・点検・乗り換えの8本

ワークフロー①:納車1ヶ月後フォロー(関係構築の第一歩)

トリガー:納車日から30日後

アクション:担当営業へタスク生成
「{顧客名}様の納車から1ヶ月です。
 今日中に電話してください。
 
 確認事項:
 ・車の乗り心地・使い勝手の感想を聞く
 ・困っていること・わからないことがないか確認
 ・1ヶ月点検の予約を自然な流れで案内
 
 ※売り込みは一切しないこと。
  満足度確認の連絡として徹底すること」

納車1ヶ月後のフォロー電話は、長期的な関係の礎になります。
「買ってもらったら終わり」ではなく「ここから関係が始まる」という姿勢を顧客に伝える最初の機会です。


ワークフロー②:車検2ヶ月前アラート(最重要)

トリガー:車検満期日の2ヶ月前

アクション①:担当営業へタスク生成
「{顧客名}様の車検まで2ヶ月です。
 今週中に予約案内の連絡を。
 
 車検満期日:{車検満期日}
 車種:{車種・グレード}
 感情温度:{感情温度}
 乗り換え検討:{乗り換え検討状況}
 
 感情温度がクール以下の場合は
 マネージャーに報告し対応方針を相談すること」

アクション②:感情温度がクール以下の場合
 → マネージャーへSlack/LINE通知
 「{顧客名}様の車検2ヶ月前。
  感情温度:{感情温度}
  他社に流れるリスクあり。対応策を確認してください」

車検2ヶ月前が「最も勝負できるタイミング」です。
1ヶ月前になると顧客が自分で他社に連絡している可能性が上がります。
先手を取ることがディーラーの車検受注率を守る唯一の方法です。


ワークフロー③:6ヶ月点検の案内

トリガー:納車日から6ヶ月後・18ヶ月後・30ヶ月後・42ヶ月後(繰り返し)

アクション:担当営業へタスク生成
「{顧客名}様の{N}ヶ月点検の時期です。
 点検案内のご連絡を。
 
 納車日:{納車日}
 車種:{車種・グレード}
 
 点検は安全のためという本来の目的を伝えること。
 点検のついでに近況を聞き、
 感情温度を更新すること」

ワークフロー④:ローン・残クレ満了6ヶ月前アラート

トリガー:ローン・残クレ満了日の6ヶ月前

アクション:担当営業へタスク生成
「{顧客名}様のローン・残クレが
 満了6ヶ月前になりました。
 
 満了日:{ローン・残クレ満了日}
 現在の乗り換え検討状況:{乗り換え検討状況}
 関心のある車種:{関心のある車種}
 
 残価精算のタイミングに合わせた
 乗り換え提案を準備してください。
 残価精算後の支払いシミュレーションを
 持参して訪問すること」

残クレ(残価設定型クレジット)の満了タイミングは、乗り換え提案の最良機会です。
精算の選択肢(乗り換え・返却・買い取り)を説明するために自然に接触できる唯一のタイミングです。


ワークフロー⑤:乗り換え検討時期の先読みアラート(5年目・7年目)

トリガー①:納車日から48ヶ月後(4年目)

アクション:担当営業へタスク生成
「{顧客名}様の納車から4年が経ちます。
 乗り換えを意識し始める時期に入ります。
 
 次の接触で『最近どんなクルマが気になりますか』
 という自然な会話を入れてください。
 乗り換え検討状況とナラティブを更新すること」

トリガー②:納車日から60ヶ月後(5年目)× 車検満期と重なる場合

アクション:担当営業へタスク生成
「{顧客名}様の納車5年目・車検の時期です。
 乗り換え提案の最重要タイミングです。
 
 関心のある車種:{関心のある車種}
 感情温度:{感情温度}
 
 車検費用と乗り換え費用の比較資料を準備して
 商談の機会を作ってください」

ワークフロー⑥:感情温度クール以下の先手フォロー

トリガー:感情温度が「クール」以下に変化

アクション①:担当営業へタスク生成
「{顧客名}様の感情温度がクールになりました。
 今週中に連絡を入れてください。
 
 最終接触日:{最終来院日}
 次回の車検満期日:{車検満期日}
 
 売り込みなし。
 『最近、クルマの調子はいかがですか』から入ること」

アクション②:マネージャーへ通知

ワークフロー⑦:紹介依頼のタイミング設計

トリガー:感情温度=「ホット」× 納車後6ヶ月〜12ヶ月

アクション:担当営業へタスク生成
「{顧客名}様との関係がホットです。
 紹介のお願いをするベストタイミングです。
 
 次回の接触で自然な流れで
 『もしお知り合いでクルマを検討している方が
  いらっしゃれば、ぜひご紹介ください』
 と伝えてください。
 紹介元フィールドを更新すること」

紹介依頼のタイミングは「感情温度がホットなとき」だけに絞ります。
ウォーム以下のときに紹介を頼むと関係が冷えます。
感情温度で「いつ頼むか」を設計することが、紹介件数を増やす最短経路です。


ワークフロー⑧:長期未接触顧客の復活フォロー

トリガー:最終接触日から365日以上経過
     × 感情温度=コールド

アクション:担当営業またはマネージャーへタスク生成
「{顧客名}様と1年以上接触がありません。
 コールド顧客への復活アプローチを検討してください。
 
 最終接触日:{最終接触日}
 車種:{車種・グレード}
 納車日:{納車日}
 
 次回の車検満期日を確認し、
 車検案内を起点に関係を再開することを検討してください」

ダッシュボード設計——ディーラー営業マネージャーが毎朝見る画面

【営業マネージャー用ダッシュボード】

ビュー①:今後2ヶ月以内に車検満期を迎える顧客リスト
 → 予約案内の優先順位が一目でわかる

ビュー②:感情温度クール以下の顧客数(担当者別)
 → 他社に流れるリスクがある顧客の早期把握

ビュー③:今月のタスク完了率(担当者別)
 → ワークフローのタスクが適切に実行されているか確認

ビュー④:乗り換え検討「積極的に検討中・他社比較中」の顧客リスト
 → 今週中に商談を設定すべき顧客が一目でわかる

ビュー⑤:今月の紹介件数(累計)
 → ホット顧客からの紹介フォローの成果をモニタリング

変革ストーリー——担当者変更後も顧客が離れなくなった話

※業界の実態と複数社の導入パターンをもとにした仮想ストーリーです。

地方の系列ディーラー(スタッフ15名・顧客台帳2,400名)の話です。

導入前の課題:

営業担当者の異動・退職のたびに、引き継いだ顧客からの車検予約が減少。
「Aさんが担当してくれてたから来ていたのに、知らない人に変わったから他で車検した」という声がちらほら届いていました。

顧客台帳はExcelで管理していましたが、「次回フォロー日」の列を担当者が自分で入力する運用で、繁忙期や異動のタイミングで更新が止まる問題が続いていました。

感情温度の棚卸し結果:

2,400名を設定した結果:
ホット:168名(7%)
ウォーム:624名(26%)
クール:960名(40%)
コールド:648名(27%)

クール以下:1,608名(67%)
「見えていなかっただけで、問題はずっとそこにあった」

6ヶ月後の変化:

指標 導入前 6ヶ月後
自社での車検受注率 61% 78%
担当変更後6ヶ月以内の他社流出率 23% 8%
月間紹介件数 平均4件 平均11件
フォロー漏れ件数(月) 平均28件 2件以下
感情温度クール以下の割合 67% 34%

担当が変わっても「前の担当者から詳しくうかがっています。
SUVに関心がおありとのこと、ちょうど新モデルが入りました」という一言が言えるようになった。
この変化が数字として現れました。


まとめ——「そろそろのはず」を「確実な先手」に変える

自動車ディーラーの顧客フォローは、「時間軸の管理」がすべてです。

車検満期日・納車日・ローン満了日——これらの日付が全顧客にフィールドとして登録され、ワークフローが自動でタスクを生成する。
担当者が変わっても、繁忙期でも、フォローは止まりません。

「担当者が覚えているかどうか」に依存した顧客管理から、「仕組みが動いている」顧客管理へ。
この転換が、車検受注率を守り、乗り換えを先手で取り、紹介を増やします。

まず納車日フィールドの全顧客設定から始めてください。
納車日が登録された瞬間から、ワークフローが動き始めます。

EMOROCO CRM Liteの30日間無料トライアルはこちら
デジタル化・AI導入補助金2026 対応ツール番号:DL07-0022934
製品情報:https://www.emoroco.com/


関連記事

この記事を書いた人
松原 晋啓

アーカス・ジャパン代表取締役/CRMコンサルタント
詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォーム型CRM)を提唱して世界的に広めてWWで表彰を受けたCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、The Wall Street Journal、Newsweek、TIME、WORLDCOM、毎日新聞(週刊エコノミスト)、文化放送等、国内外で多くの賞を受賞し、「経済界」にて4年連続で関西財界を代表する企業として選出されている。
著書:バーサタイリスト - 35歳までに「1万人に1人」の実力者になる方法

インタビュー記事
取材や講演等の依頼は下記問合せよりご連絡ください。
TEL 06-6195-7501
フォームでのお問い合わせ

同じカテゴリの記事