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訪問介護事業所がGISマップで月間160時間の移動ロスをなくした話 — 「誰がどこに行くか」を地図で決める日が来た
こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。
「ヘルパーさんが1日3時間以上、移動しています」
この数字を聞いたとき、正直に言うと驚きませんでした。
訪問介護の現場では「移動は仕方ない」という諦めが根づいているからです。
でも驚いたのは次の言葉でした。
「でも誰もその3時間を問題だと思っていなかったんです」
この記事は、EMOROCO CRM LiteのGISマップを使って月間160時間の移動ロスを削減した訪問介護事業所の話です。
※本記事は業界の実態と複数社の導入パターンをもとにした仮想ストーリーです。
訪問介護の「見えないコスト」
訪問介護の事業運営で最も見落とされやすいコストは「移動時間」です。
介護報酬は「利用者のもとで提供したサービスの時間」に対して支払われます。
移動時間は報酬に含まれません。
ヘルパーが1日3時間移動していても、その3時間は事業所の費用として計上されるだけです。
ある訪問介護事業所(ヘルパー12名・月間利用者数87名)で、1ヶ月間の移動記録を集計したところ、以下の実態が明らかになりました。
月間稼働日:約22日
月間移動時間合計(12名):約845時間
このうち「非効率な移動」の推定:約19%
非効率移動の月間合計:約160時間
「非効率な移動」とは何か。
同じエリアに複数のヘルパーが別々のルートで入っている。
担当ヘルパーの自宅から遠い利用者を担当している。
訪問順序が最適化されていない——これらが積み重なった結果です。
なぜ「非効率な移動」が放置されていたのか
担当者に聞くと、理由は明快でした。
「Excelの名簿と手書きのルート表で管理していたので、どのヘルパーがどこに行っているかを『地図で見る』という発想がなかった」
利用者の住所は台帳に記録されています。
ヘルパーの担当エリアも頭の中にあります。
でもそれが「地図上の全体像」として可視化されたことは一度もなかった。
Excelは「リスト」として情報を持ちますが「地図」として見ることができません。
「A3丁目の田中様・B2丁目の鈴木様・C4丁目の佐藤様を同じヘルパーが担当している」という情報は、地図で見て初めて「それは非効率だ」と気づけます。
EMOROCO CRM LiteのGISマップを導入した日
導入から1週間後、管理者が初めてGISマップを開いた瞬間の話を聞きました。
「画面を見た瞬間、頭が真っ白になりました。
ヘルパーのピンと利用者のピンが地図に表示されたとき、明らかに非効率な担当割り当てが一目でわかったんです。
なんでこれを今まで見ていなかったんだろうと」
GISマップには利用者の住所がピンで表示されます。
ピンの色は感情温度に連動しています——サービスに満足しているか、最近変化がないか、少し不安定な様子があるか。
移動効率と利用者の状態を同時に「地図で見る」ことができます。
3段階の改善設計
改善①:エリア担当制の再設計(導入1ヶ月目)
GISマップで全利用者の住所を可視化し、ヘルパーの居住地・保有資格・対応可能時間帯と照らし合わせて、エリア担当制を再設計しました。
→ 「以前から担当しているから」という慣性で決まっていた
→ 利用者の住所とヘルパーの自宅の距離は考慮されていなかった
改善後:エリア担当制の設計基準
① ヘルパーの自宅から半径3km以内の利用者を優先的に担当
② 同一ルート上の利用者を同じヘルパーが担当
③ 午前・午後でエリアを分けて訪問ロスを最小化
改善②:訪問順序の最適化(導入2ヶ月目)
エリア担当制が安定したら、次は「1日の中での訪問順序」を最適化しました。
GISマップで1日の訪問先を地図上に表示し、最短ルートを視覚的に確認しながら訪問順序を調整。「Uターンしているルート」「同じ道を2回通るルート」が一目でわかるようになりました。
改善③:感情温度と移動の統合管理(導入3ヶ月目)
3ヶ月目に入ると、GISマップの活用が「移動効率」だけでなく「利用者との関係管理」に広がりました。
地図上のピンの色が感情温度を示します。
クール以下(青・水色)のピンが増えた利用者には、担当ヘルパーの変更や上長の同行訪問を早期に判断できるようになりました。
クール以下のピンが集中しているエリア
→ そのエリアの担当ヘルパーへのヒアリングを実施
→ サービス品質の課題を早期発見
ホット・ウォームのピンが集中しているエリア
→ 優秀なヘルパーの担当パターンを他エリアに横展開
3ヶ月後の変化
| 指標 | 導入前 | 3ヶ月後 |
|---|---|---|
| ヘルパー1人あたり平均移動時間/日 | 3.2時間 | 2.5時間 |
| 月間非効率移動時間 | 約160時間 | 約25時間(▲84%) |
| 移動時間削減分をケアに転換 | — | 月間135時間 |
| 利用者の感情温度クール以下の割合 | 28% | 14% |
| ヘルパーの残業時間(月平均) | 18時間 | 9時間 |
| 担当変更リクエスト件数(月) | 7件 | 3件 |
最も大きな変化は数字ではありませんでした。
「移動を減らした分、利用者のそばにいる時間が増えました。
同じ時間でもケアの質が上がっていると感じます」——現場のヘルパーからこの言葉が出たとき、管理者はこの改善が本当の意味で成功したと感じたと言います。
訪問介護でCRMが必要な理由
訪問介護は「人が人を支える」仕事です。
CRMという言葉は冷たく聞こえるかもしれません。
でも訪問介護こそ、CRM4.0の「顧客との関係を深める」という思想が最も重要な業種のひとつです。
「田中様は最近少し元気がない様子だった」 「鈴木様は担当が変わってから少し固くなっている」 「佐藤様のご家族から先週、相談があった」
これらの情報が担当ヘルパーの頭の中にしかなく、担当変更・退職・休職で消えてしまう——これが訪問介護における最大のリスクです。
GISマップで移動を効率化し、その時間を利用者との対話と記録に使う。
感情温度とナラティブで「この利用者の今の状態」を組織の知識にする。
これが訪問介護におけるCRM4.0の実践です。
まとめ——「移動の問題」は「関係の問題」だった
月間160時間の移動ロスを削減したこの事業所が、最終的に言ったことがあります。
「移動時間を減らしたことで、ケアの時間が増えました。ケアの時間が増えたことで、利用者との関係が深まりました。
関係が深まったことで、感情温度が改善されました。
感情温度が改善されたことで、サービスの継続率が上がりました。
全部つながっていたんです」
地図で可視化することから始まった改善が、利用者との関係の質まで変えた。これがGISマップとCRM4.0が訪問介護にもたらす本質的な価値です。
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製品情報:https://www.emoroco.com/
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