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EMOROCO CRM LiteのGISマップ×感情温度 — 地図と温度感で「今日誰を訪問すべきか」が見える設計

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

「今日、誰を訪問すればいいのか」

外回り営業担当者が毎朝直面するこの問いに、多くの企業は「経験と勘」で答えています。「そろそろA社に顔を出すころだな」「B社のことが気になっていた」——この判断は担当者の記憶と直感に依存しています。

この判断には2つの問題があります。

一つは精度の問題。担当者の記憶は必ずしも正確ではなく、「気になっていた顧客」が実は感情温度として最重要な顧客でない場合があります。

もう一つは継承の問題。担当者が変わった瞬間、「誰を優先すべきか」という判断軸がリセットされます。

EMOROCO CRM Lite ver2.0のGISマップ機能と感情温度フィールドを組み合わせることで、この問いへの答えが「データに基づいて・地図の上に・色で見える」状態になります。

この記事では、GISマップ×感情温度の組み合わせ設計を、フィールド設計・地図表示の設定・ルート設計・ダッシュボード連動まで、実装レベルで解説します。


「感覚のルート営業」から「戦略的なルート営業」への転換

まず、GISマップ×感情温度が何を変えるのかを整理します。

【感覚のルート営業 vs 戦略的なルート営業の差】

感覚のルート営業(現状):
  今日の訪問先の決め方:
  「そろそろA社に行くころ」「なんとなくB社が気になる」
  ルートの決め方:
  Googleマップで別途確認・自分の経験で順序を決める
  優先度の判断根拠:
  担当者の記憶・直感・習慣

  問題:
  → 「感情温度がコールドになっているのに
     2週間以上訪問できていない顧客」を見落とす
  → 「実は今日訪問すべき最重要顧客」より
    「なんとなく行きやすい顧客」を選んでしまう
  → 担当者が変わるとルートも優先順位もリセットされる

戦略的なルート営業(EMOROCO GISマップ×感情温度):
  今日の訪問先の決め方:
  GISマップを開くと「感情温度×最終接触日」でピンの色が変わっている。
  赤ピン・黄ピン・緑ピンの分布を見て優先訪問先を選ぶ。
  ルートの決め方:
  GISマップ上で「今日のエリア」をフィルタリングして
  優先ピンを効率的に回れる順序を設計する。
  優先度の判断根拠:
  感情温度・最終接触日・次のアクション期日というデータ

  効果:
  → 「今日最も訪問すべき顧客」がデータとして見える
  → 担当者が変わっても同じ優先基準で動ける
  → マネージャーがリアルタイムで訪問状況を確認できる

フィールド設計——GISマップと感情温度を連動させる「受け皿」を作る

GISマップ×感情温度の設計は、まずフィールドの準備から始まります。

【GISマップ×感情温度の連動に必要なフィールド】

■ 顧客レコードに必要なフィールド

①住所(テキスト型・必須):
  GISマップが顧客を地図上に表示するための基盤フィールド。
  「○○市△△町X-X-X」という番地レベルまで入力することで
  地図上のピンが正確な位置に表示される。

  移行のポイント:
  Excelの顧客リストに住所が含まれている場合は
  インポート時に住所フィールドに紐付けるだけで
  即座にGISマップ上に全顧客が表示される。

②感情温度(選択式フィールド・必須):
  ホット / ウォーム / クール / コールド

  このフィールドの値がGISマップのピンの色と連動する。

③最終接触日(日付型・必須):
  最後に電話・訪問・メール等でコンタクトした日付。
  接触後に毎回更新する習慣をチームで作ることが定着の鍵。

④次のアクション期日(日付型・推奨):
  いつまでに次の接触をすべきかの期日。
  期日を過ぎている顧客をGISマップ上で強調表示できる。

⑤担当者(ユーザー型):
  GISマップのフィルタリングで「自分の担当顧客だけを表示」
  するために必要。

■ 訪問記録エンティティに必要なフィールド(推奨)

・訪問日時
・訪問先(顧客レコードへの紐付け)
・訪問後の感情温度(その訪問でどう感じたか)
・訪問メモ(一行ナラティブ)

→ 訪問記録をGISと連動させることで
  「この顧客には過去に何回訪問していて、
   最後はいつか」が地図上から確認できるようになる

GISマップの「ピン色設計」——見た瞬間に優先順位がわかる色の割り当て

GISマップの最大の強みは「色による直感的な優先度把握」です。

【感情温度×最終接触日のピン色設計(推奨)】

■ 最優先(今日必ず立ち寄る):赤ピン 🔴
  条件:感情温度「コールド」
  または 感情温度「クール」×最終接触30日以上
  意味:関係が最も危険な状態。今日立ち寄れるなら必ず寄る。

■ 今週中に訪問したい:黄ピン 🟡
  条件:感情温度「クール」×最終接触14日以上
  または 次のアクション期日が今週以内
  意味:関係が冷えかけている。今週中に接触が必要。

■ アポ打診のチャンス:緑ピン(★マーク)🟢★
  条件:感情温度「ホット」×未アポ
  意味:今すぐ動けば商談につながる可能性が高い。
       近くを通るなら必ず立ち寄る。

■ 定期訪問・維持:緑ピン 🟢
  条件:感情温度「ウォーム」×最終接触30日以内
  意味:良好な状態。定期的な接触で関係を維持する。

■ 最近訪問済み:灰色ピン ⚫
  条件:最終接触7日以内(感情温度に関わらず)
  意味:直近で接触済み。今日は他の顧客を優先する。

→ この色分けをGISマップのビュー設定で実装することで、
  地図を開いた瞬間に「今日どこに行くべきか」が
  色として視覚的に伝わる。
【ピン色設計の実装方法(EMOROCOのビュー設定)】

STEP 1:GISマップビューを開く
  EMOROCOのダッシュボード→「GISマップ」ビューを選択する

STEP 2:フィルタリング条件を設定する
  「感情温度」フィールドでフィルタリングして
  各色のグループを設定する

STEP 3:カラーコーディングを設定する
  「感情温度:コールド」→赤ピン
  「感情温度:クール×最終接触14日以上」→黄ピン
  「感情温度:ホット」→緑ピン(★)
  「感情温度:ウォーム」→緑ピン

STEP 4:エリアフィルタリングを設定する
  今日訪問するエリア(市区町村・エリアコード)で
  表示を絞ることで「今日のエリアの優先顧客リスト」を
  地図上に表示できる

「今日の訪問計画」の立て方——GISマップを使った5分間の朝の設計

【GISマップを使った毎朝5分の訪問計画フロー】

STEP 1(1分):今日の訪問エリアをGISマップで表示する
  「今日は○○エリアを回る」と決めたら、
  GISマップでそのエリアにズームする。
  エリアフィルタリングで今日の担当エリアの顧客だけを表示する。

STEP 2(2分):赤ピン・黄ピン・緑ピン(★)を確認する
  赤ピン:今日このエリアにいるなら必ず立ち寄る
  黄ピン:今日訪問できる場合は優先的に立ち寄る
  緑ピン(★):ホット顧客。立ち寄ってアポ打診する

STEP 3(2分):訪問順序を設計する
  GISマップ上で「訪問順序」を設定する。
  地図上での位置関係を見ながら移動効率の良い順序を決める。

  設計のポイント:
  ① 赤ピンを最優先で訪問先リストに入れる
  ② 赤ピン間を移動する途中の黄ピン・緑ピンを経路に追加する
  ③ 移動効率よりも「感情温度の優先順位」を優先する
  (少し遠くても赤ピンを先に回る)

STEP 4(以降):訪問後に30秒更新する
  各顧客を訪問した直後に、スマートフォンからEMOROCOを開いて:
  ・感情温度を更新する(ホット/ウォーム/クール/コールド)
  ・最終接触日を「今日」に更新する
  ・一言ナラティブメモを書く
  → これが翌日以降の地図のピン色を変える
    「今日更新した情報が明日の地図に反映される」という
    フィードバックの仕組み

「担当者が変わっても地図が引き継がれる」——GISマップの組織的な価値

GISマップ×感情温度の最も重要な価値の一つが「担当者変更時の引き継ぎ」です。

【担当者変更時のGISマップ活用】

従来の担当者変更(GISマップなし):
  前任者が退職・異動する
  ↓
  「あのエリアはA社・B社・C社が主要顧客だ」という知識が消える
  ↓
  新任者が「まずは全顧客を回って感触を掴む」ところから始める
  ↓ (2〜3ヶ月かかる)
  「このエリアの優先顧客」の理解が新任者の頭に入る

GISマップ×感情温度がある場合:
  前任者が退職・異動する
  ↓
  新任者がGISマップを開く
  ↓ (5分で完了)
  「赤ピン3社・黄ピン8社・緑ピン(★)2社」が地図上に見える
  「今週中に回るべき優先顧客がどこにいるか」が即座に把握できる
  ↓
  引き継ぎ初日から「優先順位に基づいた訪問」ができる

マネージャーの確認(リアルタイム):
  チームメンバーのGISマップを確認して
  「今週誰のエリアに赤ピンが増えているか」を把握する。
  赤ピンが増えているエリアの担当者に
  「今週フォロー強化してほしい」と指示できる。

→ GISマップ×感情温度は「可視化ツール」だけでなく
  「チームマネジメントの基盤」として機能する

業種別のGISマップ×感情温度設計パターン

ルート営業(食品・飲料・医薬品MR)

【ルート営業向けの設計】

特徴:
  担当エリアが固定されており、週単位でルートが決まっている。
  同じ顧客を定期的に訪問する業態。

設計のポイント:
  「定期訪問サイクル」フィールドを追加する:
  週1 / 2週に1回 / 月1回 / 不定期

  GISマップの表示条件:
  「定期訪問サイクルに対して最終接触日が遅れている顧客」を
  黄ピン・赤ピンで表示する。

  例:
  「週1の顧客×最終接触10日以上」→ 赤ピン(遅延)
  「月1の顧客×最終接触45日以上」→ 赤ピン(遅延)
  「月1の顧客×最終接触25〜45日」→ 黄ピン(要注意)

  活用方法:
  毎週月曜に「今週のエリアのGISマップ」を確認して
  赤ピンから優先的にスケジュールに入れる。
  感情温度の変化をリアルタイムで記録して
  次回訪問時の「一言目」を設計する。

訪問看護・訪問介護

【訪問看護・訪問介護向けの設計】

特徴:
  利用者の自宅を訪問する。移動効率が業務の質に直結する。
  利用者の状態(感情温度に相当)が週単位で変化する。

設計のポイント:
  「利用者レコード」に感情温度を設定する。
  感情温度の意味を業界に合わせて定義する:
  ホット:状態が良好・ケアプランの変更が必要かもしれない
  ウォーム:安定している・通常のケアを継続
  クール:状態に変化が見られる・注意が必要
  コールド:急変・緊急対応が必要かもしれない

  GISマップの活用:
  訪問前に「今日の担当エリア」のGISマップを確認して
  クール・コールドの利用者(黄・赤ピン)を優先訪問リストに入れる。

  訪問後の記録:
  利用者宅を出た直後(5分以内)にスマートフォンで
  感情温度・一言記録を更新する。
  → 管理者が事務所からリアルタイムで
    訪問状況と利用者の状態を把握できる。

建設業・工務店(現場管理)

【建設業・工務店向けの設計】

特徴:
  複数の現場(施工先)が同時進行している。
  現場の進捗状況とお客様への対応が連動している。

設計のポイント:
  「施工現場エンティティ」を作成して住所を設定する。
  感情温度は「施主(お客様)との関係の温度感」として設定する:
  ホット:施主が非常に満足・追加工事の話が出ている
  ウォーム:良好・定期的な現場確認の報告をしている
  クール:施主からの連絡が増えている・不満がありそう
  コールド:クレームが出た・緊急対応が必要

  BPFとの連動:
  施工フェーズ(受注→着工→中間検査→竣工→アフター)が
  GISマップのピンの形と連動するよう設計する。
  → 地図を見るだけで「どの現場が今どのフェーズか」がわかる。

  GISマップの活用:
  現場監督が「今日回るべき現場」をGISマップで確認する。
  クールの施主がいる現場を優先的に確認しに行く。

ダッシュボード連動設計——GISマップとKPIを組み合わせる

【GISマップ×感情温度のダッシュボード設計】

■ 毎朝の確認ビュー(担当者)

「今日のエリアのGISマップ」:
  今日訪問するエリアの顧客を地図上に表示。
  赤ピン・黄ピン・緑ピンの数を一目で把握する。

「今日の優先リスト(GISマップから自動生成)」:
  赤ピン:○社(今日中に立ち寄る)
  黄ピン:○社(今週中に訪問する)
  緑ピン(★):○社(アポ打診チャンス)

■ 週次確認ビュー(マネージャー)

「チーム全体のGISマップ」:
  担当者別に色分けして全担当顧客を地図上に表示する。
  担当エリアの重複・空白を確認する。

「赤ピン×担当者別集計」:
  どの担当者のエリアに赤ピン(コールド・長期未接触)が
  多いかを確認する。
  → 赤ピンが多い担当者をマネージャーが個別支援する

「今週の訪問件数vs感情温度の変化」:
  訪問件数が多い担当者ほど感情温度が改善しているか
  という相関を確認する。
  → 「訪問数を増やせば感情温度が上がる」という
    チームの勝ちパターンを可視化する

■ 月次確認ビュー(経営者)

「エリア別の感情温度分布」:
  地域・エリア別に「ホット/ウォーム/クール/コールドの割合」を
  地図上でヒートマップ的に確認する。
  → 「このエリアにクールが集中している」という
    エリア課題の発見につながる

「訪問後30秒更新」がGISマップを生きたシステムにする

GISマップ×感情温度の設計がどんなに優れていても、担当者が訪問後に更新しなければ地図は死んだままです。

「更新を続ける仕組み」が設計の最後の核心です。

【訪問後30秒更新を習慣化する設計】

なぜ30秒か:
  訪問した直後に車の中・玄関前で入力する前提の設計。
  「事務所に戻ってから」では記憶の鮮度が落ちる。
  30秒で終わらない入力設計は習慣化しない。

30秒で完了する更新の設計(3フィールドのみ):
  ①感情温度(タップ1回:選択式)
  ②最終接触日(タップ1回:「今日」ボタン)
  ③ナラティブ一言メモ(音声入力で15秒)

LINE通知との連動:
  感情温度が「クール」に更新された瞬間、
  マネージャーのLINEに通知が届く。
  マネージャーがリアルタイムで「どこかの顧客でクール化が起きた」
  ことを知ることができる。

ゲーミフィケーション要素(運用のヒント):
  週次会議で「今週の訪問後更新率」をダッシュボードで確認する。
  「100%更新した担当者」を称える文化を作る。
  「更新したことで翌日の地図が変わった」体験を共有する。

まとめ——GISマップ×感情温度 設計チェックリスト

フィールド設計:
□ 顧客レコードに「住所」フィールドが設定されているか
□ 「感情温度」フィールド(ホット/ウォーム/クール/コールド)があるか
□ 「最終接触日」フィールドがあるか
□ 「次のアクション期日」フィールドがあるか
□ 「担当者」フィールドがあるか(エリアフィルタリングのために)

GISマップ設定:
□ GISマップビューが有効になっているか
□ 住所フィールドとGISが紐付いているか
□ ピン色の条件設定(感情温度×最終接触日)が完了しているか
□ エリアフィルタリングが使える状態か

ワークフロー連動:
□ 感情温度クール→担当者LINEへの通知が設定されているか
□ 最終接触日から○日後→フォロータスク自動生成が設定されているか

運用設計:
□ 「訪問後30秒更新」のルールがチームに共有されているか
□ 週次会議でGISマップを全員で確認する時間があるか
□ 新担当者がGISマップで引き継ぎを確認できる設計になっているか

「今日誰を訪問すればいいのか」——この問いへの答えが、毎朝GISマップを開くだけで色として見える。

感情温度がコールドの顧客は赤ピンで知らせてくれる。アポ打診のチャンスがある顧客は緑の星マークで示してくれる。担当者が変わっても、その地図は引き継がれる。

EMOROCO CRM Lite ver2.0のGISマップ×感情温度の組み合わせが実現するのは「見える化」だけではありません。「経験と勘に頼っていた営業判断」を「データに基づいた戦略的な営業」に変えるための、最もシンプルで実効性の高い設計です。
EMOROCO CRM Lite 製品ページ


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この記事を書いた人
松原 晋啓

詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォームドCRM)を世界的に提唱したCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、国内外で多くの賞を受賞している。
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