Maker Copilot で Power Apps アプリを作成する ~AI と会話してアプリを作る~
みなさん、こんにちは。
今回は、AI と会話してPower Apps アプリを作成するというお話です。タイトルのCopilotとは、Microsoft のAIサービス の名称で、Power Apps と AIの組合せは「Maker Copilot」というサービスで提供されています。
日本語でも使えるよ!
Maker Copilot(Power Apps の Copilot )は、2023年6月頃からプレビューで試せる状態でしたが、環境(米国)や言語(英語)などの前提条件が多くりました。2024年2月に日本環境・日本語でも利用可能になったため、ブログで取り上げることにしました。
参考:Building new apps and tables with Maker Copilot is now available in 8 languages worldwide
前提条件とおすすめ
Power Apps で AI 機能を使用するためには、以下の前提条件があります。
1.Dataverseデータベースが存在する環境
->ざっくり言うと、モデル駆動型アプリやDynamics 365 アプリを作成できるライセンスを持つ環境です。
2.Copilotの機能が有効化されてる環境
->「日本」地域のDataverse環境でCoplilotを有効化する場合、Power Platform 管理センターで環境の設定変更が必要です。具体的には、「地域間のデータの移動」に同意する必要があります。これは、Dynamics 365が「日本」、Copilotが「米国」で動作しており、地域間でデータを送受信する必要があるからです。
参考 コパイロットと生成 AI 機能の有効化 - Power Platform | Microsoft Learn
この操作には、全体管理者またはPowerPlatform管理者ユーザーの権限が必要です。試せる環境がない、準備が手間という方は、開発者環境や、試用版環境の取得をおすすめします。試用版環境の取得の手順については、下記の記事で説明しています。
Dynamics 365 トライアル版(試用版)の取得方法(2023年8月版) - アーカス・ジャパン株式会社(Arcuss Japan Inc.) - CRM リーディングカンパニー (arcuss-japan.com)
アプリを作ってみよう
では、アプリを作ってみましょう。前提条件を満していれば、Power Appsのホームページ(make.powerapps.com)のホーム画面に、Maker Copilotの入力欄が表示されています。
今回は、あらかじめ用意された選択肢の中から「検査の管理」アプリを作ってみます。
1.画面上部に表示されている【検査の管理】を選択します。もちろん、文章を直接入力しても、別の言葉を入力しても試すことができます。ここの要望が具体的であるほど、希望に近いアプリが作成されます。
2.入力欄に[検査の管理]と入力されたことを確認し、【送信】(紙飛行機のアイコン)を選択します。
3.入力した文章を元にDataverseのテーブルが作成されます。また、列の項目に合わせて、サンプルデータも作成してくれます。サンプルデータは「血液検査」「レントゲン検査」などとあるので、Copilotは、医学の検査を想定していたようですね。もちろん、「何の検査か」「どんな項目が必要か」など具体的に指示すれば、より、希望に近いテーブルが作成されます。個人的には、細かい仕様(項目定義)を伝えるよりも、「誰が・何を・どのように」といったユースケース(5W1H)を伝えた方が、短時間でより良い結果が得られたという印象です。
4.テーブルを編集します。画面右下のに「日本語」で変更内容を入力して【送信】を押します。画面の左下には推奨事項として例文が記載されています。※各箇所の、鉛筆のアイコンを選択することで、Copilotを使わず直接編集をすることもできます。
例えば、以下の文章を入力してみます。
・メモの列を追加して
・結果列の選択肢に「要再検査」を追加して
・サンプルデータを10件追加して
と入力してみます。
5.テーブルの編集が終わったら、画面右下の【アプリを作成する】を押下します。
6.しばらくすると、アプリデザイナーの画面が開き、AIが作成したアプリが表示されます。
7.アプリを【保存】【公開】するとアプリが使える状態になります。
(今の時点では)Copilotにお願いできないこと
実際に試してみて、2024年2月時点でCopilotにお願いできなかったことを、例文と一緒に載せておきます。別のやり方も書いてあります。今後のアップデート改善されるかもしれません。
a.データソースはDataverseのテーブルのみ
×「SharePointをデータソースに○○アプリを作成して」
->ExcelファイルやSharePointなど「データから作成」する方法を使いましょう。
b.使用できるテーブルは、アプリと同時に作成される1テーブルのみ
×「見積と見積明細を管理するアプリを作成して」
×「既存の取引先企業テーブルを管理するアプリを作成して」
->こちらも「データから作成」する方法を使いましょう。
c.作成されるアプリは、1画面のキャンバスアプリ(タブレットサイズ)のみ
×「○○を管理するモデル駆動型アプリを作成して」
->Copilotで作成されたテーブルを元にモデル駆動型アプリを作成しましょう。
×「○○を入力するモバイル向けアプリを作成して」
->Copilotで作成されたアプリを自分で編集しましょう。
d.作成されたアプリの編集をCopilotにお願いする(英語ならできるよ)
×「ボタンを追加して」
×「ラベルの値を××に変更して」
->実は、アプリの作成だけでなくアプリの編集もCopilotにお願いする機能があります。現時点では、プレビュー機能のため日本語環境では表示されませんが、画面右上の歯車から、言語設定を「英語」に切替えることで、表示されます。
さいごに
いかがだったでしょうか。「とりあえずアプリを作って使いたい」「短時間でデモアプリを作成したい」などの要望に、最短5分~で動くアプリが作成できる便利な機能だと感じました。
今後もアップデートがあれば、また記事にしたいと思います。それでは。
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