CRMの原理原則:1つの企業や団体内で「1顧客=1ID」とすること
みなさん、こんにちは。
前からCRMに関して第一人者という形で多数講演しているためか、色々な方に話を聞かせて欲しいと言われることが多いのですが、「CRMとは何か?」という点について今もなお多くの誤解があることに気付かされました。
CRMは以前から市場データをお伝えする際に多くのサブシステムに細分化されている市場であることをお伝えしていると思います。そのために、「CRMとは営業支援(SFA)ツールでしょ」とか「MAツール=CRM」とか様々な憶測が飛び交っています。
CRMについては取り組みそのものは難しいですが、原理原則だけはハッキリとしております。
それが「1顧客=1ID」の定義になります。
CRMとはお客様を中心に様々なリソース(ヒト・モノ・カネ)を結び付けて統括的に理解し、個々に最適なアプローチを行っていく経営戦略なのですが、そのためには1つの企業体や団体においては1つのデータで管理する必要があります。だからこそ、システム上も複数のシステムにお客様データがあるという状態は健全ではありません。
例えば、CRM導入企業で営業部門で行っている活動をカスタマーサポート部門が知らないということはあってはなりませんし、コールセンターでお客様をたらい回しにすることも厳禁です。そういう状態にあるということは「CRMが出来ていない」というアセスメント結果となります。
ちなみに、この原理原則に沿っていてこそ初めて「顧客」を「個客」と呼べるようになります。
従って、SFAツールを入れてCRMが出来ているということはおかしいですし、マーケティングオートメーションだけ出来ていてもCRMを導入したとはならないです。
そう、それらのシステムを統括して、全ての顧客データやそれに関連する活動データを管理するシステムこそが「CRM」と呼ばれるシステムとなります。
SFAやMA、CTIなどはCRMに属するシステムであり、CRMがあってこそ機能するため、「CRMサブシステム」と呼ばれています。
それこそがCRMの原理原則であり、ここを間違ってしまうとCRMで成果を出すことは出来なくなります。
もう一度CRMモデルを思い出してください。(下図)
アーカス・ジャパンでは従来からCRMとは経営戦略なので、「戦略層」「知識層」を指すということをお伝えして来たと思いますが、そちらこそがこの原理原則に基づいているということとなります。
こちらのモデルでも業務プロセスを担う層以下はそこから派生する形で(サブシステムとして)業務を進めていく位置付けとなっています。
すでにグローバル化が前提の社会となっておりますが、それによって対象の顧客、対象のエリア、対象の商品が爆発的に増えている状態にあります。CRMはそれらを最適に管理していくための戦略となりますため、グローバル社会とは「CRM前提社会」と言っても過言ではない状態にあります。
こちらの原理原則を参考に、これから取り組まれる企業は違えぬように進めていただきたいですし、すでにCRMやそれに類するシステムを導入されている企業は自社の取り組みを一度見直していただきたいと思います。
お困りのことがあればアーカス・ジャパンまでご連絡ください。