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税理士事務所がEMOROCO CRM Liteで顧問先の決算フォローを仕組み化し紹介が2倍になった話
こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。
「先生、○○社さんが他の事務所に移るかもしれないって、担当の田中くんから聞きました」
その言葉を聞いたとき、所長の私は言葉を失いました。
○○社とは10年以上の付き合いです。社長の山田さんとは年に何度も食事をする仲。なぜ、気づかなかったのか。
後でわかったことですが、担当の田中が1年以上、○○社の決算後に一度もフォロー訪問をしていませんでした。田中に悪意はありません。別の顧問先の対応に追われていただけです。しかし山田社長には「決算が終わったら連絡が来なくなった」という体験として残っていた。
この出来事が、私たちの事務所がCRM4.0の実践に向き合うきっかけになりました。
「決算月のカオス」——私たちが抱えていた問題の正体
私たちの事務所は、所長の私と弁護士・スタッフ合わせて8名の中規模税理士事務所です。顧問先は約60社。決して少ない数ではありませんが、管理不能なほど多い数でもない。なのになぜ、10年の顧客を失いそうになったのか。
問題を整理すると、次の3つに集約されました。
【私たちの事務所が抱えていた3つの問題】
問題①「決算月の集中と、フォローの空白」:
3月・9月などの決算集中月は全員が追われる。
決算が終わった瞬間、担当者は次の決算に向かう。
「決算後のフォロー訪問」は優先度が下がり、
気づいたら3ヶ月・半年が経過している。
問題②「顧問先の状態が所長の頭の中にしかない」:
「○○社さんは今、資金繰りが気になっている」
「△△社さんはM&Aを検討している」
こういう情報が、担当者の記憶にしかない。
担当者が変わった瞬間、文脈がリセットされる。
問題③「紹介がどこから来ているか把握できていない」:
「どなたかのご紹介で…」という新規の顧問先が年に数社ある。
しかし「誰が・どの顧問先を・何件紹介してくれたか」を
体系的に把握できていない。
だから紹介してくれた方への適切な感謝ができていない。
○○社の件は「問題①と②が同時に起きた結果」でした。担当者が忙しくてフォローできず、その状態を把握する仕組みが所長にもなかった。
「危機感」から「設計」へ——最初の30日間
○○社を辛うじて引き止めてから、私は本気でCRMの設計に向き合いました。
最初は市販の士業専門システムを検討しました。しかし「期日管理と書類管理に特化している」タイプが多く、私が一番欲しかった「顧問先との関係の温度感を管理する機能」がありませんでした。
そのときEMOROCO CRM Liteに出会いました。
「エンタープライズCRMの設計思想を、もっとシンプルに」というコンセプトと、「感情温度」という概念が目に留まりました。顧問先の田中社長との関係が「クール」になっていたことを、私は1年以上気づけなかった。これを「仕組みとして感知する」ことが私が一番必要としていたことでした。
最初の30日間にやったこと:
Week 1:設計の骨格を決める
私自身が1日かけてEMOROCOの設計をした。
フィールドは最初「5つだけ」というルールを守った:
①感情温度(ホット/ウォーム/クール/コールド)
②最終接触日
③直近の決算月(次の決算フォロータイミングの計算基準)
④次のアクション内容と期日
⑤今日のメモ(一行でいい)
Week 2:顧問先60社のレコードを作る
スタッフに協力してもらい、60社のレコードを2日で入力。
「今の感情温度を直感で選んでください」と
各担当者に聞いた。
このとき初めて「クール」と「コールド」が
合わせて12社あることがわかった。
私は正直、震えた。知らなかったのは私だけだった。
Week 3:最初のワークフローを1本だけ作る
「決算完了から60日後に『決算フォロー訪問タスク』が
自動生成される」
このワークフロー1本だけを設定した。
——これが全てを変えた。
Week 4:スタッフへの説明と習慣化
週次の朝礼15分で「EMOROCOのダッシュボードを一緒に見る」
時間を作った。
スタッフから「これがあると、次に何をすべきかすぐわかる」
という言葉が出たとき、手応えを感じた。
「60日後タスク」が生み出した連鎖
決算完了から60日後に「フォロー訪問タスク」が自動生成されるワークフローは、見た目はシンプルです。しかしこのワークフローが私たちの事務所に起こした変化は小さくありませんでした。
3ヶ月後に起きたこと:
ある月曜の朝のダッシュボード確認で、担当の田中が「今週、鈴木食品さんの決算フォロー訪問タスクが出ています」と言いました。
田中が訪問してみると、鈴木社長は「実は今年から賞与の制度を変えようと思っているんですが、節税の観点から見て問題ないですかね」という相談を持っていました。
以前であれば、この相談は鈴木社長が「そういえば税理士さんに聞かなきゃ」と思い立って電話をくれるまで、私たちは知ることができませんでした。
しかし決算フォロー訪問によって「先に聞きに行く」体制になった。その結果、鈴木社長から「先生の事務所は、いつも来てくれますね。以前の事務所は決算が終わったら連絡が来なかった」という言葉をいただきました。
【「先に聞きに行く」で発見できた相談(3ヶ月間の実績)】
・賞与制度変更の節税相談 → 追加報酬15万円
・不動産購入を検討中の節税相談 → 追加コンサル報酬30万円
・後継者への株式移転の相談 → 事業承継コンサル着手
・補助金申請の相談(行政書士に紹介) → 紹介料
・社員の労務問題の相談(社労士に紹介) → 紹介料
→ 「来てくれたから話せた相談」が3ヶ月で5件
これらは電話を待っていれば、おそらく来なかった
感情温度の「見える化」が教えてくれたこと
導入から2ヶ月後、私は全顧問先の感情温度の変化を確認しました。
最初の設定時に「クール・コールド」だった12社のうち、フォロー訪問を行った8社は全員「ウォーム以上」に回復していました。
残りの4社は、フォロー訪問のタスクが出ていたにもかかわらず、担当者が先送りにしていました。
ここで重要な発見がありました。
「フォロー訪問を先送りにした担当者に理由を聞いたら、全員が『なんとなく行きづらかった』と言った」
つまり、感情温度がクールになっている顧問先ほど「行きづらい」という心理が生まれ、フォローが遅れる——という悪循環が存在していたのです。
この悪循環を断ち切るために、私は次のルールを追加しました。
【「クール以下アラート」の対処ルール追加】
感情温度がクールまたはコールドの顧問先への
フォロー訪問は「担当者1人で行かない」:
私(所長)または別のシニアスタッフが同行する。
「行きづらい」という心理を、組織的にサポートする。
→ このルールを追加してから、
クール以下の顧問先へのフォロー実施率が
100%になった
紹介ネットワークの「見える化」——実は紹介の80%が同じ3社から来ていた
導入から4ヶ月後、私はEMOROCOの「紹介元フィールド」のデータを初めて集計しました。
結果は驚くべきものでした。
過去3年間の新規顧問先18社のうち、15社(83%)が「3社の既存顧問先」からの紹介だったのです。
この3社——仮にA社・B社・C社とします——は、感情温度がすべて「ホット」でした。社長たちと深い信頼関係があることは感覚的にわかっていましたが、「紹介の8割を担っていた」という事実は、データとして見るまで把握できていませんでした。
【紹介ネットワークの可視化で変わったこと】
Before(データ化前):
A社・B社・C社は「大切な顧問先」という感覚はある
しかし「特別に手厚いフォローをする」という
意識的な設計はなかった
After(データ化後):
A社・B社・C社を「コネクター顧問先」として
EMOROCOで明示的に管理する
→ 決算フォロー訪問を年2回(他は年1回)に増やす
→ 社長へのご挨拶(節目のご連絡)を意識的に増やす
→ 紹介が発生したとき、必ずA・B・C社長への
「ご紹介ありがとうございました」報告を48時間以内に行う
この「コネクター3社への特別なフォロー」を始めてから、紹介の件数に変化が生まれました。
「紹介が2倍になった」——数字の中身
EMOROCO導入から1年後の数字を振り返ります。
【導入前(3年間の平均)vs 導入後(1年)の比較】
新規顧問先の獲得:
導入前:平均年間6社
導入後:年間12社(2倍)
紹介経由の割合:
導入前:把握できていなかった(推定60〜70%)
導入後:83%(13社が紹介経由)
フォロー訪問実施率:
導入前:全体の約30%(感覚値)
導入後:全体の92%(EMOROCOで管理した結果)
追加相談・追加報酬:
導入前:年間約50万円(推定)
導入後:年間約180万円(フォロー訪問で発見した相談)
顧問先の感情温度の変化:
ホット・ウォーム:46社(77%)← 導入時の推定55%から改善
クール・コールド:5社(8%)← 導入時の12社から減少
ただし正直に言えば、「紹介が2倍になった」のはEMOROCOだけの効果ではありません。フォロー訪問が増えたことで「この事務所はちゃんと見てくれている」という感情温度が上がり、その感情温度が高い顧問先が紹介をしてくれた——という因果連鎖です。
EMOROCOはその「因果連鎖を設計する仕組み」として機能しました。
「スタッフが自分から使う」——定着の転換点
EMOROCO導入で最も苦労したのは「定着」でした。
最初の3週間、スタッフの入力率は40%程度でした。「入力する時間がない」「何のためにやっているかわからない」という声が出ました。
転換点は、導入1ヶ月後の朝礼での出来事でした。
担当の佐藤が「先週、中田建設さんのダッシュボードを見たら感情温度がクールになっていて、フォロー訪問したら追加の節税相談を受けました」と報告してくれたのです。
その瞬間、他のスタッフが「え、あのフィールドって実際に使えるんですね」と言いました。
「入力したことで、自分が助かった体験」——この体験を全スタッフが持つまで、所長として我慢することが最も重要でした。
導入3ヶ月後には入力率が85%を超えました。今では「EMOROCOに記録していなかったことが恥ずかしい」という文化になっています。
この1年で最も大切だと気づいたこと
EMOROCO CRM Liteを導入して1年が経ちました。
技術的な設定は難しくありませんでした。ノーコードで設定できたし、スタッフへの説明もシンプルでした。
私が本当に苦労したのは「設計の哲学を変えること」でした。
「決算が終わったら終わり」という従来の仕事の進め方から「決算が終わったら、本当の関係が始まる」という発想への転換——これは「ツールを変える」ことではなく「仕事の意味を変える」ことでした。
EMOROCOのダッシュボードを毎週見ながら気づいたのは、「感情温度がホットな顧問先の社長は、困ったとき最初に私に電話してくれる」という事実です。
税理士は、数字を扱う専門家です。しかし顧問先の社長が本当に求めているのは「数字の正確さ」だけではありません。「いざというとき、この人が相談に乗ってくれる」という確信——これが「税理士を選ぶ理由」の本質だと、この1年で改めて確信しました。
EMOROCOはその「確信を生む関係」を仕組みとして設計するツールです。
「決算フォロー訪問の自動タスク」という一本のワークフローが、私たちの事務所に起こした変化——それは「先生の事務所は、いつも来てくれますね」という顧問先の一言に凝縮されています。
この事例から学べる設計のポイント
【この事例が示す「導入成功のための5つの設計原則」】
原則①「最初はフィールド5つだけ」:
欲張らない。感情温度・最終接触日・決算月・
次のアクション・今日のメモ。この5つから始める。
原則②「ワークフローは1本だけから」:
「決算60日後にフォロータスク」1本だけで十分。
効果を体感してから追加する。
原則③「全顧問先の感情温度を初期設定する」:
全顧問先の感情温度を直感で設定する。
「クール・コールドが何社あるか」を把握することが
最初の気づきになる。
原則④「コネクター(紹介してくれる顧問先)を可視化する」:
紹介元フィールドを設定して、
どの顧問先が最も紹介してくれているかを把握する。
コネクターへの特別なフォローを設計する。
原則⑤「入力したら助かる体験を週次朝礼で共有する」:
「フォロー訪問でこんな相談が来た」という
成功体験を全員で共有する。
これが定着の最も速い道。
あなたの事務所でも、今日から始められる
私が「○○社を失いそうになった」のは、数年前のことです。
あのとき田中社長が他の事務所に移っていたら、私はEMOROCO CRM Liteに出会う機会もなかったかもしれません。危機が、変革のきっかけになりました。
しかしあなたの事務所には、危機が来る前に始める機会があります。
月1,500円/ユーザーから。今日、全顧問先の感情温度を直感で設定するところから始めてください。
クール・コールドが何社あるか——その数字が、設計のスタートラインになります。
EMOROCO CRM Lite 製品ページ
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