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動物病院・ペットサロン向けにEMOROCO CRM Liteでペットの健康管理と飼い主との長期関係を設計する方法

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

ペットサロン業界の平均リピート率は40%と言われています。

しかし、ペットの犬種・病歴・施術で使ったシャンプーの種類・ハサミへの恐怖があるかどうかまで細かくCRMで管理することで、リピート率90%を達成したペットサロンがあります。その差は何か——「ペットのことをどれだけ覚えているか」という体験の差です。

飼い主にとってペットは家族です。「このサロン・この病院はうちの子のことをよくわかっている」という確信が生まれたとき、飼い主は他の選択肢を見なくなります。競合がどれだけ近くにできても、「うちの子を一番知っている場所」に通い続けます。

この記事では、EMOROCO CRM Liteを使って動物病院・ペットサロンが「ペットの健康管理と飼い主との長期関係」を仕組みとして設計する方法を解説します。


動物病院・ペットサロンのCRMが特殊な理由——「二層の顧客」を管理する

一般的な業種のCRMは「顧客(人間)」との関係を管理します。動物病院・ペットサロンが特殊なのは、「飼い主(お金を払う人)」と「ペット(実際のサービスを受ける対象)」という二層の顧客を同時に管理する必要がある点です。

【動物病院・ペットサロンの「二層の顧客構造」】

第一層:飼い主(お金を払う人・意思決定者)
  ・感情温度を持つ「関係の当事者」
  ・「うちの子を覚えてくれている」体験を求めている
  ・口コミ・紹介を生む人
  ・他院・他サロンとの比較をする人

第二層:ペット(実際のサービス対象)
  ・健康状態・病歴・アレルギー・体質
  ・性格・得意なこと・苦手なこと
  ・ワクチン期限・フィラリア予防・トリミングサイクル
  → これらは「医療・美容の質」を直接決める情報

重要な原則:
  EMOROCOでは「飼い主レコード」と「ペットレコード」を
  二層設計にして紐付ける。
  一人の飼い主が複数ペットを持つ場合にも対応できる。

フィールド設計①——「ペットレコード」(健康管理の自動リマインドを支える)

【ペットレコードのフィールド設計】

基本情報:
・ペットの名前
・種類(犬・猫・うさぎ・鳥・爬虫類・その他)
・犬種・猫種
・性別・生年月日(誕生日アラートに使う)
・毛色・体の特徴(識別のため)
・飼い主レコードとの紐付け

健康管理情報(動物病院向け):
・既往症・病歴(テキスト)
・服用中の薬・サプリメント
・アレルギー(食物・薬物・環境)
・体重の推移(直近3回の記録)

予防医療サイクル管理(最重要):
・混合ワクチン次回接種日 ← アラートの核心
・狂犬病ワクチン次回接種日
・フィラリア予防薬の期間(○月〜○月)
・ノミ・マダニ予防の次回時期
・健康診断の次回推奨時期

美容・施術情報(ペットサロン向け):
・通常のトリミングスタイル(テキスト):
  例「サマーカット。足は短め。顔は丸く。
     ポンポンテールは必ず残す」
・使用シャンプー・コンディショナー:
  例「低刺激の薬用シャンプー。市販品にアレルギー反応あり」
・トリミングサイクル:4週間 / 6週間 / 8週間 / 3ヶ月 / 不定期
・次回トリミング推奨日 ← アラートのトリガー

ペットの性格・対応情報(施術の質を上げるために):
・性格と注意事項(テキスト):
  例「人見知りだが慣れると甘える。ドライヤーが苦手。
     おやつを見せると落ち着く。
     爪切りのときだけ暴れるので二人でおさえる」
  例「攻撃性が強い。後ろ足を触られることを嫌がる。
     前回の施術で軽く噛まれた。マズルが必要」
・好きなおやつ・落ち着くもの

SNS情報:
・写真掲載の許可(可 / 不可 / 要確認)
・過去のSNS投稿・メンション

フィールド設計②——「飼い主レコード」(感情的な関係の継承を支える)

【飼い主レコードのフィールド設計】

基本情報:
・氏名・連絡先(電話・メール・LINE)
・初来院日(または初来店日)

来院・来店パターン:
・最終来院日 ← 離脱検知の最重要フィールド
・来院サイクル(選択式):
  月1回以上 / 2〜3ヶ月に1回 / 半年に1回 / 年1回 / 不定期

感情温度(飼い主との関係の温度感):
・感情温度(選択式):
  ホット(積極的にコミュニケーション・紹介してくれる)/
  ウォーム(定期的に来てくれる・良い関係が続いている)/
  クール(来院頻度が下がっている・反応が薄くなった)/
  コールド(長期間来ていない・音沙汰がない)

飼い主のプロフィール:
・飼い主の特徴・こだわり(テキスト):
  例「ペットを『我が子』として非常に溺愛している。
     コストより質を重視。些細な変化も心配する傾向がある」
  例「初めての犬飼い。不安が強い。丁寧な説明を好む。
     専門用語より平易な言葉で伝えると喜ぶ」
・SNS発信力(選択式):
  積極的に投稿する / たまに投稿する / しない
・紹介実績(数値):これまでに何人紹介してくれたか

ナラティブメモ:
・最近の変化・近況(テキスト):
  例「最近お子さんが生まれて、ペットへの関心が少し薄れているかも。
     次の来院では配慮した声かけを」
  例「高齢ペットの看取りを経験したばかり。
     新しいペットを迎える段階。サポートが重要な時期」

ワークフロー設計——「忘れていても届く」先手のリマインドを仕組み化する

動物病院・ペットサロンのワークフロー設計の核心は「飼い主が忘れる前に、こちらが先に動く」ことです。「忘れるタイミングより先に教えてくれる病院・サロン」が最も信頼されます。

【動物病院向けワークフロー設計】

「混合ワクチン次回接種日の1ヶ月前」:
  → タスク:「○○ちゃん(飼い主:田中様)
           混合ワクチンの接種時期が近づいています——ご案内を」
  内容:「LINE・はがき・電話のいずれかで、
       接種時期が近づいていることを温かくお伝えする。
       『○○ちゃんのワクチンの時期が来ました』という
       ペット名を入れた個別連絡が信頼を生む」

「フィラリア予防薬シーズン(毎年4月初旬)」:
  → タスク:「フィラリア予防が必要なペット全件のリスト確認」

「健康診断推奨時期の1ヶ月前」:
  → タスク:「○○ちゃん 年次健康診断のご案内」
  内容:「特に高齢ペット(7歳以上)は半年ごとの検診を推奨」

「来院サイクルを1.5倍以上超えた飼い主」:
  → タスク:「○○様(○○ちゃん)最近ご来院がありません——ご様子確認を」
  内容:「『その後お変わりありませんか?○○ちゃんのご様子はいかがでしょうか』
       という純粋な関心からのご連絡。
       受診を強制する言葉は使わない」

「ペットの誕生日の1週間前」:
  → タスク:「○○ちゃん お誕生日が近い——バースデーメッセージを」
  内容:「ペットの誕生日を覚えていることが飼い主に最も響く」

「ペットを看取った飼い主の1年後」:
  → タスク:「○○様 一年のご様子伺い」
  内容:「繊細なタイミング。純粋な追悼の気持ちを伝える。
       新しいペットを迎えるかはペースに合わせる」
【ペットサロン向けワークフロー設計】

「次回トリミング推奨日の10日前」:
  → タスク:「○○ちゃん(飼い主:鈴木様)
           トリミングの時期が近づいています——ご予約を」
  内容:「ペット名入りの個別連絡が最も予約につながる」

「トリミング施術の翌日」:
  → タスク:「○○ちゃん 昨日の施術後のご様子確認」
  内容:「施術翌日のフォロー連絡が、飼い主の
       不安解消と信頼形成に大きく効く。
       特に初回・新しいメニュー後は必ず実施する」

「感情温度クールに変化したとき」:
  → タスク:「○○様(○○ちゃん)来店が減っています——ご様子確認を」
  内容:「プッシュしすぎず、純粋な関心として連絡する」

「感情温度ホット×SNS発信力:積極的」:
  → タスク:「○○様 口コミ・SNS投稿のお願いタイミング」
  内容:「施術後の仕上がり写真を撮影して送ることで
       投稿のきっかけを作る(許可確認後)」

ダッシュボード設計——「今週気にかけるペット・飼い主」が毎朝わかる

【動物病院・ペットサロン向けダッシュボード設計】

■ 毎朝1分の確認ビュー

「予防医療アラート(今月中に対応が必要なペット)」:
  ・今月ワクチン期限のペット一覧
  ・今月フィラリア対応が必要なペット一覧
  ・今月健康診断推奨のペット一覧

「来院途絶えアラート」:
  来院サイクルを超えた飼い主・ペットのリスト

「今週誕生日のペット」:
  バースデーメッセージを今週中に送る対象リスト

■ 週次確認ビュー

「感情温度の分布」:
  ホット / ウォーム / クール / コールドの飼い主数

「施術後フォロー漏れリスト」(ペットサロン向け):
  施術翌日フォローが未実施の案件

■ 月次確認ビュー

「高齢ペット(7歳以上)の健康状態モニタリング」:
  7歳以上のペットの感情温度・最終来院日・次回検診日

「紹介ネットワークの確認」:
  今月の新規来院のうち「紹介経由」の件数

ペット特有の「ライフステージ管理」——高齢化から看取りまでの長期設計

【ペットのライフステージ別CRM設計】

子犬・子猫期(〜1歳):
  「初めての飼い主」である可能性が高い。
  不安が多く、こまめな連絡・情報提供が信頼を生む。
  → 「最初の体験」の質がその後10年以上の関係を決める

成犬・成猫期(1〜7歳):
  「定期管理」の時期。
  この時期の離脱(他院・他サロンへの移行)が
  最も静かに・気づかないうちに起きる。
  → 来院途絶えアラートと誕生日メッセージが最重要

シニア期(7歳以上・犬)(10歳以上・猫):
  健康への不安が高まる時期。
  「この病院・このサロンに任せていれば大丈夫」という
  信頼が最も価値を持つ時期。
  → 検診頻度の引き上げ推奨と丁寧な説明

看取りの前後:
  ペット業界で最も難しい時期。
  「うちの子を最後まで覚えていてくれる」ことが
  最も深い信頼の形。
  → 看取り後1週間・1ヶ月・1年の丁寧なフォローが
    「生涯の絆」になる
  → 飼い主が新しいペットを迎えるとき、
    最初に思い出す場所になる

「スタッフが変わっても覚えている体験」を設計する

【スタッフ変更時の引き継ぎ設計の核心】

ペットレコードの「性格・対応情報」が引き継ぎの核心:
  「爪切りのときだけ暴れる」
  「ドライヤーは後ろから当てると落ち着く」
  「待合室で他の犬を見ると興奮する——奥の席に案内する」
  → 記録されていれば、新しいスタッフでも「続き」として接せる

飼い主ナラティブの引き継ぎ:
  「田中さんは心配性で丁寧な説明を好む。
   先代の犬を看取った経験があり、今の子には特に思い入れが強い」
  → この1段落が、新スタッフの最初の対応を変える

引き継ぎの原則:
  「ペットの名前を最初に呼ぶ」
  「モモちゃんのこと、田中さんから引き継いでいます。
   よろしくお願いします」
  → この一言が「記録が生きている体験」を飼い主に届ける

ペットコミュニティを活かした紹介ネットワーク設計

ペットを飼っている人たちの間ではお散歩中や動物病院などで自然とコミュニティが出来上がります。知り合いが利用しているトリミングサロンの評判を聞いて「よさそうだから行ってみようか」と思う人は少なくありません。

【ペットコミュニティを活かした紹介設計】

「紹介元」フィールドの活用:
  新規飼い主に「どなたかにご紹介いただきましたか?」と確認し記録する
  → 「コネクター(紹介してくれる飼い主)」が誰かを可視化する

コネクター飼い主への感謝の設計:
  紹介があったとき、紹介元の飼い主に感謝を伝える
  → この「お礼の体験」が次の紹介の動機になる

SNS口コミが生まれやすい設計:
  施術後の「仕上がり写真」を撮影して飼い主に送る(許可確認後)
  ペットの可愛い写真は飼い主が最も投稿したいコンテンツ
  「#(院名・サロン名)」のハッシュタグを教える

まとめ——動物病院・ペットサロン向けEMOROCO設計チェックリスト

フィールド設計:
□ 飼い主レコードとペットレコードの二層設計が完成しているか
□ ペットの「混合ワクチン次回接種日」フィールドがあるか
□ ペットの「誕生日」フィールドがあるか
□ 「次回トリミング推奨日」フィールドが設定されているか
□ ペットの「性格・対応の注意点」フィールドがあるか
□ 飼い主の「感情温度」フィールドが設定されているか
□ 「SNS写真掲載許可」フィールドがあるか

ワークフロー設計:
□ ワクチン期限1ヶ月前のリマインドタスクが自動生成されるか
□ 来院サイクル超過の途絶えアラートが設定されているか
□ ペットの誕生日1週間前のバースデータスクが生成されるか
□ トリミング推奨日10日前のリマインドタスクが生成されるか
□ 施術翌日のフォロータスクが生成されるか

ダッシュボード設計:
□ 今月の予防医療アラート(ワクチン・検診)が一覧表示されるか
□ 来院途絶えアラートが毎朝確認できるか
□ 今週誕生日のペットリストが表示されているか
□ 感情温度の月次分布が確認できるか

ペットサロン業界の平均リピート率は40%。でも「ペットのことを深く覚えている」体験を提供できた施設はリピート率90%を達成しています。

その差は設備でも技術でも価格でもありません。「うちの子のことを一番知っている場所」という飼い主の確信——この確信を生む「記録・継承・先手の連絡」を仕組み化することが、EMOROCO CRM Liteが動物病院・ペットサロンにもたらす最も重要な価値です。

月1,500円/ユーザーから。今日、最も大切な飼い主10名のレコードと、そのペットのレコードを作るところから始めてください。
EMOROCO CRM Lite 製品ページ


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この記事を書いた人
松原 晋啓

詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォームドCRM)を世界的に提唱したCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、国内外で多くの賞を受賞している。
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