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「車検の2ヶ月前」に連絡できる販売店と、「来てから気づく」販売店 — 自動車販売店がEMOROCO CRM Liteのワークフローで車検・乗り換えフォローを完全自動化する方法

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

「そういえばお客様の車検、今月じゃなかったかな……」

営業担当者がこう思い出したとき——顧客はすでに他の整備工場やカーショップに予約を入れています。

車検やメンテナンスもディーラーに依頼するより、車検専門会社やガソリンスタンドなどに依頼した方が安上がりになるという認識も広がっています。こうした顧客の流動性が高まる中、自動車販売店にとって既存顧客との関係維持はこれまで以上に重要な経営課題になっています。

一方で、車検の時期が近づいたら、いち早く顧客にコンタクトを取ることで、顧客が他の整備工場やカー用品店などの競合店に流れることを防止できます——この原則は業界全体で知られています。しかし「いち早く」のためのフォローが、担当者の記憶と感覚に依存している限り、確実には実現できません。

この記事では、EMOROCO CRM Liteのワークフロー自動化を使って、車検フォロー・定期点検案内・乗り換え提案のすべてを「担当者が覚えていなくても自動で動く仕組み」に変える具体的な方法をお伝えします。


自動車販売店が抱える「4つのフォロー問題」

問題① フォローが「来てから」になっている

「車検で来店した顧客に、次の車検の案内をする」——これでは遅い。顧客は車検を「どこに依頼するか」を、来店の2〜3ヶ月前に決めています。

この段階で連絡できている販売店だけが、顧客の意思決定に影響を与えられます。「そういえばそろそろ車検か……どうしようかな」と思い始めた顧客に、ちょうどそのタイミングで連絡が届く——これが「タイミングの勝負」を制する販売店の強みです。

問題② 担当者が変わると「お客様の時間軸」が失われる

「この車は○年○月に納車だから、次の車検は○年○月だ」「この方は3年ごとに乗り換えるパターンだ」——こうした情報はベテラン営業担当者の頭の中にあります。

購入後のフォローを営業担当者任せにしていると、点検整備やメンテナンス需要を取りこぼしてしまう可能性があります。担当者の異動・退職のたびにこの情報が失われ、お客様のタイムラインに合わせたフォローができなくなります。

問題③ 乗り換え提案のタイミングを「感覚」で判断している

「あのお客様、そろそろ買い替えかな」という感覚は、必ずしも正確ではありません。

実際には、「購入から何年経過しているか」「走行距離はどの程度か」「家族構成に変化があったか」「ライフイベントはあるか」といったデータの組み合わせが、乗り換え提案の最適タイミングを示しています。このデータが顧客ごとに管理・可視化されていなければ、提案の精度は上がりません。

問題④ アフターサービスと新車販売が「別の管理」になっている

整備・車検の記録とセールス活動の記録が別々に管理されている場合、「整備でお客様が満足しているタイミング」という提案の好機を、セールス担当者が把握できません。

自動車は購入後のフォローが非常に重要な商品です。過去の整備履歴や対応内容を把握できる状態にすることで、「先日の車検の際にご満足いただけましたね。ちょうどモデルチェンジもありまして……」という文脈のある提案が可能になります。


「自動車の時間軸」を理解する——フォローの設計図

EMOROCO CRM Liteのワークフローを設計する前に、自動車購入から乗り換えまでの「顧客の時間軸」を整理しておきます。

【新車購入の場合(一般的なパターン)】

納車後1ヶ月    → 納車後初回フォロー・不具合確認
納車後6ヶ月    → 6ヶ月点検の案内
納車後1年      → 初回車検(軽自動車・バイク等)
               ※通常乗用車は3年後
納車後2年      → 法定点検の案内(1年点検)
納車後2年9ヶ月 → 初回車検の2〜3ヶ月前フォロー開始
納車後3年      → 初回車検(通常乗用車)+乗り換え提案の種まき
納車後4年      → 乗り換えニーズが高まる時期の継続フォロー
納車後4年9ヶ月 → 2回目車検の2〜3ヶ月前フォロー開始
納車後5年      → 2回目車検+本格的な乗り換え提案
納車後7〜8年   → 修理コストが増え始める時期。乗り換え検討の最終機会

この時間軸が顧客ごとに設計されていれば、「今月、次の車検が3ヶ月後に来る顧客は誰か」が一覧で把握できます。


EMOROCO CRM Liteで構築する「車検・乗り換えフォロー自動化」の全体設計

ステップ① 顧客・車両レコードのカスタムフィールド設計

EMOROCO CRM Liteのノーコードカスタムフィールドで、自動車販売業に必要な情報を設計します。

【顧客レコードの必須フィールド】

基本情報:
・氏名・住所・電話番号・メールアドレス
・家族構成(ペット含む)
・職業・通勤距離(車の用途を把握するため)
・購入チャネル(新車/中古/乗り換え/紹介)
・紹介元(誰から紹介してもらったか)

ライフプラン情報:
・子どもの年齢(ファミリーカーへの乗り換えタイミング予測)
・住宅ローンの有無(家計への影響)
・次の大きなライフイベント予定
・乗り換え意向(高/中/低/当面なし)

【車両レコードの必須フィールド】
※顧客レコードと紐付けて管理

車両基本情報:
・メーカー・車種・グレード
・車体色・ナンバープレート
・初年度登録年月(車検日計算のベース)
・納車日
・購入価格・下取り価格

車検・点検管理:
・直近の車検満了日(最重要フィールド)
・次回車検満了日
・直近の法定点検実施日
・次回法定点検推奨日
・現在の走行距離(来店・電話時に更新)
・推定年間走行距離

整備・アフター情報:
・整備・修理の履歴(過去の実施内容と費用)
・保険契約状況(自賠責・任意保険の更新月)
・担当サービスアドバイザー

乗り換え提案管理:
・乗り換え提案推奨時期
・提案候補車種
・下取り見込み額(概算)
・乗り換え阻害要因(ローン残高/家計状況/気に入っているなど)

ステップ② ワークフロー設計——「車検満了日」を起点に全フォローを自動化する

「次回車検満了日」フィールドが入力されたことをトリガーとして、以下のタスクを自動生成します。

【車検フォロー自動化ワークフロー】

車検満了日の3ヶ月前
  タスク名:「【車検3ヶ月前】○○様 車検フォロー初回連絡」
  内容:
    ・「そろそろ車検の時期が近づいてまいりました」の第一報
    ・他社に流れる前の先手アプローチ
    ・自社での車検メリット(保証継続・信頼関係)を伝える
    ・乗り換え意向が「高・中」なら乗り換え提案もこのタイミングで検討

車検満了日の2ヶ月前
  タスク名:「【車検2ヶ月前】○○様 車検予約の打診」
  内容:
    ・車検予約の具体的な日程調整
    ・初回連絡で反応がなかった場合の再アプローチ
    ・「早期予約特典」「代車の手配」などの具体的な提案

車検満了日の1ヶ月前
  タスク名:「【車検1ヶ月前】○○様 車検未予約の最終確認」
  内容:
    ・まだ予約がなければ最終確認の連絡
    ・他社で予約済みであれば「次回はぜひ」として関係維持
    ・予約が入ったらタスクをクローズし「車検完了後のフォロー」タスクを生成

車検完了から1週間後
  タスク名:「【車検完了後】○○様 満足度確認・御礼の連絡」
  内容:
    ・「先日の車検はいかがでしたか」の満足度確認
    ・好評であれば紹介依頼の絶好のタイミング
    ・次回車検満了日フィールドを更新(2年後に設定)
    ・次回車検ワークフローが自動的に再スタート

【法定点検フォロー自動化ワークフロー】

次回法定点検推奨日の1ヶ月前
  タスク名:「【1年点検案内】○○様 法定点検のご案内」
  内容:
    ・「安全のための1年点検のご案内」
    ・車検とは異なる任意点検であることを丁寧に説明
    ・来店の機会を作り、乗り換えニーズを把握する接点として活用

【乗り換えフォロー自動化ワークフロー】

納車日から3年後(初回車検のタイミング)
  タスク名:「【3年目】○○様 乗り換えニーズ確認・種まき」
  内容:
    ・「3年乗っていただきありがとうございます。そろそろ気になる車種はありますか?」
    ・下取り概算額の提示で乗り換えのハードルを下げる
    ・押し売りにならず「情報提供」として接触する

納車日から5年後
  タスク名:「【5年目】○○様 本格的な乗り換え提案」
  内容:
    ・「5年でそろそろ修理コストが増えてきます」という客観的な情報提供
    ・現在の下取り査定額・乗り換えた場合の月額シミュレーションを準備
    ・家族構成・ライフイベントの変化に合わせた車種提案

乗り換え意向フィールドが「高」に変更されたとき
  タスク名:「【乗り換え意向:高】○○様 商談化へのアプローチ」を即日自動生成
  内容:
    ・試乗・見積もりへのスムーズな誘導
    ・提案候補車種フィールドに基づいた具体的なアプローチ

【保険更新フォロー自動化ワークフロー】

任意保険更新月の2ヶ月前
  タスク名:「【保険更新前】○○様 任意保険の見直しご提案」
  内容:
    ・「保険の更新時期が近づいています」の案内
    ・自社保険代理店との連携がある場合は紹介
    ・来店の機会として活用

ステップ③ ダッシュボード設計——「今月動くべき顧客」を朝5分で把握する

【自動車販売店フォロー管理ダッシュボード】

今月・来月に車検満了を迎える顧客一覧
  → 月次で「今月対応が必要な顧客」を一覧把握

「車検3ヶ月前フォロー未実施」のアラートリスト
  → タスクが届いているのに未対応の顧客を検出

乗り換え意向「高・中」の顧客一覧
  → 提案の優先ターゲット。車検タイミングと重ね合わせて最適提案時期を判断

納車から5年以上経過 × 最終接触から90日以上
  → 関係が薄れている長期顧客。再接触の優先リスト

今月完了した車検・点検の「満足度未確認」リスト
  → 車検後のフォローが漏れている顧客。紹介依頼の機会損失を防ぐ

担当者別の「車検獲得率」(来店した車検のうち自社で受注した割合)
  → チーム別・担当者別の実績比較でフォローの質を評価

ステップ④ 接触後の「顧客情報更新」を習慣化する

フォロー連絡後・来店後に、以下の情報を必ず更新します。

【接触後の必須更新(2分ルール)】
・最終接触日(今日の日付)
・乗り換え意向の変化(上がったか、下がったか)
・走行距離の更新(来店時に確認できた場合)
・家族構成・ライフイベントの変化メモ
・次回フォローで使えるフック
  (例:「子どもが来年から部活。大きい車が欲しいかもしれない」)

この更新がされるたびに、ダッシュボードのアラートが自動再計算され、「今の状況に合わせたフォロー」が届く仕組みが機能し続けます。


「タイミング」が価値を生む——自動車フォローの本質

リピート率やクロスセル率を上げるには、納車から○ヶ月を迎える顧客にメンテナンスの案内を送る、車検を迎えるユーザーに新車種のパンフレットを送るといった、緻密でアクティブなフォローアップが重要です

しかしこの「緻密さ」を、担当者の記憶と感覚だけで実現しようとすれば、必ずどこかで漏れが生じます。担当者が変わればリセットされます。繁忙期には後回しになります。

EMOROCO CRM Liteのワークフロー自動化は、この「緻密さ」を仕組みに変えます。

「担当者が覚えていれば動く」から「担当者が変わっても自動で動く」へ。

顧客は「あの担当さん、いつも車検前にちゃんと連絡してくれる」と感じます。それが信頼になり、次の乗り換えも「また同じ店で」という選択につながります。

月1,500円からのスモールスタートで、まず保有している顧客リストに「次回車検満了日」と「納車日」を入力することから始めてください。翌日から、「今月車検3ヶ月前の顧客リスト」が見え始めます。
https://www.emoroco.com/


まとめ——自動車販売店フォロー自動化 チェックリスト

カスタムフィールドの設計:

  • 「次回車検満了日」「納車日」「初年度登録年月」が設定されているか
  • 「乗り換え意向」「家族構成・ライフイベント」フィールドがあるか
  • 「任意保険更新月」「整備・修理履歴」が管理されているか

ワークフローの設計:

  • 車検満了日の3ヶ月前・2ヶ月前・1ヶ月前のタスクが自動生成されるか
  • 車検完了後の「満足度確認・御礼連絡」タスクが自動生成されるか
  • 納車3年後・5年後の「乗り換え種まき・本格提案」タスクが自動生成されるか
  • 乗り換え意向「高」変化時の即日タスクが自動生成されるか
  • 保険更新2ヶ月前のタスクが自動生成されるか

ダッシュボードの設計:

  • 今月・来月の車検満了顧客一覧が見えるか
  • 「乗り換え意向:高・中」の優先リストが表示されているか
  • 担当者別の「車検獲得率」が可視化されているか

運用ルール:

  • 接触後2分で「乗り換え意向・走行距離・フォロークフック」を更新するルールが決まっているか
  • 毎朝のダッシュボード確認がルーティン化されているか

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この記事を書いた人
松原 晋啓

詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォームドCRM)を世界的に提唱したCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、国内外で多くの賞を受賞している。
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