【Dynamics 365】作成したフォームが公開できない場合の原因と対処法
状況:
[フォーム]を作成後に、設定を[公開]しようとしたところ、エラーが発生してしまう。
結論:
作成した[フォーム]の公開時に以下のエラーが発生するのは、バックグラウンドにおいて何らかの自動プログラムが実行されていることが原因です。
対処法:
何らかの自動プログラムがバックグラウンドで行われていないタイミングを見計らい、[フォーム]を[公開]する必要があります。
詳細:
ここからは、今回のケースをより具体的に解説していきたいと思います。ここまでの要約で理解された方は読む必要がありません。
作成した[フォーム]は、[公開]することで初めて反映されます。したがって、[フォーム]を作成後、以下のスクリーンショットにおける[公開]をクリックする必要があります。
定義:
Dynamics 365における1つのデータの単位を[レコード]と呼び、レコードの作成・編集・閲覧を行うインターフェースを[フォーム]と呼びます。
しかし、[公開]をクリックすると、以下のエラーが発生してしまいました。
エラーの詳細を確認するために、ログファイルをダウンロードして開いてみましょう。
ログファイルの内容は以下の通りです。
System.ServiceModel.FaultException`1[Microsoft.Xrm.Sdk.OrganizationServiceFault]: Cannot start the requested operation [Publish] because there is another [Import] running at this moment. Use Solution History for more details. -- The solution installation or removal failed due to the installation or removal of another solution at the same time. Please try again later. (Fault Detail is equal to Exception details:
ErrorCode: 0x80071151
Message: Cannot start the requested operation [Publish] because there is another [Import] running at this moment. Use Solution History for more details. -- The solution installation or removal failed due to the installation or removal of another solution at the same time. Please try again later.
TimeStamp: 2022-05-11T11:48:16.5434813Z
--
).
要するに、「バックグラウンド環境において、現在[インポート]の操作が行われているため、[公開]することができません。」ということです。ここで話されている[インポート]操作というのが、この記事の冒頭で示した何かしらの自動プログラムによって行われている操作になります。
それでは、Dynamics 365の[詳細設定]から[ソリューション履歴]を参照し、どのような自動プログラムがバックグラウンドで行われているのかを実際にみていきましょう。
Dynamics 365の詳細設定画面から、設定横の下矢印(画像内①)をクリックすると現れる[ソリューション履歴](画像内②)を開きます。
すると、バックグラウンドで行われている操作の一覧が以下のように表示されます。
画像を見てわかるとおり、どのような操作が、いつ、だれによって開始され、終了したのかを一覧表示で確認することができます。たとえば、上の例では、[インポート]作業(画像内⑤)がMicrosoft(画像内④)によって11:48に開始(画像内②)され、11:50に終了(画像内③)したことが読み取れます。つまり、バックグラウンドでこのような自動プログラムが行われていたため、11:48から11:50までの2分間は[公開]を押してもエラーが出てしまっていたということがわかりました。
まとめ:
このエラーを回避する術は現状ありませんので、上述のような自動プログラムがバックグランドで作業をしていないタイミングを見計らったうえで[フォーム]を[公開]する必要があります。
最後までお読みいただきありがとうございました。前半にサマリーを、後半に詳細をそれぞれ置くことで、必要な人が必要な情報をすぐに読めるように工夫しました。一方で、まだまだ分かりにくい記述もあるかと思いますので、どんな方にもわかりやすい記事が書けるように邁進します。それはまるで、アーカス・ジャパンの製品であるEMOROCOのおもてなしの精神のように…。