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知識創造研究室 by CRM(xRM)

CRMシステムの起動回数・利用定着率アップ?SignalRでプッシュ通知を使ってみた

みなさん、こんにちは。
今回は、Microsoftが提供するASP.NET SignalRを使ったプッシュ通知機能の紹介とその利用についてふれたいと思います。

SignalRとは?その特徴

SignalRはシステムのサーバ側(ミドルウェアやプログラム)とクライアント側(パソコンのブラウザやアプリケーション)でのリアルタイム通信を比較的簡単に作ることができるテクノロジで、いわゆる中継の役割(ハブ)のイメージが近いかもしれません。
海外ではSignalRの注目度は高く、国内ではまだ多くに知られていません。しかしながら、SignalRを使うことで、これまではサーバサイドとクライアントサイドの両者で非同期通信が絡み、技術的にも難易度が高かったものが、リアルタイム通信を容易に開発可能としてくれました。また、SignalRの開発はそのリアルタイムという動作の性質から、今までにない楽しさを感じさせてくれるテクノロジとなっています。なお、プログラミング言語はC#が基本となります。

SignalRを実際に使ってみた

C#、HTML、JavaScript、SignalR APIを使い、サーバからクライアントへプッシュ通信によって情報が配信されるモックを作成しました。短いソースコードで出来ました、簡単・・・凄い。
テスト動作です。Chrome 、Firefox、IEからそれぞれサーバへアクセスします。

Chromeでのみメッセージを送信すると、まず全員配信としたメッセージがChromeとFirefoxやIEにも表示されます。サーバからのプッシュ通信によって配信されましたね。次に、最初にメッセージを送信したクライアントにだけ1秒おきに情報を配信するとしたメッセージがChromeにだけ表示され、FirefoxやIEには表示されません。サーバからのプッシュ通信によってすべてのクライアント、または、自分のみといった格好で配信を工夫することも可能になっています。

短いソースコードでこうした高度な処理が実現できることも特長の1つだと分かりました。

SignalRとDynamics CRM

Dynamics CRMはマイクロソフトが提供するCRMに特化した業務アプリケーションです。YammerやSkype for Businessとコラボレーションし情報共有することを得意としているほか、Outlookと予定情報を相互に連携することが可能でOutlookのクライアント通知機能を利用することも可能となります。左記のように色々な情報共有ツールとの連携を増やしてCRMシステムとして利用価値を維持・向上してきました。コラボレーションの技術は凄いものがあります。
逆に、Dynamics CRMだけの導入では情報をリアルタイムに共有する難しさがあり、情報共有のスピード感に悩まれる方も多いのではないでしょうか。
ライセンスを必要とするツールではなく、SignalRのようなAPIとして提供されるテクノロジをうまく活用することができれば、クライアントがDynamics CRMをさえ操作していれば自然と情報が集まり見ることができる状況を作り出す操作性が実現できるかもしれません。ポータル、メール、ソーシャルにわざわざ画面や操作を移動する必要がなく使い勝手の面で改善が図れる可能性があります。(メールやソーシャルが悪いといっている訳ではないですので、ご了承くださいm_m;)。

CRMではプッシュ通知のどこがよいの?

プッシュ通知をオススメする理由は運用の定着化のためといっても過言ではありません。
Outlookの新着通知に代表されるようにプッシュ通知はその情報に注意がむけられるため起動回数は高くなり、ツールを利用し続ける価値が維持され、必然とそのツールはないと仕事ができないというレベルにまで達します。
CRMシステムも同様に、情報を決まったタイミングや時間で見に行くだけでなく、こうしたプッシュ通知をうまく活用することで、利用回数とツールの必然性を高めていくことが重要です。
これまで大抵のCRMシステムは、初期構築をどうするかに重きが置かれ、運用後の定着が課題となることが多く見受けられます。アーカス・ジャパンではこれまでに培ったノウハウとして、初期構築の早い段階(要件定義等)からCRMをどうやって組織に定着化していくか、業務・システムの両面から運用定着化を検討するメソロドジーを標準としています。Dynamics CRMシステムの運用定着化をどうしようか考えられている方がいらっしゃれば、弊社独自の支援プログラムを用意しておりますので、気軽にお問合せください。

まとめ

CRMにおいて、リアルタイムな通信テクノロジによるプッシュ通知機能は、次のようなシーンで活用することが期待出来ます。

  • コンタクトセンター:NGワード出現/クレーム/トラブル発生をコンタクト中に検知してリアルタイムにスーパーパイザー等へ情報共有
  • 店舗型販売:来客のお得意/リピート/初めてといったステータスを顔認識により判定し、サービススタッフにスマホや音声他をつたいリアルタイムに情報共有 等

アーカス・ジャパンが掲げるパーソナライズドCRMとそれを具体化するEMOROCO(エモロコ)ソリューションは、随時こうした価値ある機能を搭載し、市場へ投入する予定ですので、今後のリリース情報をどうぞお楽しみに!

この記事を書いた人
徳本 和也

関電システムソリューションズ、アバナードを経てアーティサン(アーカス・ジャパン)に勤務。
CRM導入コンサルタント、システムエンジニア。昔、尊敬する上司に「4C=奉仕の精神で頑張りなさい。」と教えられました。
その言葉を思い出して、いまは、変化(Change)が機会(Chance)を呼び、創造(Creativity)をもって挑戦(Challenge)する、そのように思いました。
皆さん一人ひとりが変化すれば、必ず将来チャンスを呼び、更なる成長を遂げるはずです。
マイクロソフト認定プロフェッショナル 、情報処理技術者(AP、FE)を持つ。

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