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知識創造研究室 by CRM(xRM)

SFA = CRM という大きな誤解

みなさん、こんにちは!
最近は弊社製品の問合せと受発注の処理でバタバタするほど大盛況なアーカス・ジャパンですが、来週10日(金)にインフォテリア社と共催でセミナーもやります。
タイトルはズバリ、「間違いだらけのCRM運用!業績向上のためのCRM戦略と構築法」
IT業界ではCRMに関する間違った誤解が氾濫している状況なので、コンサルタント視点から何が正しいのかを改めてお伝えしようというセミナーです。

間違いだらけのCRM運用!業績向上のためのCRM戦略と構築法
~本質的な顧客管理で”個客”大航海時代を乗り切る
https://event.infoteria.com/jp/event/e170310/
<残席わずかです!>

こちらのセミナーの元としているのが先日公開したホワイトペーパー「間違いだらけのCRM運用」(下記リンク)なのですが、こちらの前説として少し内容をお伝えします。

ホワイトペーパー:間違いだらけのCRM運用
https://www.infoteria.com/jp/contact/warp/wp_warp_crm/

私が今まで10年以上CRMに関わって来て最も多く聞かれる「CRMとは・・・」では、「営業支援ツール(SFA)ですよね?」「日報を管理するシステムでしたっけ?」といった声が圧倒的多数を占めています。インターネット上でCRMを検索しても「CRM/SFA」といった表記がされている始末。。。

声を大にして言いたいのですが、「CRM=SFA」ではありません!?下記の図の通り、SFAはあくまでCRMのサブシステムに過ぎません。
CRMとは経営戦略(全体最適化)を担うソリューションになりますので、それぞれの組織の1事業(部分最適化)に相当するSFAやMAといったシステムとは目指すゴールが異なるわけです。


図 CRMモデル
-CRM―顧客はそこにいる(村山徹/三谷宏治+アクセンチュア著)からの抜粋 -

これの誤解の原因はCRMがコンサルタントの世界で出て来た90年代後半まで遡りますが、当時はITは経営の一部分でしか活用出来ないレベルのテクノロジーしか存在しませんでした。 そのため、CRMを本来の意味でカバーするソリューションテクノロジーはなかったため、顧客管理システムやSFA、CTI、MA(当時のeCRM)に細分化し、残りは人の手で運用していました。("CRM第1世代(ベストプラクティスCRM:部分最適化)"と呼びます) しかしながら、時代と共にITが進化し、ミッションクリティカルな領域での活用からビックデータのような膨大なデータの活用にまで広がり、2006年にCRMを本来の意味でカバーするソリューションテクノロジー(Dynamics CRM 3.0)が登場したため、私が「xRM(プラットフォーム型CRM)」を提唱して、さらにはSFDCまで後を追うようにして”PaaS”と言い出したことで"CRM第1世代(ベストプラクティスCRM:部分最適化)"から”CRM第2世代(プラットフォームCRM:全体最適化)”に大きく移り変わりました。

それでもまだプラットフォーム型CRMは上図CRMモデルにおいて業務プロセスの層(第2層)を統合的に管理出来るようになったレベルでしかありませんでした。
最上部の層は経営戦略そのものなのでシステムがカバーする領域ではないですが、まだ知識層である「顧客インサイト」をカバー出来ていない発展途上の状態になっています。

そこで登場したのが”人工知能テクノロジー”です。
「顧客インサイト」を取り込むためには、今までCRMがデータとして取り込んでいた”形式知:カスタマーエクスペリエンス(CX)”に加えて、コミュニケーションの8割以上を占める”暗黙知:インプリシットカスタマーエクスペリエンス(ICX)”までも取り込む必要があり、そのためにはCRMが人工知能テクノロジー(顔認識や音声認識、感情分析、性格分析等)を取り込む必要がありました。

アーカス・ジャパンでは、そのために第2世代CRM製品であるDynamics CRM(現Dynamics 365)にプラスアルファする必要があると思い、第3世代CRM(パーソナライズドCRM:全体最適化)としてCRMに人工知能を融合させた「EMOROCO for Dynamics 365」を開発しました。

第3世代CRM(パーソナライズドCRM)はCRMモデルにおける最上位まで取り込んだCRMの最終形とも言えますが、こちらを実現するためには同じく全体最適化に位置する第2世代CRM(プラットフォーム型CRM)の適用が成功していることが必要条件となりますので、一足飛びで実現出来るものではありません。もちろん、第1世代CRMのSFAやMAは部分最適化なサブシステムなため、これらを導入したからといってもそのまま本来のCRMに発展することはありません。 なぜなら、上位層である「顧客インサイト」のアウトプットが下位層であるサブシステムのインプットにならなければ、目的を持たないまとまりのない集団にしかならないため、会社全体として成果が出るはずないからです。

そもそも、最上位層が「経営戦略(顧客戦略)」から始まるので、ここが正しく出来てないと下位層は全て失敗になってしまうので、そこが出来ているかどうかの判断と、もし出来ていない場合は経営戦略の改革から始まり、業務プロセスや組織の改革(業務改革やチェンジマネジメント等)も行う必要があります。
だからこそ、CRMは「攻めのIT」に位置付けられ、いわゆる「システムインテグレーター(SIer)」には扱えないソリューションであると言われる所以なので、CRMを導入したい企業は要注意ですね。

セミナーではCRM導入だけでなくCRMを運用していく上での注意点等もお伝えしますので、多くの方のご参加をお待ちしております(#^.^#)

この記事を書いた人
松原 晋啓

アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はDynamics CRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真なるCRM"の理念の普及に努めている。
また、プラットフォーム型CRM(xRM)の第一人者や CRM の専門家としてインタビューを受けたり、ラジオのパーソナリティも務めている。
インタビュー記事
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