D365カスタマイズの壁と突破法:ohyaの実践記【#007】 〜まだ現役!? ワークフローの仕組みと使い所〜
こんにちは、ohyaです。
今回は、新シリーズの第1弾として「ワークフロー(Workflow)」を取り上げます。
PL-200の勉強をしていても、そして実務でも、「クラウドフローと何が違うの?」とよく聞かれる存在です。
今回の壁
『ワークフローって、まだ使えるの?クラウドフローでいいんじゃないの?』
PL-200のテキストにもワークフローは出てきますが、試験だけでなく現場でも「非推奨って聞いたけど、実際どうなの?」という疑問が多いです。
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1.ワークフローとは?
ワークフローは、Dynamics 365(Dataverse)のサーバー側で動く自動処理です。
レコードの作成や更新、削除などをトリガーにして、条件分岐やデータ更新、メール送信などを自動で行います。
特徴
- ・サーバー側実行(ユーザー操作なしでも動く)
- ・ノーコードで作成可能
- ・リアルタイムか非同期を選べる
- ・D365の内部処理に特化(外部サービス連携は基本不可)
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2.ワークフローの基本構成

- 1.エンティティ(テーブル)を選ぶ
- 2.実行タイミング(作成時・更新時など)を設定
- 3.条件(もし〜なら)を設定
- 4.アクション(更新、作成、メール送信など)を追加
💡 PL-200ポイント
試験では「トリガーは何か?」「同期/非同期の違い」を押さえることが重要。
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3.スコープ(Scope)の考え方
ワークフローを作るとき、「スコープ(Scope)」という設定項目があります。
これは「ワークフローが誰に対して実行されるか」を決める重要な設定です。

スコープの種類

実務での注意点
- ・スコープを広くしすぎると、不要なレコードまで処理してしまい、パフォーマンス低下や誤処理の原因になる
- ・逆に狭すぎると、必要なレコードに処理が届かないこともある
- ・PL-200試験では、「どの範囲のユーザーやレコードが対象になるか」を問う問題が出やすい
💡 失敗談
最初に「ユーザー」スコープで作ってしまい、他メンバーが作成したレコードがまったく処理されないという事故が…。
スコープ設定は本当に大事です。
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4.まだ使う場面はあるの?
Microsoftはワークフローを段階的にPower Automate(クラウドフロー)へ置き換える方針ですが、実務ではまだ使われています。
使われる理由
- ・既存システムに多数のワークフローが組み込まれている
- ・外部連携が不要な単純処理はワークフローのほうが軽い
- ・権限や実行環境の制約が少ない
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5.実務例
例1:レコード作成時に担当者へメール通知
- ・トリガー:レコード作成
- ・条件:重要フラグが「はい」
- ・アクション:担当者にメール送信
例2:特定条件でフィールドを自動更新
- ・トリガー:レコード更新
- ・条件:状態=「完了」
- ・アクション:完了日フィールドに現在日付を設定
💡 ポイント
クラウドフローだと余計な外部接続やAPI制限を意識する必要がある場面も、ワークフローならD365内で完結。
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6.クラウドフローとの違い

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7.まとめ
- ・ワークフローはD365内部で動くシンプルな自動化機能
- ・外部連携不要な軽い処理なら今でも十分活躍
- ・新規構築はクラウドフロー推奨だが、既存環境では現役
✍️ 次回予告
次回は「ビジネスルール」を取り上げます。
フォームでの入力制御や自動入力をノーコードで実現する方法を、実例付きで解説します!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
