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知識創造研究室 by CRM(xRM)

中小企業こそ危ない?ガバナンス強化とセキュリティ対策を”仕組み化”する方法

みなさん、こんにちは。

早速ですが、近年、ニュースで「情報漏洩」や「セキュリティ事故」といった言葉がよく出てきています。
大企業だけの話と思われがちですが、実は、中小企業こそ大きなリスクに晒されているのです。

なぜかというと、限られた人員で多くの業務を抱えているため、ミスや管理漏れが発生しやすいからです。

その中で、国や自治体・取引先から求められることが増えているのが「ガバナンス強化」と「セキュリティ対策評価制度への対応」です。
しかし、多くの中小企業では、「何から手を付けたらいいのかわからない」、「書類の作り方が分からない」という声が多いのが現実です。

そこで、今回は、中小企業が抱える課題とMicrosoft 365 & Power Platformを活用することで、"誰でも守れるルールが守られる環境"をどう作るかを解説します。

中小企業が抱える「ガバナンスの壁」

まず、ガバナンスとは「会社として正しく、安全に運営するための仕組み」のことです。
難しい言葉に聞こえますが、実際の現場では以下のような課題として現れます。

①情報が散らばっていて誰も全体が分からない

顧客リストは営業のExcel、契約書は総務のPC、日報はメール・・・
この状態では「正しい情報」、「最新の情報」がどれかわかりません。

②権限が曖昧で、誰でもファイルを触れてしまう

「共有フォルダは全部見られる」、「パスワードは共通」など、中小企業ではありがちな運用です。
しかし、今の時代、これが情報漏洩の大きな原因になります。

③Excelや紙の運用が属人化しやすい

申請書は紙、案件管理はExcel、日報はメール・・・
といった環境では、ミスも属人化も避けられません。

④セキュリティ関連の書類作成ができない

取引先から「セキュリティ対策の状況を教えてください」と言われても、現状をまとめることすら困難です。

もしこれら①~④のいずれかに心当たりがあれば、すでにガバナンス強化が必要な状態です。

どう対応すればよいのか?

鍵になるのは、"仕組み化" と "自動化" です。

ガバナンスがうまくいかない理由は1つで、
ルールを作っても、忙しさや習慣により守られない」からです。

つまり、"守らせるルール" ではなく、 "守られる仕組み" を作ることが大切です。

そこで大きな力を発揮するのがMicrosoft 365とPower Platformです。

Microsoft 365 & Power Platformがガバナンス強化に効果的な理由

中小企業でも無理なく始められる理由と実際にガバナンスが強化されるポイントを分かりやすく解説します。

①情報の一元管理で「どこに何があるか」が明確に

Microsoft 365とPower Platformを使うと「ファイル」、「メール」、「顧客データ」、「申請書」、「日報」、「チャット」がすべてクラウドに集約されます。
その結果、"情報が散らばって行方不明" ということが起きなくなります

ガバナンス観点では、「正しい情報の管理」、「最新データの維持」が可能になります。

②権限をルール通りに自動で統制できる

Microsoft 365やPower Platformには役割に応じたアクセス制御があります。

・営業は顧客データを閲覧
・経理は請求関連へアクセス
・一般社員は機密ファイルは閲覧不可

というように、"必要な人だけが必要な情報にアクセスする" ことが自動的に実現できます。

これは、内部統制の強化に直結します。

③Power Platform(Power AppsやPower Automate)が「ミスしようがない仕組み」を作る

Excelや紙は、人の操作ミスや転記ミスがおきます。
しかし、Power AppsやPower Automateを使うことで、
・入力フォーム化
・自動チェック
・自動通知
・申請/承認フロー
といった機能により、ミスそのものが発生しない環境を作れます

④証跡(ログ)が自動で残るため「説明責任」が果たせる

「誰が何をしたか」、「いつアクセスしたか」、「何を更新したか」
これらのログがすべて記録されます。

これは、セキュリティ対策評価制度の証跡としてもそのまま利用できます

⑤IT担当者がいなくても "ルールが守られる状態" を維持できる

更新やバックアップ、セキュリティ強化はすべてクラウド側で自動。
手動管理が必要ないため、中小企業でも無理なく運用できます。

中小企業が得られる効果

Microsoft 365 & Power Platformを活用しつつ、ガバナンスを強化すると以下が実現できます。

・情報漏洩リスクの大幅削減
・属人化の解消
・業務の見える化
・承認・申請などの業務効率化
・ミスの削減と標準化
・セキュリティ対策評価制度への対応
・取引先・顧客からの信頼向上

つまり、安全性 × 生産性 × 信頼性をまとめて手に入れることができるのです。

アーカス・ジャパンの支援内容

アーカス・ジャパンでは、中小企業が最初の一歩を踏み出せるように以下を一括でご支援いたします。

①セキュリティ診断と現状分析

現在のメール、共有フォルダ、データ管理の状態をチェックし、セキュリティリスクのある点の洗い出し、改善方法のご提案を実施します。

②ガバナンスルール(社内ルール)作成支援

難しい言葉を使わずに、すぐに使えるルール策定をご支援いたします。

③Power Platformを使用した業務デジタル化(DX推進)

紙、Excel等々で行っていた業務をアプリ化・自動化します。
ただシステムを作るのではなく、現場への定着化に重きを置き伴走型でご支援いたします。

④Microsoft 365の設定支援

Microsoft 365の初期設計、既存グループウェアからの移行、権限・ファイル管理・アクセス制御の最適化などのご支援をいたします。

⑤セキュリティ対策評価制度への書類作成支援

取引先提出用ドキュメントやセキュリティ対策評価制度に関連する書類作成のご支援をいたします。

⑥運用サポート(継続的な改善)

月次レポートや改善提案を通じてガバナンスを維持するご支援をいたします。

まとめ:中小企業こそ "今" ガバナンス強化を進めるべき

ガバナンスは大企業だけのテーマではありません。
むしろ限られた人員で業務を回す中小企業こそ必要です。

Microsoft 365 & Power Platformを活用すれば、"難しいITの知識がなくても" ルールが守られる仕組みを実現できます。

アーカス・ジャパンはその第一歩から伴走し、安全で効率的な会社運営をサポートします。

この記事を書いた人
河内 祐樹

国内大手SIerにて、Microsoft製品を中心としたシステムエンジニア/システムアーキテクトとしてキャリアをスタート。Dynamics CRM 4.0時代から一貫してCRM領域に携わり、営業・サポート・マーケティングなど多様な業務領域におけるCRM導入や立ち上げ、製品開発を手動。特にSFAやコールセンター領域での業務設計・導入支援を得意とする。 その後、CRM事業未経験のSIerに転職し、ゼロからCRM事業立ち上げにも携わる。 エンジニアのみでなく、プリセールスなども担当。複数の企業のCRM案件ではパフォーマンスチューニングやトラブルプロジェクトの再生も多数経験し、実装・運用双方に精通している。 近年は、Dynamics 365やPower Platformを活用し、ノンコーディングによる業務要件実現やASTERIA Warp等による他システム連携・BI統合など、CRMを中心としたデータ活用基盤の全体設計・構築を数多く手がける。導入後のBI支援や運用定着化まで一貫して支援することでクライアントのDX推進を伴走。 現在は、弊社で提唱しているCRM1.0~4.0による企業変革のステージモデルの普及活動を行い、"顧客との信頼を超えた共創関係"を実現するCRM4.0の普及をリードしている。コンサルティング、システム導入、運用支援、教育まで包括的に展開し、企業CRM成熟度向上を支援している。

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