D365カスタマイズの壁と突破法:ohyaの実践記【#010】 〜D365と世界をつなぐ!クラウドフローで広がる自動化の可能性〜
こんにちは、ohyaです。
前回は、業務の流れを画面上でガイドできる「ビジネスプロセスフロー(BPF)」をご紹介しました。
今回はいよいよ、Dynamics 365の枠を飛び出して、外部サービスとも連携できるクラウドフロー(Power Automate)に挑戦します。
今回の壁
『D365だけじゃなく、TeamsやSharePointとも自動で連携したい!』
実務では、D365のデータを使って…
- ・Teamsに通知を送る
- ・SharePointにファイルを保存する
- ・Outlookで自動メールを送信する
といった連携ニーズが頻繁にあります。
これを実現するのが、Power Automateのクラウドフローです。
-
1.クラウドフローとは?
クラウドフローは、Power Automate上で作成するクラウドベースの自動化ワークフローです。
D365だけでなく、300種類以上の外部サービスと接続でき、条件に応じた処理を自動で行えます。
特徴
- ・豊富なコネクタ(Teams、SharePoint、Outlook、OneDrive、Slack、Xなど)
- ・トリガーとアクションを組み合わせて自由に設計
- ・ノーコードでも複雑な自動化が可能
- ・実行回数やコネクタによる制限あり(ライセンスに依存)
-
2.フローの種類
- ・自動化フロー(Automated Cloud Flow)
特定のイベント(例:レコード作成、メール受信)をトリガーに実行 - ・即時フロー(Instant Cloud Flow)
手動トリガーで実行(ボタン、Power Appsなど) - ・スケジュールフロー(Scheduled Cloud Flow)
決まった時間・間隔で実行
💡 PL-200ポイント
問題文に「外部サービス」「通知」「スケジュール」というキーワードが出たら、クラウドフローの可能性大。
-
3.実務例
例1:重要案件が作成されたらTeamsに通知
- ・トリガー:D365で「重要フラグ=はい」の商談が作成された
- ・アクション:Teamsの営業チームチャネルにメッセージ送信
例2:添付ファイルをSharePointへ自動保存
- ・トリガー:D365でドキュメントが添付された
- ・アクション:指定フォルダに自動アップロード
-
4.クラウドフローとワークフローの違い

-
5.落とし穴
- ・実行回数制限(無料・有料プランの差)
- ・一部コネクタは有料プレミアムライセンスが必要
- ・外部サービスの認証切れで動かなくなることがある
- ・フローが複雑になると、管理画面が見づらくなる
-
6.まとめ
- ・クラウドフローはD365の枠を超えて、外部サービスと連携できる最強の自動化機能
- ・「外部連携」「通知」「スケジュール」系の要件はクラウドフローが第一候補
- ・実行回数やライセンス制限には注意が必要
✍️ 次回予告
次回は「デスクトップフロー(RPA)」を取り上げます。
PC上の操作をそのまま自動化して、定型作業から解放される方法をご紹介します!
