Dynamics 365(Dataverse)の「状態」と「ステータス」について[前編]
みなさん、こんにちは。
Dynamics 365(Dataverse)で、レコードの削除といったら、通常は「論理削除」を行います。
論理削除とは、レコードに「削除フラグ」のようなものを立てることで、「削除したことにする」という考え方。
削除フラグが立ったものは、通常の画面からは見えなくなりますが、裏でレコードのデータは生きていますので、間違って論理削除をしてしまったとしても復活することができます。
これに対して、「物理削除」とは、本当にデータを削除してしまうことを意味します。物理削除の場合、間違って削除したら復活できません。
Dynamics 365の場合、論理削除にあたる操作を「非アクティブ化」と言います。
(以下では取引先企業を例にとります)
通常は、アクティブなデータだけが表に出ていて、
ある1レコードに対して非アクティブ化をすると、
そのレコードは「アクティブな取引先企業」からは見えなくなるけれど
非アクティブな状態で生き残っています。
この、論理削除、あるいは非アクティブ化という仕組みを司っている項目が、「状態」という項目で、
アクティブ・非アクティブの2通りの値を取ることができます。
さて、ここでよく見ると、「状態」のほかに「ステータス」という項目もあります。
「ステータス」も、やはり、アクティブ・非アクティブの2通りの値をとり、「状態」と連動して動きます。
「状態」「ステータス」は意味合いとしても同じですし、それぞれの論理名も極めて似通っています。
アクティブ・非アクティブの値に対応した数値※も微妙に違っていて、紛らわしいです。
※通常、画面上でユーザーが見るのは、「アクティブ」「非アクティブ」というラベル名ですが、プログラムを使用して状態の値を参照または更新するときには、「アクティブ」「非アクティブ」は0や1のような数値で扱います。
では、「状態」「ステータス」という、似たような項目が2つあるのはなぜか?
「後編」にて、そのあたりをお伝えします。