量子コンピュータで進化する人工知能とCRM – その2 –
皆さん、こんにちは!
そして、明けましておめでとうございます。
昨年は皆様の支えによって倍成長という大きな結果を出すことが出来ましたが、今年も昨年に負けじと飛躍したいと思います。
ということで、長らく空いてしまいましたが前回書いた「量子コンピュータで進化する人工知能とCRM」の第2回を書きたいと思います。
さて、今回は2点目の疑問である「EMOCOROのように人工知能を融合させたCRM(第三世代)は、通常のCRMに人工知能(Machine Learning)を連携した製品(第二世代の強化版)とは何が違うのでしょうか?」という点についてお答えしていきます。
昨年は第3次人工知能ブームの元年と言っても過言ではないほど人工知能が熱い年でした。
様々なAI製品が出て来る中で、弊社も一昨年にCRMにAIを組み込んだ世界初の製品「EMOROCO」をリリースしました。
これは「CRM第三世代(パーソナライズドCRM)」と呼ばれるほど画期的なことなのですが、同時にこれまでのCRM(第二世代:プラットフォーム型CRM)に人工知能製品を連携する製品(ここでは「第二世代強化版」と呼称します)も数多く登場し、大きな混乱が起こってしまっています。
第二世代強化版の代表的な製品で言えば、マイクロソフトのDynamics 365にあるAzure ML連携機能やセールスフォースドットコムのSalesforce Einsteinが当てはまります。
これらは単純に”その1”で説明したような近似値分析を利用した機能を”連携”したに過ぎない製品で、例えば音声認識や顔認識、文章の形態素解析といった特化型人工知能をその場限りで利用しているパターンになります。
これはこれで今まで出来なかった機能を実現しているのでCRM的に言うなら十分進化と言えると思います。
しかしながら、EMOROCOに代表される第三世代の大きなポイントは”AIの融合”による進化であり、CRMの真骨頂である”連続性”と”可変性”を担保するAIの利用になります。
連携では処理とデータがそれぞれ単発となってしまうため、例えば顧客グループを算出するにしても事前に定義したグループ(軸)への分類しか出来ません。
下図でいうなら、「平均購入単価」と「月別購入頻度」による評価軸は固定になり、それに合わせて近似値を出すことしか出来なくなります。
しかし、CRMはお客様の購買情報や嗜好データのつながり(”連続性”)と市場に合わせた変化(”可変性”)が必須条件となります。
この分析だけでは、市場の変化に対応するためにシステムのカスタマイズとデータのチューニングが必要になるため、その都度莫大なコストが必要となってしまいますので、CRMとして効果を出すにはリスクが高いと断言出来ます。
EMOROCOではAIを融合しているため、それぞれの特長を生かした分析を行うことが出来ますので、今回の例であれば”顧客グループの自動発見”が可能となりますので、今現在の市場の状況に合わせた評価軸で算出することが出来ます。
これが出来るからこそ、CRMモデルにおける「顧客インサイト」の正しい把握が出来るため、シーズとニーズを合わせた顧客戦略の立案が可能となって来ます。
今回見ていただいた例はあくまでEMOROCOの初歩の一例でしかありませんが、これだけでもこれまでの常識を大きく覆し、人だけではなかなか見つけられなかったようなポイントを見つけ出すという人工知能の本来の使い方となっていることがご理解いただけるかと思います。
以前プレスリリースでも発表させていただいた通り、EMOROCOは「人を助ける頭脳」となる製品です。
分かりやすい言葉で言えば、「ドラえもんの頭脳」がすでに実現されているということです。(表面のI/Fとなるロボットはどなたかが開発してくれるはず 笑)
CRM第三世代のパーソナライズドCRMは、CRM本来の領域である顧客インサイトをカバー出来るようになった初めてのCRMシステムコンセプトであり、企業の全体最適化というCRM元来の目的を達成することが可能となっています。
その中でもEMOROCOは「優秀な宰相」という役割も持っている非常に強力で斬新な製品と言えます。
https://www.arcuss-japan.com/products/base-ai
CRM第二世代強化版(CRM+AI:連携)とCRM第三世代(CRM&AI:融合)の違いはご理解いただけたでしょうか?
もし不明な点があれば、気兼ねなくお問合せください。
さて、最終回となる次回はすでにEMOROCOでも組み込んで機能強化を予定している(理論上はすでに完成している)「量子コンピュータ」との関わりについて解説したいと思いますので、お楽しみに~!