トピックス

知識創造研究室 by CRM(xRM)

Dynamics 365 v9.0以降の業務プロセスフローの変更点

みなさん、こんにちは。
今回は、Dynamics 365 v9.0以降の業務プロセスフローの変更点について紹介したいと思います。
そこそこ大きな変更なのですが、導入ベンダーも認知しておらずバージョンアップ後にお客様も困るという事態が多い内容となっております。

v8.2以前の業務プロセスフローの情報

v8.2以前の業務プロセスフローの情報は、業務プロセスフローを使用している各エンティティの以下の項目に保持されていました。

  • ステージID(stageid)
    業務プロセスフローの現在選択されているステージのGUIDを保持
  • プロセスID(processid)
    各レコードが使用している業務プロセスフローのGUIDを保持

そのため、以下のようにビューの列項目を工夫することで、各レコードが現在どのステージにいるのかということが一目で分かるようにもなっていました。

v9.0以降の業務プロセスフローの情報

一方、v9.0以降の業務プロセスフローの情報は、ステージIDやプロセスIDというフィールドがあるものの、そのフィールドには保持されていません。
※v8.2以前から存在しているレコードには、以前の情報が保持されています。(最新の情報には更新されません。)

v9.0以降の業務プロセスフローの情報は、業務プロセスフロー毎にエンティティがあり、そのエンティティで保持するようになっています。

例えば、サポート案件エンティティの場合、「サポート案件への電話のプロセス」という業務プロセスフローが標準で用意されています。
このエンティティを高度な検索で指定し、結果を出すと次のようになっています。

このビューの結果から分かるように業務プロセスフロー毎のエンティティには、各レコードのアクティブなステージの情報を保持するようになっています。

そのため、以前と同じように業務で使用しているエンティティのビューにステージの情報を出したい場合には、業務プロセスフロー用エンティティからワークフローなどを使用して同期する仕組みを作成する必要があります。

また、Power BI等で使用されている場合には、システムのカスタマイズ画面より、エンティティの名前を調べた上で使用するようにしていただく必要がありますので、ご注意ください。
※カスタムで作成した業務プロセスフローの名前は、GUIDが含まれたりしますので、注意が必要です。

これからバージョンアップを実施予定の方は、上記にも注意していただければと思います。
また、自社での解決が難しい場合には、弊社のナレッジを活用したご支援も可能ですので、お問合せいただければと思います。

この記事を書いた人
河内 祐樹

国内大手SIerにて、Microsoft製品を中心としたシステムエンジニア/システムアーキテクトとしてキャリアをスタート。Dynamics CRM 4.0時代から一貫してCRM領域に携わり、営業・サポート・マーケティングなど多様な業務領域におけるCRM導入や立ち上げ、製品開発を手動。特にSFAやコールセンター領域での業務設計・導入支援を得意とする。 その後、CRM事業未経験のSIerに転職し、ゼロからCRM事業立ち上げにも携わる。 エンジニアのみでなく、プリセールスなども担当。複数の企業のCRM案件ではパフォーマンスチューニングやトラブルプロジェクトの再生も多数経験し、実装・運用双方に精通している。 近年は、Dynamics 365やPower Platformを活用し、ノンコーディングによる業務要件実現やASTERIA Warp等による他システム連携・BI統合など、CRMを中心としたデータ活用基盤の全体設計・構築を数多く手がける。導入後のBI支援や運用定着化まで一貫して支援することでクライアントのDX推進を伴走。 現在は、弊社で提唱しているCRM1.0~4.0による企業変革のステージモデルの普及活動を行い、"顧客との信頼を超えた共創関係"を実現するCRM4.0の普及をリードしている。コンサルティング、システム導入、運用支援、教育まで包括的に展開し、企業CRM成熟度向上を支援している。

同じカテゴリの記事