全ユーザーのシステム管理者権限を外してしまった時の対処方法
※「管理者の昇格」ができるユーザーの条件について追記しました。(2019/5/31)
みなさん、こんにちは。
今回は、Dynamics 365 CE(CRM) の開発・運用で困った事になった場合の対処方法のご紹介です。
開発成果物のテストなどで、ユーザーのセキュリティロールから、システム管理者の権限を外す事があると思います。
その時、もし他にシステム管理者ユーザーがいない場合、非常に困った状況になります。
なぜなら、システム管理者が0人になり、システムの管理ができなくなることに加えて、システム管理者の権限を付与ができるユーザーがおらず、誰もシステム管理者になれないからです。
今回はこの大変困った「システム管理者0人状態」を解決する方法の1つ「管理者への昇格」をご紹介します。
「システム管理者0人状態」にしてみる
説明のために、デモ環境で「システム管理者0人状態」をつくりだします。
システム管理者権限を持つユーザーログインします。
ユーザーの設定画面で、ロールの管理を開き、システム管理者のチェックを外します。
実は、システム管理者のチェックを外し、OKを押下した時点で、警告がでます。
「自分では復元できなくなる可能性があります。続行しますか?」
システム管理者がこのユーザーのみの場合、OKを押すべきではありませんが、今回はあえてOKを押下します。
これをやると、システム管理者権限が必要な操作は一切できなくなります。
システム管理者を付与しようとしても、権限がないので、エラーが出ます。
「システム管理者0人状態」の場合は別のユーザーで権限を付与する事もできません。
これは困った!
システム管理者権限への昇格で解決
このような事態に陥る事が少ないので、あまり知られていないようですが、
「管理者の昇格」を使用すると、管理者権限を復活させることができます。
なお、「管理者の昇格」を使用できるユーザーはOffice 365の「全体管理者」の役割を持つユーザーのみです。
具体的な方法ですが、ユーザーのビューで1人のユーザーを選択すると、
「管理者に昇格」というコマンドが選択できます。
これを選択してOKを押すと、システム管理者の権限が付与されて、各種設定ができるようになります。
今回は、昇格の機能を使用する事で、システム管理者以外がシステム管理者権限を付与できるという内容のご紹介でした。
悪い事態は、起きないようにする事が第一ですが、もし起きてしまった場合は
この記事が、困っている方のお役にたてれば幸いです。