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OKR・KPI・KGIをEMOROCO CRM Liteに落とし込む — 経営目標と現場活動をつなぐCRM設計
こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。
「今期の売上目標は1.2億円です」
この言葉を聞いた現場の担当者は、今日何をすればいいかわかるでしょうか。
わかりません。「1.2億円」という数字は経営目標(KGI)であり、「今日誰に電話すべきか」という現場の行動とは直接つながっていないからです。
OKR・KPI・KGIという目標管理の枠組みは、多くの企業で「設定して終わり」になっています。四半期ごとに目標を設定し、月末に進捗を確認し、未達なら叱咤する——このサイクルでは「目標が現場の行動を変える」ことにはなりません。
目標が現場の行動を変えるのは、「今週誰に・何を・どんな温度感で接触するか」というレベルまで分解されたときだけです。
EMOROCO CRM LiteはこのKGI→KPI→KAI(重要活動指標)→現場の行動という「縦串の設計」を実現するプラットフォームです。
この記事では、OKR・KPI・KGIをEMOROCO CRM Liteのフィールド・ワークフロー・ダッシュボードに落とし込む全設計を解説します。
まず「言葉の整理」——KGI・KPI・KAI・OKRの関係
【目標管理の言葉の整理】
KGI(Key Goal Indicator・重要目標指標):
「最終的に達成したい成果」——経営レベルの目標
例:今期の売上:1.2億円
新規顧客獲得数:20社
顧客継続率:90%以上
KPI(Key Performance Indicator・重要業績指標):
「KGIを達成するために必要なプロセスの指標」——部門・チームレベル
例:月次受注金額:1,000万円
月次新規アポ件数:15件
感情温度ウォーム以上の維持率:80%
KAI(Key Activity Indicator・重要活動指標):
「KPIを達成するために必要な現場の活動量」——個人レベル
例:週次接触件数:20件
接触後30分以内の入力率:80%以上
ナラティブメモの記録率:接触件数の90%
OKR(Objectives and Key Results):
「Objective(定性的な目標)」×「Key Results(定量的な成果指標)」
の組み合わせで、野心的な目標を設定するフレームワーク
例:
O(目標):顧客との関係を業界トップレベルに深める
KR1:感情温度ホット以上の顧客割合を30%→50%に引き上げる
KR2:担当者変更時の顧客継続率を75%→90%に改善する
KR3:紹介経由の新規顧客を年間8件獲得する
EMOROCOの設計では「KGI→KPI→KAI→現場の行動」という縦串を、フィールド・ワークフロー・ダッシュボードで実装します。
縦串の設計——「1.2億円」から「今日誰に電話するか」まで分解する
具体的な分解の例を示します。
【KGI→KAI への完全分解例】
KGI:年間売上 1.2億円
↓ 分解
KPI①:月次受注金額 1,000万円
必要な受注件数(平均単価150万円):7件/月
KPI②:月次新規商談(一次商談)件数:15件
(成約率 47%:15件 × 47% ≒ 7件)
KPI③:月次アポ設定件数:30件
(商談化率 50%:30件 × 50% = 15件)
↓ さらに分解
KAI①:週次の接触件数:20件
(アポ設定率 37.5%:20件 × 37.5% = 7.5件/週 ≒ 30件/月)
KAI②:接触する顧客の感情温度分布:
ホット:5件(今週中にアポ打診)
ウォーム:10件(関係維持・温度アップ接触)
クール:5件(フォローアップ・ナーチャリング)
KAI③:接触後の入力率:80%以上
(週20件接触 → 16件以上を30分以内に入力)
↓ EMOROCOダッシュボードに表示するもの
今週やること(毎朝月曜に確認):
「ホット×未アポの顧客:5件」← 今週中に全件アポ打診
「次のアクション期日が今週の顧客:12件」← 今週中に全件対応
「感情温度クール×14日以上接触なし:3件」← 今週中にフォロー
この分解が完成したとき、「1.2億円」という数字が「今週月曜朝にダッシュボードを見て、20件接触するリストを確認する」という現場の行動につながります。
フィールド設計——目標管理をCRMに組み込む
①案件レコードへの目標連動フィールド
【案件(商談)レコードのKPI連動フィールド】
案件基本情報:
・案件名・関連顧客・担当者
・案件金額(受注予定額)
・商談フェーズ(選択式):
初回接触/アポ設定済み/一次商談完了/提案中/
クロージング/受注/失注/停止
目標連動フィールド:
・今月の受注予定(チェックボックス):
□ 今月の受注カウントに含める
→ 月次KPI「受注件数・金額」の自動集計に使う
・受注確度(選択式):
A(90%以上)/ B(60〜90%)/ C(30〜60%)/ D(30%未満)
→ 月次の「着地予測」ダッシュボードに使う
・着地予定月(年月):
→ 「今月・来月・再来月の着地予測」の分母になる
・失注理由(選択式):
価格/競合優勢/タイミング/予算なし/担当者/関係性/その他
→ 月次の失注理由分析→KPIの改善施策に使う
②顧客レコードへのKAI連動フィールド
【顧客レコードのKAI連動フィールド】
活動実績の追跡:
・今月の接触回数(数値・自動カウント)
・最終接触日(日付)
・接触後入力完了(チェックボックス)
OKR連動フィールド:
・この顧客のOKR上の優先度(選択式):
最重点(KR達成の鍵となる顧客)/
重点(今期のKPI達成に直結)/
通常管理/
ナーチャリング(来期以降)
・担当者変更経験(選択式):
なし / あり(継続) / あり(離脱リスクあり)
→ KR「担当変更時の継続率90%」の追跡に使う
・紹介実績件数(数値):
→ KR「紹介経由の新規顧客8件」の追跡に使う
・紹介意向(選択式):
高 / 中 / 低 / 未確認
→ 紹介KRの進捗に使う
ダッシュボード設計——「KGIから今日の行動まで」を一画面で見る
目標管理ダッシュボードの設計で最も重要な原則は「見たら今日何をすべきかわかる」ことです。
【目標管理ダッシュボード設計(3層構造)】
■ 層①:KGI・KPI層(月次の着地を確認する)
「今月の着地予測」:
受注確度A案件の合計金額:○○万円
受注確度B案件の合計金額:○○万円
着地予測(A全額+B×60%):○○万円
月次KPI目標:1,000万円
達成率:○○%
「今月の受注件数」:
受注済み:○件(目標:7件)
残り:○件
「月次KPI進捗サマリー」:
新規アポ件数:○件(目標:30件)
一次商談件数:○件(目標:15件)
■ 層②:KAI層(今週の活動量を確認する)
「今週の接触件数」:
今週完了:○件(目標:20件)
残り接触目標:○件
「感情温度の分布(今週フォローすべき優先リスト)」:
ホット×未アポ:○件 ← 最優先
ウォーム×次のアクション今週以内:○件
クール×14日以上接触なし:○件
「入力率」:
今週の接触のうち30分以内入力完了:○%(目標:80%)
■ 層③:OKR進捗層(四半期の目標達成を確認する)
「KR1進捗:感情温度ホット以上の割合」:
現在:○%(目標:50%)
先月:○% → 今月:○%(変化:+○%)
「KR2進捗:担当変更時の継続率」:
今期の担当変更件数:○件
うち継続:○件(継続率:○%)(目標:90%)
「KR3進捗:紹介経由の新規顧客」:
今期の紹介受注件数:○件(目標:8件)
紹介意向「高」の顧客:○件(来月以降の見込み)
ワークフロー設計——目標から逆算した「自動アラート」
KGI達成のための逆算アラート
【KGI達成ワークフロー設計集】
【月初の目標確認ワークフロー】
「毎月1日(月初)」:
→ タスク①:「今月のKPI目標の確認と個人目標への分解」
内容:「今月の受注目標1,000万円に対して、
自分の担当案件の着地予測を確認する。
不足分を埋めるために今月中にアポを取るべき
顧客を3社特定して次のアクションを設定する」
→ タスク②:「感情温度ホット顧客の全件確認」
内容:「今月の受注に貢献できるホット顧客を
全件リストアップして今週中のアポ打診計画を立てる」
【週次の行動目標チェックワークフロー】
「毎週月曜日」(週次SoI-PDCAと連動):
→ タスク:「今週のKAI目標の確認(接触20件の計画)」
内容:「今週接触すべき20件をダッシュボードから確認する。
ホット×未アポ→ウォーム×期日今週→クール×接触途絶
の優先順位でリストを作る。
木曜時点で15件未満なら金曜に集中フォローを行う」
【KPI未達アラートワークフロー】
「月の15日時点で受注件数が月次目標の30%未満」:
→ タスク:「【KPI未達警戒】今月の着地修正計画を立てる」
内容:「月半ばで目標の30%未満は未達リスクが高い。
今月中にクロージングできる案件の確度を上げる施策、
または来月への準備として今月中に商談を
増やす施策のどちらかを今週中に決める。
マネージャーと30分の緊急MTGを設定する」
「月の最終週(25日以降)×今月受注目標達成率60%未満」:
→ タスク:「【最終週】月次KPI未達——来月の仕込みに切り替える」
内容:「今月の未達は確認した。来月の助走として、
感情温度ウォーム以上の顧客への来月アポ設定と
ナーチャリング中顧客への情報提供接触を
今週中に完了させる」
OKR進捗に応じたアラート
【OKR進捗ワークフロー設計】
「四半期の終わり(月末)」:
→ タスク:「OKR四半期振り返りの準備」
内容:「3つのKRの進捗数値をEMOROCOから確認する。
KR1(感情温度ホット比率):現在○%
KR2(担当変更継続率):現在○%
KR3(紹介新規件数):○件
達成できていないKRの原因分析と
次の四半期の改善施策を1つ決める」
「KR3(紹介)進捗が四半期目標の50%未満×四半期折り返し」:
→ タスク:「紹介KR未達——紹介意向『高』顧客への接触強化」
内容:「紹介意向『高』のフィールドが入っている顧客を確認する。
今月中に全員に『ご紹介いただけそうな方がいれば』
という自然な会話を作る接触計画を立てる」
OKRのObjectiveをCRMに落とし込む——定性目標の「見える化」
OKRのObjectiveは「顧客との関係を業界トップレベルに深める」という定性的な目標です。これをCRMに落とし込むために、「定性目標の定量指標への変換」が必要です。
【Objectiveの定量化とEMOROCOへの落とし込み】
Objective:「顧客との関係を業界トップレベルに深める」
定量化の考え方:
「業界トップレベルの関係」とは何か?
→ 顧客が「この会社しかない」と感じている状態
→ 競合が来ても乗り換えない関係
→ 自然に紹介が生まれる関係
EMOROCOで測定できる指標へ変換:
①感情温度ホット以上の割合(共感・信頼の深さ)
②担当変更時の顧客継続率(関係の組織的な強さ)
③紹介経由の新規顧客数(関係の広がり)
④ナラティブメモの記録率(ICXへのアクセス深度)
⑤NPSスコアの平均(定量的な満足度・推薦意向)
これら5つが「Objectiveを測るKey Results」になる
EMOROCOダッシュボードでの表示:
「OKRの健康状態」として月次で5指標を並べて表示する
→ 経営会議・週次MTGで「数字を報告する」から
「OKRの健康状態を診断する」会議に変わる
SoI-PDCAとOKRの連動——「週次で回すOKR」の設計
多くの企業でOKRが機能しない理由は「四半期に一度しかOKRを見ない」ことです。OKRは「週次で進捗を確認して、毎週微調整する」ことで初めて機能します。
EMOROCO CRM LiteのSoI-PDCAサイクルとOKRの週次レビューを連動させます。
【週次SoI-PDCA×OKR連動設計(月曜15分)】
Check(5分):OKR進捗の確認
「KR1(感情温度ホット比率):今週は○%。先週比○ポイント変化」
「KR3(紹介件数):今期○件。残り○件が必要」
→ 数値を確認するのではなく「なぜ変化したか」を問う
Act(5分):今週の改善施策を決める
「感情温度クールの顧客が増えている原因は何か」
「紹介KRが遅れている理由は何か——紹介依頼の接触ができていないのか、
紹介意向の顧客へのアプローチが不足しているのか」
→ 原因を特定して今週のアクションを1つ決める
Plan(5分):今週の優先行動を確認する
「今週のKAI達成(接触20件)のリストを確認する」
「OKR改善のための追加アクション:
紹介意向『高』の顧客3名に今週中に接触する」
→ ダッシュボードを全員で見ながら確認して完了
「KPIを管理する」から「KPIが自然に達成される環境を設計する」への転換
最後に、最も重要な視点を伝えます。
KPIを「管理」しようとする組織は、毎月「達成したか・未達か」の判定をして叱咤激励するサイクルに陥ります。これは「結果の管理」であり、「行動の設計」ではありません。
EMOROCOでKPIを設計するとき、私が最も重視するのは「KPIが自然に達成される環境を作ること」です。
【「KPIの管理」と「KPIが自然に達成される環境の設計」の差】
KPIの管理(結果への対応):
「今月の受注が目標の60%だ。なぜ達成できないのか」
→ 原因追及→反省→来月また同じことを繰り返す
KPIが自然に達成される環境の設計(行動の設計):
「今月ホット顧客へのアポ打診を全件できたか」
「今週の接触件数は20件を達成できたか」
「ナラティブメモの記録が接触の90%に入っているか」
→ KAIが達成されている組織では、KPIは自然に達成される
EMOROCOのワークフロー・ダッシュボード・アラートは「KPIが自然に達成されるための行動(KAI)を担当者が意識しなくても実行できる環境」を作るための装置です。
「ホット顧客へのアポ打診タスクが自動生成される」環境では、担当者は「今週のアポ目標が7件だ」と意識しなくても、ダッシュボードのアラートに従って動けばKAIが達成されます。KAIが達成されれば、KPIは確率論的に達成されます。
まとめ——OKR・KPI・KGI×EMOROCO設計チェックリスト
目標の設計:
□ KGI(年間・四半期の最終目標)が明確になっているか
□ KGI→KPI→KAIへの分解が完了しているか
□ OKRのObjectiveを5つのKRに定量化できているか
フィールド設計:
□ 案件レコードに「受注確度(A/B/C/D)」フィールドがあるか
□ 案件レコードに「着地予定月」フィールドがあるか
□ 顧客レコードに「OKR上の優先度」フィールドがあるか
□ 顧客レコードに「紹介実績件数」フィールドがあるか
ダッシュボード設計:
□ 月次着地予測(受注確度A・B別の合計)が可視化されているか
□ 週次KAI進捗(接触件数・入力率)が確認できるか
□ OKRの3つのKR進捗が月次で確認できるか
ワークフロー設計:
□ 月初の目標確認タスクが自動生成されるか
□ 月15日時点でKPI30%未満のアラートがあるか
□ 週次月曜のKAI確認タスクが自動生成されるか
□ 四半期末のOKR振り返りタスクが自動生成されるか
「今期の目標は1.2億円」という言葉が「今週月曜朝にダッシュボードを開いて、ホット顧客5件へのアポ打診と週次20件の接触リストを確認する」という具体的な行動につながるとき、OKR・KPI・KGIは「数字の呪縛」から「行動の羅針盤」に変わります。
EMOROCO CRM Liteで、その縦串の設計を今日から始めてください。
EMOROCO CRM Lite 製品ページ
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