Dynamics 365(Dataverse)の「状態」と「ステータス」について[後編]
みなさん、こんにちは。
前回の続きです。
Dynamics 365(Dataverse)で、「状態」「ステータス」という、似たような項目が2つあるのはなぜかを見ていきます。
取引先企業のようなテーブル(エンティティ)では、「状態」「ステータス」はそれぞれ「アクティブ」「非アクティブ」の2つの値を取りますが、一般的には3つ以上の値をとることも可能です。
ここでは、「リード」の場合を見てみましょう。
リードの場合、「状態」は「オープン」「見込あり」「見込なし」の3種類あります。
作られたばかりのリードは「オープン」状態であり、営業活動の結果、「見込あり」「見込なし」のいずれかの判断を下されると、それぞれの状態に変わり、リードとしての役目を追えます。(見込ありの場合、取引先企業や営業案件のレコードを生み出すため、リードとしては不要になる)
そして、リードの「ステータス」は、7種類あるのですが、それぞれのステータスは「状態」のいずれかに紐づく形になっています。
例えば、「オープン」という状態のときには、ステータスは「新規」「連絡済み」の2通りの値を取れます。
実際の画面で見てみますと、
どこかのUdemy講座で見たような光景ですが(割引期間はもうすぐ終わるので、まだの人はお早めに!)、見本市で知り合った人にコーヒーメーカーを買ってもらおうとしている場合です。
ここで、残念ながら購入の可能性がないと判断した場合は、メニューから「見込みなしと評価」を選択します。
このとき「見込みなしと評価」の右側に、さらに詳細なメニューが現れ、「失注」「連絡不能」「関心がなくなった」「キャンセル済み」の4つから選択するようになります。
例えば、ライバルのメーカーの製品を購入することに決定した場合は「失注」になります。
見本市のときに交換した連絡先にメールを送ったがエラーで返ってきてしまい、これ以上連絡がつかない状態であれば、「連絡不能」を選ぶことでしょう。
つまり、”どのように”見込なしなのか、という情報を登録することになります。
このように、「状態」ではそのレコードの大まかな区分けを選択し、「ステータス」ではより細かい区分けを選択するというのが、「状態」「ステータス」の使い方です。
前回見たように、どちらも「アクティブ」「非アクティブ」しかないケースですと、「状態」「ステータス」の2つが存在している意味が分かりづらくなってしまうわけですが、その背景は、1つの「状態」に対応する複数の「ステータス」を設けることができるということですね。