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知識創造研究室 by CRM(xRM)

「また来てくれる患者様」を仕組みで増やす — 自由診療クリニック・整骨院がEMOROCO CRM Liteのカスタムフィールドで患者管理とリピート率を向上させる方法

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

「あの患者様、先月来たきりだな。どうされているんだろう」

スタッフがこう思い出したとき——その患者様は、すでに他院に行ってしまっているかもしれません。

自由診療・整骨院において、売上は「客単価×患者数」で決まります。リピート率を高めることが、最も効率的な売上向上手段です。しかし多くの院で、リピート率の管理は担当スタッフの記憶と感覚に依存しています。

電子カルテは「病気・施術」を管理します。一方でCRMは「人(患者様)」を管理します——このふたつは全く異なるものです。患者様がなぜ来院したのか、どんな目標を持っているのか、どんな施術を気に入っているのか、どんな生活スタイルなのか——こうした「人の情報」を蓄積することが、リピート率向上の核心です。

この記事では、EMOROCO CRM Liteのノーコードカスタムフィールドを活用して、「患者様の情報を組織の資産として蓄積し」「担当スタッフが変わっても一貫したケアを提供し」「来院が止まった患者様に先手を打てる」仕組みを構築する具体的な方法をお伝えします。


自由診療・整骨院が抱える「リピート率向上の3つの壁」

壁① 「いつ来なくなったか」に気づくのが遅すぎる

整骨院向けCRMが重視するのが、一定期間通院間隔が空いた場合のフォローコール機能です。しかし実態として、多くの院では「来なくなった」ことに気づくのが1〜2ヶ月後になるケースが少なくありません。

患者様が来院を止める決意をするのは、実は「最後の来院日」よりずっと前です。施術の効果が感じにくくなってきた、担当者との相性が合わなくなってきた、忙しくて後回しにしがちになってきた——こうした変化の兆候を、来院間隔が開き始めた段階で把握できれば、まだ手が打てます。

壁② スタッフ交代で「患者様の文脈」が失われる

「前の担当者はいつも私の悩みをわかってくれていたのに」——担当スタッフが変わった後、患者様が感じるこの体験は、離脱の大きな要因になります。

患者様の来院目的・施術の好み・体の特徴・NG事項・前回の会話——これらが担当スタッフの記憶にしか存在しない場合、スタッフが変わるたびに「また一から説明しなければならない」という体験が生まれます。これは患者様にとって最も不満を感じる瞬間のひとつです。

壁③ 「2回目の離脱」が最も多いのに見えていない

整骨院・治療院において、1回目来院後の2回目への転換率、そして5回目前後での離脱率が経営上の重要指標です。

2回目を80%、5回目を50%にした方が良いなどのアドバイスがあり、何回目の施術を改善すれば売上が上がるかがはっきりわかる——という知見があるにもかかわらず、自院の「何回目で離脱しているか」を把握できていない院が多いのが現状です。把握できていなければ、改善できません。


電子カルテとCRMの「役割分担」を理解する

EMOROCO CRM Liteを自由診療・整骨院に導入するにあたって、まず重要な前提があります。

電子カルテは「病気・施術」を管理します(診療内容・検査結果・レセプト) EMOROCO CRM Liteは「人(患者様)」を管理します(来院経緯・来院頻度・目標・満足度・担当者メモ)

両者は補完関係にあり、EMOROCOは電子カルテの「外側」にある情報——患者様の人となり・関係の文脈・来院行動のパターン——を管理することに特化します。

この役割分担を理解することで、「電子カルテがあるのになぜCRMが必要か」という疑問が解消されます。電子カルテは「何を施術したか」は記録しますが、「なぜこの患者様は来てくれているのか」「次回来院のモチベーションは何か」は記録しないのです。


EMOROCO CRM Liteで構築する「患者管理の全体設計」

ステップ① カスタムフィールドの設計——「人(患者様)」の情報を設計する

EMOROCO CRM Liteのノーコードカスタムフィールドで、自由診療・整骨院に必要な情報を設計します。

【患者様レコードの必須フィールド】

基本情報:
・氏名・生年月日・電話番号・メールアドレス
・職業・勤務形態(デスクワーク/立ち仕事/肉体労働)
・来院経路(WEB検索/SNS/知人紹介/チラシ/再来院)
・紹介元患者様(紹介の場合は紐付け)

来院目的・目標(最重要フィールド):
・主訴(腰痛/肩こり/美肌/ダイエット/スポーツ外傷など)
・来院目的の詳細(自由記述:例「3ヶ月後の娘の結婚式までに体型を整えたい」)
・短期目標(1〜2ヶ月の目標)
・長期目標(3〜6ヶ月以上の目標)
・目標達成期限

来院行動管理:
・初回来院日
・直近来院日(来院のたびに更新)
・通常の来院頻度(週2/週1/月2回/月1回など)
・直近2ヶ月の来院回数
・来院行動ステータス(順調/やや低下/要注意/要フォロー 選択式)
・次回来院予定日

施術・カウンセリング情報:
・担当スタッフ(メイン担当)
・好みの施術スタイル(強め/優しめ/じっくり/さっぱり)
・苦手な施術・NG事項
・施術中の会話の好み(おしゃべり好き/静かに受けたい)
・アレルギー・注意事項

関係管理:
・患者様との関係温度(良好/普通/やや冷え/要フォロー)
・担当スタッフとの相性メモ
・前回の会話で話したこと(フォローで使えるフック)
・患者様の満足度(高/中/やや低/低 選択式)
・退院リスク判定(低/中/高/緊急)
・紹介意向(高/中/低)

ステップ② 来院ごとの「施術後メモ」を3分で記録する

施術が終わった直後に、担当スタッフが以下の情報を入力します。

【施術後の記録テンプレート(3分ルール)】

今日の施術内容・患者様の反応:
  (例:「腰の張りが改善。患者様も効果を実感していた様子」)

患者様の状態・変化:
  (例:「仕事の繁忙期で疲労が蓄積。来月は少し間隔をあけたいとのこと」)

来院行動ステータスの更新:
  (順調/やや低下/要注意/要フォロー)

次回来院で使えるフック:
  (例:「先週から始めたウォーキングの効果を確認する予定」)

次回来院予定日の確認:
  (予約が取れた場合は日付を入力)

この記録が蓄積されることで、担当スタッフが変わっても「前回何を話したか」「患者様の状態がどう変化しているか」を瞬時に把握できます。「先月、お仕事が忙しいとおっしゃっていましたね。その後いかがでしたか?」という一言が生み出す信頼感は、リピート率に直結します。


ステップ③ ダッシュボード設計——「今日声をかけるべき患者様」を朝5分で把握する

【リピート率向上ダッシュボード】

【赤アラート】今日声をかける(または連絡する)リスト
条件:「来院行動ステータス:要フォロー」
  または「直近来院日から通常頻度×3倍以上経過」
  または「退院リスク:緊急」
→ 来院時に必ず担当スタッフ or 院長が声をかける。
  来院がない場合は本日中に連絡を入れる。

【黄アラート】今週フォローが必要なリスト
条件:「直近来院日から通常頻度×2倍以上経過」
  または「来院行動ステータス:要注意」
  または「直近2回の施術後メモに『間隔あけたい』などの文言あり」
→ 次回来院時に自然な声がけを実施。
  「最近どうですか?お体の調子は?」という軽いフォロー。

【青アラート】目標達成間近の患者様リスト
条件:「目標達成期限が今月・来月以内」
→ 目標の達成状況を確認し、次の目標設定で継続動機を作る最重要タイミング。

【緑ステータス】紹介依頼の最適タイミングリスト
条件:「満足度:高」× 「直近3ヶ月継続来院」× 「紹介実績なし」
→ 満足度が高く継続できている患者様への紹介依頼の最適タイミング。

【経営分析ビュー】(週次で確認)
・初回来院から2回目への転換率
・5回目前後の継続率
・担当スタッフ別のリピート率
・来院経路別の継続率(紹介経由 vs WEB経由)

ステップ④ ワークフロー自動化——フォローが自動で動く仕組みを作る

【初回来院後のフォローワークフロー】

初回来院から3日後
  タスク:「初回来院フォロー(御礼+体の状態確認)」
  内容:「先日はありがとうございました。施術後、体の具合はいかがですか?」
  →初回来院から2回目への転換が最も重要なタイミング。
   この3日後のフォローが「また来ようと思った」を作る。

初回来院から10日後(2回目未来院の場合)
  タスク:「初回未再来患者様へのフォロー」
  内容:「先日ご来院いただきましたが、その後お体はいかがでしょうか?
        ご不明な点やご要望があればお気軽にお知らせください」

【目標達成サポートのワークフロー】

目標達成期限の1ヶ月前
  タスク:「目標達成前の進捗確認・次の目標設定の準備」
  内容:「目標まで残り1ヶ月。現在の進捗を確認し、
        目標達成後の継続プランを患者様と一緒に考える準備をする」

目標達成期限到達時
  タスク:「目標達成のお祝い&次の目標設定セッション」
  内容:「目標を達成できたことをしっかり称える。
        『ここで終わり』ではなく『次はこんなことができる』
        という期待を作ることで継続動機を生み出す」

【来院間隔が空いた患者様へのフォローワークフロー】

通常来院頻度の2倍の日数が経過したとき
  タスク:「【来院間隔超過】○○様への自然なフォロー連絡」
  内容:「最近どうされていますか?お体の具合が気になって
        ご連絡しました」という心配・気遣いベースの連絡。
  ※催促・プレッシャーを感じさせるトーンは厳禁。

来院行動ステータスが「要フォロー」に変更されたとき
  タスク:「【要フォロー】○○様 院長からの個別対応」
  内容:担当スタッフではなく院長・上長からの
        特別感のある個別フォローに格上げ

【記念日・特別タイミングのワークフロー】

初回来院から6ヶ月後
  タスク:「○○様 来院半年記念の御礼メッセージ」
  内容:「おかげさまで6ヶ月が経ちました。
        ○○様の変化をスタッフ一同嬉しく思っています」
  →継続してくれていることへの感謝が、患者様の「この院でよかった」を強化する。

患者様の誕生月
  タスク:「○○様 誕生日月のお祝いメッセージ」
  内容:「誕生月のご挨拶。特別メニューや次回施術でのサービス提案」

ステップ⑤ スタッフ交代時の引き継ぎを「ゼロコスト」にする

担当スタッフが変わるとき、新しいスタッフがEMOROCOの患者様レコードを開くだけで以下の情報を即座に把握できます。

【引き継ぎ時に確認すべき情報(EMOROCOで一覧確認)】
□ 患者様の来院目的と短期・長期目標
□ 好みの施術スタイルとNG事項
□ 直近の会話で話したこと・フォローのフック
□ 現在の目標達成進捗
□ 患者様の満足度と関係温度
□ 家族・仕事・生活スタイルのメモ

「前回○○のお話をされていましたね。その後どうなりましたか?」——この一言が出てくるかどうかで、患者様の「この院はいつも自分のことを覚えていてくれる」という信頼が生まれます。

この信頼が、どれだけ競合院が増えても「また来たい」と思わせる力の源泉です。


「電子カルテで管理できているから十分」ではない理由

自由診療・美容クリニックにおいて、新規集患(マーケティング)やリピート促進(LINE配信・メルマガ)に強いシステムが重要になりますという指摘があります。

しかし、こうした施策の前提となるのは「患者様を個人として深く理解しているか」という一点です。どれだけリマインドを送っても、どれだけキャンペーンを打っても、「この院は自分のことをわかってくれている」という実感がなければ、長期的なリピートは生まれません。

電子カルテが「施術の記録」を管理するとすれば、EMOROCO CRM Liteは「関係の記録」を管理します。患者様の目標・変化・感情・会話——これらを蓄積することが、CRM4.0が示す「患者様を共創パートナーとして向き合う」実践そのものです。

月1,500円から始められる無料トライアルで、まず既存患者様の「来院目的・目標・来院頻度」を入力することから始めてください。翌日には「今週フォローすべき患者様」が一目でわかる状態になります。
https://www.emoroco.com/


まとめ——自由診療・整骨院 患者管理仕組み化チェックリスト

カスタムフィールドの設計:

  • 「来院目的・短期目標・長期目標・目標達成期限」が設定されているか
  • 「直近来院日・通常来院頻度・来院行動ステータス」が管理されているか
  • 「施術の好み・NG事項・担当スタッフメモ」が記録されているか
  • 「満足度・関係温度・退院リスク・紹介意向」フィールドがあるか

ダッシュボードの設計:

  • 赤・黄・青・緑の4段階アラートリストが設定されているか
  • 「初回来院から2回目未転換患者様」リストが見えるか
  • 担当スタッフ別のリピート率が経営指標として可視化されているか

ワークフローの設計:

  • 初回来院3日後・10日後のフォロータスクが自動生成されるか
  • 目標達成期限1ヶ月前の「次の目標設定準備」タスクが自動生成されるか
  • 来院間隔超過・来院ステータス変化のアラートタスクが自動生成されるか
  • 来院6ヶ月記念・誕生月のフォロータスクが自動生成されるか

運用ルール:

  • 施術後3分で「来院ステータス・施術後メモ・次回のフック」を更新しているか
  • スタッフ交代時に引き継ぎをEMOROCOのレコード確認で完結しているか
  • 毎朝のダッシュボード確認がチームのルーティンになっているか

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この記事を書いた人
松原 晋啓

詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォームドCRM)を世界的に提唱したCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、国内外で多くの賞を受賞している。
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