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体験授業後の「48時間」が入塾率を決める — 学習塾がEMOROCO CRM Liteでフォローを仕組み化する方法

こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。

「体験授業の申し込みはあるのですが、そこから入塾につながらないご家庭が50%程度あります」

これは、ある個別指導塾の経営者から寄せられた悩みです。おそらく多くの塾経営者が、同じ課題を抱えているのではないでしょうか。

チラシを配り、Webで集客し、体験授業に来てもらった。ここまでかけたコストと手間は相当なものです。それが、半数しか入塾に至らないとすれば、最も改善すべきは「集客」ではなく**「体験後のフォロー」**です。

体験授業で入塾しなかったということは塾にとって2点マイナスです。生徒が塾に入ってくれなかったということ、そして入塾してくれなかった保護者がマイナスの口コミを広げる可能性があること——単純に生徒が増えないだけでなく、塾の悪いイメージを友人に伝える可能性もあります

体験後のフォローを仕組み化することは、入塾率の向上だけでなく、口コミ・紹介の質にも直結します。この記事では、EMOROCO CRM Liteのカスタムフィールドとタスク管理・ワークフロー自動化機能を使って、体験後フォローを確実に実行する仕組みの作り方をお伝えします。


なぜ体験後のフォローは「うまくいかない」のか

原因① 体験当日の情報が記録されていない

体験授業の当日、講師・スタッフは様々なことを観察しています。授業中の子どもの反応・集中度・得意そうな科目・苦手な様子。保護者との会話で出てきた不安・他塾との比較・決断の条件——しかしこの情報の多くが、担当者の頭の中だけに残ります。

翌日・翌々日にフォロー電話をしようとしたとき、「あの子、どんな感じだったっけ」「保護者は何を気にしていたかな」と思い出そうとする——この状態では、文脈のある会話ができません。「とりあえずいかがでしたか」という型通りの連絡になり、保護者の心には響きません。

原因② フォローのタイミングが遅すぎる

体験授業後にアンケートを取り、不安点を把握してフォローすることで入塾転換率を高められますという原則は業界で広く知られています。しかし、実際には「忙しくて翌日の連絡ができなかった」「週末を挟んで連絡が遅れた」というケースが頻発します。

保護者は体験後、複数の塾を比較検討しています。体験授業を複数校で比較した家庭ほど入塾後の満足度が高いという傾向があり、2校以上の体験授業に参加してから入塾を決める保護者が半数以上というデータもあります。つまり、体験後は「他の塾の体験授業のアポを取る前」が最も入塾意向が高い瞬間です。この瞬間に連絡できるかどうかが、勝負を分けます。

原因③ フォローが「担当者まかせ」になっている

体験授業の担当が替わったとき、前の担当者が把握していた「あの家庭の事情」が引き継がれないことがあります。また、繁忙期には体験フォローよりも既存生徒の対応が優先され、見込み客への連絡が後回しになります。

体験授業で入塾しなかった見込み客への対応を重視しましょう——という原則があっても、仕組みがなければ「重要だけど緊急ではない」フォローは後回しになり続けます。


体験後フォローの「黄金ルール」——48時間・1週間・3週間

業界の成功塾が実践しているフォローパターンを分析すると、共通の時間軸が見えてきます。

48時間(体験翌日): 鉄は熱いうちに打て。体験の感動が冷めない48時間以内の接触が最重要。

1週間後: 検討が続いている保護者への追加情報提供。「迷っている理由」を丁寧に聞く。

3週間後: 一度見送った保護者への再アプローチ。季節の変わり目・テスト前後などのタイミングと重ねると効果的。

3ヶ月後: 「今は入塾しない」と判断した家庭への長期フォロー。テスト結果・進学の転換期に再度アプローチ。

この時間軸をEMOROCO CRM Liteのワークフローで自動設計することで、「覚えていたらフォローする」から「必ずフォローされる仕組み」に変わります。


EMOROCO CRM Liteで設計する体験後フォローの全体像

ステップ① 体験申込みレコードのカスタムフィールド設計

体験授業の「前・当日・後」で必要な情報をEMOROCO CRM Liteのノーコードカスタムフィールドで設計します。

【体験申込みレコードの必須フィールド】

基本情報:
・生徒の氏名
・学年・学校名
・保護者の氏名・連絡先(電話・メール)
・問い合わせ経路(チラシ/Web/口コミ/紹介 など選択式)
・体験授業日

体験前の情報(問い合わせ時に収集):
・現在の成績への不満(高・中・低)
・検討している他塾(あり・なし・不明)
・保護者の主な懸念(料金/通いやすさ/指導方針/講師との相性 など選択式)
・入塾検討の緊急度(今すぐ/1〜2週間以内/1ヶ月以内/時期未定)

体験当日の記録(体験後すぐに入力):
・子どもの授業中の様子(積極的/普通/緊張していた/集中できていなかった)
・子どもの反応(楽しそうだった/普通/乗り気でなかった)
・授業中に見えた得意科目・苦手科目
・保護者との面談で出た懸念・質問
・保護者の検討状況(前向き/迷っている/他塾と比較中/消極的)
・次回連絡で使えるフック
  (「算数が苦手とのことなので、来週の模試結果を見てからとおっしゃっていた」など)
・フォロー優先度(A:すぐ動く/B:1週間以内/C:長期フォロー)

入塾後の管理:
・入塾日
・選択コース・科目
・月謝
・紹介元(紹介があった場合)

ポイント: 体験当日の記録は「体験終了後30分以内」に入力するルールを決めます。記憶が鮮明なうちに情報を残すことが、翌日フォローの質を決定的に変えます。


ステップ② ワークフロー設計——体験日から自動タスクを生成する

「体験授業日」フィールドが入力されたことをトリガーとして、以下のタスクを自動生成します。

【フォロー優先度「A(すぐ動く)」向けワークフロー】

体験授業日の翌日(24〜48時間以内)
  タスク名:「【最優先】体験翌日フォロー電話」
  担当者:体験を担当したスタッフ
  内容確認項目:
    ・体験当日のメモを確認してから電話する
    ・「昨日の授業、〇〇さんはとても集中していましたよ」と具体的な様子を伝える
    ・保護者の懸念点に対する回答を準備してから電話する
    ・「いつ頃入塾のご判断ができそうですか?」と優しく聞く

体験から7日後
  タスク名:「1週間後フォロー」
  内容:検討状況の確認。「ご不明な点はありますか?」「来週の授業から始められます」と背中を押す

体験から21日後
  タスク名:「3週間後フォロー(最終確認)」
  内容:「今週末、見学だけでもいかがですか?」など低いハードルでの再接触

【フォロー優先度「B(1週間以内)」向けワークフロー】

体験授業日の3日後
  タスク名:「体験3日後フォロー」
  内容:授業の感想確認・迷っている理由の傾聴

体験から10日後
  タスク名:「10日後フォロー・追加情報提供」
  内容:「〇年生の方によくある悩みと、うちの塾での解決事例をお伝えしたい」

体験から30日後
  タスク名:「1ヶ月後フォロー(テスト前のタイミングを活用)」
  内容:「来月のテスト前に集中講座があります」などイベントと絡めた接触

【フォロー優先度「C(長期フォロー)」向けワークフロー】

体験から3ヶ月後
  タスク名:「長期フォロー(3ヶ月後)」
  内容:「先日体験に来ていただいた〇〇さん、その後いかがでしょうか」という近況確認

体験から6ヶ月後
  タスク名:「長期フォロー(6ヶ月後・新学期直前)」
  内容:新学年・新学期のタイミングに合わせた「この春から始めませんか」の提案

学年進学の1年前(生年月から逆算)
  タスク名:「進学前の重要提案タイミング」
  内容:「来年〇年生になる前に、今から始めると有利です」という先手の提案

ステップ③ 体験翌日フォローで「文脈ある電話」をかけるための準備

体験後フォローで最も差が出るのは、翌日の電話の「中身」です。

体験授業の期間で「あなたのお子さん、〇〇の計算が出来るようになりましたよ」などと伝えることも大事です——また、入塾したら〇カ月後には〇〇できるようになる、など見通しを伝えることも大事です

この「具体的な様子の報告」と「入塾後の見通し」が電話の冒頭にあるかどうかで、保護者の反応は劇的に変わります。

EMOROCO CRM Liteで体験当日に入力した情報を、翌日の電話前に「体験当日の記録」として確認します。

フォロー電話前のチェックリスト(EMOROCOで確認する項目):

□ 子どもの名前・学年・学校名
□ 授業中の様子(積極的だった?緊張していた?)
□ 子どもの反応(楽しそうだったか?)
□ 得意・苦手として見えた科目
□ 保護者の懸念・質問(昨日言っていたこと)
□ フォローで使えるフック(何かキーワードはあったか)
□ 他塾との比較状況
□ 緊急度(今すぐ決めたいのか、ゆっくり考えたいのか)

この確認を経てかける電話は、「検討状況はいかがでしょうか?」ではなく「昨日、〇〇さんが英語の長文問題をとても集中して解いていて、最後は自分で答えを出せていましたよ」から始まります。この一言が、「この塾はうちの子を見てくれている」という信頼を生みます。


ステップ④ ダッシュボードで「今週フォローすべき体験者」を一目で把握する

【体験後フォロー管理ダッシュボード】

本日・明日のフォロータスク一覧(最優先)
  → 今日・明日に電話が必要な体験者リスト

フォロー優先度「A」×タスク未完了
  → 翌日フォローができていない体験者。最重要アラート

体験から7日以内・未入塾
  → 検討中の見込み客。週内に接触が必要

体験から30日以上・未入塾・未失注
  → 「検討中のまま」になっている放置見込み客リスト

今月体験予定者一覧
  → 事前準備に使用。体験前に「なぜ来るのか」を把握する

このダッシュボードを毎朝確認することで、「体験者を一人も取りこぼさない」体制が整います。


ステップ⑤ 入塾後も続く「保護者との関係」を設計する

EMOROCO CRM Liteのワークフローは、入塾決定後もフォローを続けます。

入塾日から1ヶ月後
  タスク:「入塾1ヶ月の様子確認・保護者へのご報告電話」
  内容:「最初の1ヶ月、〇〇さんはこんな様子でした」という具体的な報告

入塾日から3ヶ月後
  タスク:「成績変化の確認・次のステップ提案」
  内容:成績の変化を確認し、コース追加・教科追加を自然に提案

テスト2週間前(定期テストの時期に合わせて設定)
  タスク:「テスト前の保護者への一言連絡」
  内容:「もうすぐ定期テストですね。今週から対策に入っています」という安心の報告

成績が上がったとき
  タスク:「口コミ・紹介のお願いのベストタイミング」
  内容:満足度が最高潮の瞬間に「お知り合いでお悩みの方がいらっしゃれば」と伝える

保護者が最も不満を感じるのは成績の向上ではなく、塾からの報告頻度だという調査データがあります。定期的な「報告」が、継続率と口コミ・紹介の両方を生み出します。


「体験後フォロー」が変える塾の経営構造

体験授業後の入塾率が低ければフォローの仕組み化から——ターゲットに合わせた課題の段階を特定して、そこに集中することが最も効率的な集客改善の第一歩です

広告費をかけて集客することよりも、来てくれた体験者を確実に入塾に変えることのほうが、コスト効率は圧倒的に高い。そして入塾した生徒が満足して、保護者が「あの塾は良かった」と口コミしてくれることが、次の体験者を生む最強の集客になります。

EMOROCO CRM Liteは、この「体験→入塾→継続→口コミ」の循環を、仕組みとして設計するためのツールです。

体験授業を担当したスタッフが、授業後30分以内に情報を入力する。翌日のフォロー電話のタスクが自動で届く。電話前に昨日の記録を確認して「文脈のある会話」ができる。1週間後・3週間後のフォローも自動で届く——これがすべて月1,500円から実現できます。

まずは無料トライアルで、次の体験授業から試してみてください。
https://www.emoroco.com/


まとめ——体験後フォロー仕組み化チェックリスト

カスタムフィールドの設計:

  • 体験前の懸念・緊急度フィールドが設定されているか
  • 体験当日の子どもの様子・保護者の反応を記録するフィールドがあるか
  • フォロー優先度(A/B/C)を設定するフィールドがあるか
  • 「フォローで使えるフック」を記録する自由記述フィールドがあるか

ワークフローの設計:

  • 体験日翌日のフォロータスクが自動生成されるか
  • 優先度別に異なるフォローフローが設定されているか
  • 長期未入塾者への3ヶ月後・6ヶ月後フォローが設定されているか
  • 入塾後の保護者フォロー(1ヶ月・3ヶ月・テスト前)が設定されているか

運用ルール:

  • 体験終了後30分以内に当日の記録を入力するルールが決まっているか
  • 翌日フォロー前に「体験当日の記録確認」が習慣化されているか
  • ダッシュボードを毎朝確認するルーティンが設定されているか

関連記事:[EMOROCO CRM Liteで最初の30日間にやること——スモールスタートを成功に変える4週間ロードマップ]

関連記事:[「また連絡してほしい」と思われる営業と思われない営業の違い——顧客心理から逆算するフォロー設計]

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この記事を書いた人
松原 晋啓

詳細プロフィールはこちら
アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はCRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真の"CRMの理念の普及に努めている。
アクセンチュアでCRMを学び、マイクロソフトでCRM2.0(プラットフォームドCRM)を世界的に提唱したCRMの正統後継者にして現役最長のCRM専門家(CRM診断士/CRMドクター)
その後もCRM3.0(パーソナライズドCRM)、CRM4.0(クリエイティブCRM)を提唱するCRMの第一人者としてインタビューを受けたり、国内外で多くの賞を受賞している。
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