Dynamics 365「ビジネス レコメンデーション」の正体 – 紐解くカギは「人工知能」にあり
みなさん、こんにちは。
前回はDynamics 365のプロダクト レコメンデーションをご紹介しましたが、今回は入力画面の業務ルールとして使えるビジネス レコメンデーションについて触れたいと思います。なぜなら、前回投稿の内容を見てくださった方々から「レコメンデーションって他にも機能あったよね?」とコメントをいただき、ちゃんとDynamics 365のレコメンデーションを整理しなきゃなぁと思った次第です。私なりに整理してみたていでブログ書きましたので、違った見解もあるかなと期待したいと思います。
Dynamics 365のレコメンデーションは2種類
Dynamics 365 は2種類のレコメンデーションを提供していると言えます。1つは、前回も紹介した製品カタログのクロスセル/アップセル/付属品の推奨に対応するCognitive Services サービスのRecommendations APIサービスを使用した自動推奨。
もう1つは、エンティティ毎に設定可能な業務ルールで使用できるビジネス レコメンデーションと呼ばれるもの。こちらは簡単に言えば、“こう設定したほうがいいよ”とか“値が変わったからこっちの値も設定の変更が必要だよ”とシステム側から教えてくれます。マイクロソフトのサイトでは“ビジネス インテリジェンスに基づくビジネス レコメンデーション”と表現されているので、レコメンデーションという言葉に惑わされます。
そもそも。ビジネス レコメンデーションってどういう機能?
ビジネス レコメンデーション機能自体は比較的新しく2016年12月アップデートから搭載されたもの(だったかと)です。UIが刷新されました業務ルールから利用できます。
簡単な例で設定してみましょう。取引先企業の項目「国/地域」の値が“アメリカ”に設定された場合、項目「担当地域」に[国/地域がアメリカに設定されたから、担当地域もアメリカに設定しましょう]という格好でビジネス レコメンデーションを作成します。
設定方法は、業務ルールの設定を開き、コンポーネントのアクション欄からレコメンデーションを追加、プロパティ欄で上記の通り条件を設定します。設定を適用し、保存して、アクティブ化します。
これで取引先企業のメインフォームでビジネス レコメンデーションが有効になります。下図のように、ビジネス レコメンデーションではインフォメーションマークが表示され、インフォメーションマークをクリックするとシステム側から設定のレコメンドが表示されます。利用者は教えてくれた条件を適用するか解除するかどうか判断できます。適用すると、条件通りに値が設定されることになります。
これがビジネス レコメンデーションです。JavaScript コードの記述またはプラグインの作成を行わずにフォーム ロジックを適用でき、利用者にレコメンドを適用するかの判断をさせるという特徴があります。
まとめ
if文も広義の意味では人工知能に分類されます。
以前の投稿「Microsoftの人工知能関連製品はこう選ぶ!EMOROCO開発者によるMicrosoft Cognitive Servicesの概要紹介」でも触れましたが、人工知能はレベル1~レベル4に大きく分類されます。
その観点から、プロダクト レコメンデーションとビジネス レコメンデーションをあてはめるとそれぞれ次の通り整理できるのではないでしょうか。
- ビジネス レコメンデーション=>レベル1である制御型の人工知能
- プロダクト レコメンデーション=>レベル4である認知型の人工知能
レコメンデーションという言葉で惑わされましたが、私は人工知能の各レベルに対応した製品機能であると考えると整理できるようになり、機能の使いどころの理解も深まるのではないかと思います。
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