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知識創造研究室 by CRM(xRM)

CRMの可能性:2つのCRM

HP上では【CRMの必要性】について掲載していますが、こちらのブログは「知識創造研究室」ということで未来に向けた【CRMの可能性】について書いていきたいと思います。

CRMの必要性http://www.arcuss-japan.com/first

さて、その前に少し時代を遡って、2000年代前後のCRMブームを見てみましょう。
この時代はまだまだインターネットが成熟していないようなIT革命の序盤、初期のIT革命を支えるIT利活用モデルである「合理化」が進み、パッケージシステムが勢力を伸ばしている時代でした。 そんな中、「CRMシステム」が誕生します。(これが第一次CRMシステムと私が呼んでいる「パッケージ型CRM」になります。)
このCRMシステムはITがまだ合理化にしか達していない中で誕生したため、機能的には「CRMモデル」(下図1参照)における縦のCRMをカバーするしか出来なかったため、全体像は本来のCRMとはかけ離れた存在となりました。 これが一時期「CRM」と「CRMシステム」は異なるものと言われ続けた所以です。

図1 CRMモデル
-?CRM―顧客はそこにいる(村山徹/三谷宏治+アクセンチュア著)からの抜粋 -

CRMとは、元々はリレーションシップ・マーケティングというマーケティング手法から端を発し、One to Oneで消費者のニーズに応えることを目指して生まれてきた経営手法です。
当然ながら、その考えのベースはCRMモデルが示す通り、企業の「全体最適化」を行うためのコンセプトとなっていますので、最下層の一部しか適用出来ない(部分最適化しか出来ない)CRMシステムは自ずと異なる性質を持つ発展を遂げ、様々な市場が生まれました。

簡単に言えば、今の時代のCRMとは下記のような2種類のCRMが存在すると言え、ERPに比べて市場が見えにくい状態になってい理由とも言えます。

1.経営手法のCRM:全体最適化の性質を持つ。
2.ITシステムから発展したCRM:部分最適化(もしくは全体合理化)の性質を持つ。

2つ目のCRMについてはよく目にするITシステムとしてのCRM(SiebelやSAP CRM、Salesforce.comなど)で、日本では今なおCRMと言えばこちらを指す方も多いように思われます。

昔から日本人は部分最適化が得意と言われていましたので、ITによる合理化のフェーズにおいては世界を牽引するIT先進国であったことが経済産業省が公開しているGDPとの比較においても証明されているのですが、やはり全体最適化に関しては苦手なままなのか、ガートナーが提唱する「Bimodal IT」におけるモデル2(存在しないサービスの実現)においては低迷し、今では効果的なIT投資(攻めのIT投資)が行われておらず、IT後進国と言っても過言ではないレベルにまで落ち込んでいます。

実現にはITが不可欠ながら不幸にも2つに枝分かれしていたCRMも、現在のITシステムの発展によって、本来の「経営手法のCRM」を実現するためのシステム「プラットフォーム型CRM(xRM)」として新たに生まれ変わり、容易に全体最適化を”ValueOps”で着手することが出来るようになりました!

私が過去のインタビューでも答えています通り、日本は元々大福帳やおもてなしと言ったCRMの文化が根付いている国なので、正しく全体最適化を実現すれば必ず世界トップクラスのIT先進国となれると信じています。

まだまだCRM市場はパッケージ型CRMとプラットフォーム型CRMの切り分けが出来ておらず、CRMの恩恵を受けられている企業は数少ないのが現状ですが、私は今までコンサルタントや技術者として第一次CRMブームの頃から培ったノウハウとリリース当時から触り続けているプラットフォーム型CRMである「Dynamics CRM」の製品知識を合わせた「パーソナライズドCRM(個客関係管理)ソリューションメソドロジー」から生まれるソリューション製品群によって、お客様ひいては日本全体の力になりたいと考えています。

この記事を書いた人
松原 晋啓

アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はDynamics CRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真なるCRM"の理念の普及に努めている。
また、プラットフォーム型CRM(xRM)の第一人者や CRM の専門家としてインタビューを受けたり、ラジオのパーソナリティも務めている。
インタビュー記事
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