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仕訳帳名(Journal names)について – ERP製品の違いを整理してみる(6)

みなさん、こんにちは。

ERPの違いについて整理してみる第6回です。
中堅中小企業向けERPのDynamics NAVと大企業向けERPのDynamics 365 for Operationsの比較となります。

今回は、会計周りの設定の中で仕訳帳名(Journal names)について触れてみたいと思います。なお、文中意見に渡る部分については、本稿執筆者の私見を含むことをお断りします。

仕訳帳名とは

仕訳を入力する仕訳帳の設定となります。主な設定内容としては、仕訳帳に記帳する対象の業務(用途)と仕訳伝票番号の定義です。尚、業務(用途)につきましては、製品導入においての業務スコープに依存します。

製品による仕訳帳名の違い

仕訳帳自体の基本的な設定や機能については、大きな違いは見受けられないように思いますが、仕訳入力仕様に根本的な差があります。仕訳入力に際し、Dynamics 365 for Operationsでは、借方貸方はそれぞれ項目があり、一覧における金額表示も借方貸方が意識されている為、視覚的にも分かりやすいものとなっております。一方、Dynamics NAVは、仕訳入力、一覧何れにおいても、借方貸方は金額の正負で判断します。

Dynamics NAVの仕訳入力と一覧

金額項目(Amount)は1つです。負数が貸方金額となります。借貸を複数行で入力することも、1行で相手勘定を設定して入力することも可能です。(複数行で入力する場合、貸方行の金額は負数で入力。)
尚、仕訳は、Document.Noにて識別します。

< 仕訳入力画面 >


< 一覧画面 >

Dynamics 365 for Operationsの仕訳入力と一覧

借方(Debit)、貸方(Credit)で項目が分かれている為、仕訳の把握が容易です。入力仕様はDynamics NAVと同様、複数行に分けて入力することも、1行で相手勘定を設定して入力することも可能です。仕訳はVoucherで識別します。

< 仕訳入力画面 >


< 一覧画面 >

借貸を別項目とするのが一般的なのか、正負で識別するのが一般的であるのかは、国や地域に依存するものだと思われます。本稿執筆者も、ある国の会計コンサルから貸方は左側に表記すると聞き、様々な慣習があるものだと感じたことを思い出しました。

ここで、Dynamics 365 for Operationsの仕訳入力に関して日本ローカライゼーションを1つ紹介します。T字勘定仕訳伝票(T-account journal voucher)と呼ばれるもので、簿記の参考書等でもよく目にするT字の仕訳入力画面です。

以上、ERP製品の違い・仕訳帳名(Journal names)についてでした。

この記事を書いた人
杉原 義彦

SIer、パッケージベンダー、システム開発会社を渡り歩き、あらゆる角度からERPビジネスに携わる。
グローバルでのビジネスキャリアが長く、アジア圏、特に東南アジアに精通しておりローカライゼーションを得意としている。

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