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知識創造研究室 by CRM(xRM)

Dynamics365 活動エンティティのビューの「優先度」について

みなさん、こんにちは。

今回は、Dynamics365の活動エンティティのビューに関して、以前ぶつかった問題のことを書きます。

そもそも活動エンティティとは

活動エンティティとは、電話とか電子メール、予定、タスクなど、営業パーソンさんの各種の営業活動を取り扱うエンティティです。(一部の種類の活動は、Outlookとの連動機能もあり、ユーザーさんによっては、もともとOutlookを使われていて、OutlookとDynamicsとの親和性を喜ばれることも多いです。)

技術的には、活動というのは特殊なエンティティです。
電話エンティティとか電子メールエンティティといった活動の種類ごとのエンティティがありつつ、それらを全部まとめて「活動」という1つのエンティティであるかのような振る舞いもします。

今回はそんな活動エンティティに関する問題です。

活動エンティティのビュー

こちらは活動エンティティのビューの1つ、「自分の活動」です。

ログインユーザーが現在どんな活動を抱えているのかを把握するのに使えます。
先ほど説明したように、活動エンティティはいろいろな種類の活動の集合体ですので、タスク、電話、予定などの種類の活動を、ひとつのビューにまとめて表示しています。

では、ここで、ユーザーが自分の手持ちの活動優先順位の高いものから並べて見るために、「優先度」でこのビューを並び替えてみます。
すると、結果は、高→低→標準 の順になりました。

これは、日本語の「高」「低」「標準」という表記の順に並べたものになっているのですが、意味的には、「標準」は「高」と「低」の中間ですから、高→標準→低 の順でないとおかしいです。

こちらは優先度のオプションセットの設定です。

オプションセットの選択肢は、「高」「標準」「低」のような表示時用の名称の裏側に、「高」は「2」、「標準」は「1」、「低」は「0」という数値の設定があります。
この数値の順で並び替えられたらいいのですが、残念ながら表示名でしかビューの並び替えができず、「標準」が中間に来ない、残念なものになってしまいます。

解決策

この問題にぶつかった某ユーザー様の場合、表示名でしか並び替えしなければならないという縛りを踏まえ、選択肢の名称を「2_高」「1_標準」「0_低」のように変更することになりました。

ところが、活動というエンティティの特殊性ゆえか、「優先度」の選択肢の表示名を変更しようにも、設定の変更ができなくなっています。


※この項目、「上書き保存」ボタンが出ていないので、設定内容を変更して保存することができない…

本件について、Microsoftに対処方法を問い合わせたところ、翻訳のエクスポート・インポート機能が使えるということでした。

まずは、活動エンティティだけが含まれるソリューションを作成し、翻訳をエクスポートします。

次に、エクスポートした翻訳の中身を見て、優先度の「高」「標準」「低」が記載されている部分を「2_高」「1_標準」「0_低」に置き換えます。(念のため、修正前の状態の翻訳データのバックアップを取っておくことをお勧めします)

最後に、修正後の翻訳データを、再度インポートします。

こうして、優先度の表示名が置き換わり、活動のビューで優先度の高い順に並び変えることが可能になりました。

おわりに

活動エンティティは、他のエンティティとは違う特殊な性質があり、それが便利である反面、思い通りにカスタマイズしようと思ったときに、他のエンティティに比べて融通が利きにくい面もあります。
こうした制約や解決策の事例がまたありましたら、ご紹介させていただこうと思います。

この記事を書いた人
s.motokawa

2013年に某大型プロジェクトでDynamics CRMに出会い、2018年よりArtisan(Arcuss Japan)へ。
今後も様々なDynamics案件を通じて、ノウハウをさらに積み上げていきたいです。

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