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知識創造研究室 by CRM(xRM)

Dynamics365 業務プロセスフローが表示されない原因は?

みなさん、こんにちは。

今回は、大した話ではありませんが、Dynamics365に関するちょっとした失敗談(?)です。

Dynamics365には様々な機能があり、それらを組み合わせてお客様のやりたいことを実現していきますが、設定・開発した機能が思った通りに動作せずに悪戦苦闘することもあります。
原因を調べた結果、自らの凡ミスだったこともありますし、Dynamics自体のバグだったという場合もあります。

そんな中から今回取り上げるのは、「業務プロセスフローを作成したのに、なぜか表示されない」という事例です。

業務プロセスフローは、下図のようにフォーム画面の上部に配置される帯です。(この例は、標準の営業案件エンティティに配置された業務プロセスフローです。)
業務の流れをいくつかのステージに分けて図示し、現在どのステージにいるのか、各ステージで最低限入力すべき項目が何か、等を表現することができます。

今回の状況

当時の状況を再現してみます。

まず、適当なカスタムエンティティ「社内申請」を作ります。

「社内申請」のフォームを作成し、サイトマップにも「社内申請」を配置しておきます。

これで、フォームから「社内申請」のデータの作成ができるようになりました。

次に、このエンティティに対して、業務プロセスフローを配置してほしいと、お客様に要望されたとします。

そこで、エンティティ「社内申請」に対する業務プロセスフローを新規作成します。

業務プロセスフローの編集画面で、手始めに2つほどのステージを配置してみました。


ここで、画面上に配置した際の動作を確認してみようと思い、アクティブ化してみます。

さっそく、業務プロセスフローの動作を確認するために「社内申請」の新規フォームを立ち上げてみますが、業務プロセスフローは表示されていません。

「新規フォームだから表示されていないのか?」と思って、test2というレコードを保存してみましたが、フォームが編集モードになっても業務プロセスフローは表示されないままです。

本当にアクティブ化できているか確認する、ブラウザのキャッシュをクリアしてみる、などしましたが、表示されない理由がわからず、しばらくはまり込んでしまいました。
皆さんは、何が足りないのか、お分かりになるでしょうか?

参考:業務プロセスフローの管理エンティティ

ちなみに、新しい業務プロセスフローを作成すると、その業務プロセスフローを管理するためのエンティティというものが自動的に生まれます。業務プロセスフローの名称と同じ名前を持つエンティティになります。

ためしに「高度な検索」を見てみます。すると、エンティティの一覧で「社内申請」の隣に「社内申請フロー」というものが存在しています。これは先ほど作った業務プロセスフローのエンティティです。


この、業務プロセスフローのエンティティのレコードを見てみると、1件ほど作成されていることが分かります。


先ほど「新規フォームだから業務プロセスフローが表示されないのかと思って、試しにtest2というレコードを保存してみたが駄目だった」という試行をしましたが、このタイミングで上記のレコードができています。したがって、どうやら裏ではちゃんと業務プロセスフローが動作しているように思えます。

※この件に限らず、何か機能が動作していないように見える問題にぶつかったときに、「データの実態が存在していない」のか、それとも、「存在しているけれども見えていないだけ」なのかという切り分けを行うことが有効な場合があります。

答え合わせ

この問題、回答としては「アプリの設定で業務プロセスフローが選択されていない」とうことでした。

モデル駆動アプリの設定画面に、そのアプリで使用する業務プロセスフローにチェックを入れる欄があるのですが、新規作成した業務プロセスフローにチェックが入っていないため、表示されていなかったわけです。

モデル駆動アプリの設定画面から、そのアプリで使用する業務プロセスフローにチェックを入れますと、無事、画面表示されるようになりました。

おわりに

Dynamicsの開発の難しさの1つは、とにかくWeb上に落ちている情報が少ないことです。
これが、例えばExcelだったら、「Excel 〇〇 表示されない」とググれば、普通に思いつくような大抵の疑問点には瞬時に答えが出るものと思います。
しかしDynamicsに関してはそうもいかず、検索結果の上位何件目から下はDynamicsと無関係なページばかりになってしまうことも珍しくありません。
そんなわけで、ちょっとした話題であっても、「こんなところで引っかかった。こうやったら解決した。」のような事例をWeb上に載せることは意義があるものと考え、今後も機会があれば紹介していきたく思います。

この記事を書いた人
s.motokawa

2013年に某大型プロジェクトでDynamics CRMに出会い、2018年よりArtisan(Arcuss Japan)へ。
今後も様々なDynamics案件を通じて、ノウハウをさらに積み上げていきたいです。

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