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「あの案件、取れると思っていたのに」を防ぐ — ITベンダー・SIerがEMOROCO CRM Liteのカスタムフィールドで商談の競合・決裁者・リスクを可視化する方法
こんにちは、CRMエバンジェリストの松原です。
「先月まで手応えがあったのに、突然『他社に決まりました』と連絡が来た」
IT・SIer業界の営業マネージャーから、最もよく聞く失注パターンです。
なぜこうなるのか。答えは単純です。案件の「本当の状態」が見えていなかったからです。
担当者は「いい感触です」と言っていた。しかし実際には——決裁者にアクセスできていなかった、競合他社がすでに深く入り込んでいた、予算承認のプロセスが変わっていた——こうしたリスク因子が水面下で進行していたのに、誰も把握していなかった。
SIerの営業チームが属人化を防ぐためにはCRMの活用が不可欠で、リードがどの段階にあるか、どんな課題を持っているかをリアルタイムで把握できることで営業担当者間の連携が強化される——この原則は業界全体で認識されています。しかしその「リアルタイム把握」の中身が、担当者の主観的な「感触」にとどまっている限り、マネージャーは本当のリスクを把握できません。
この記事では、EMOROCO CRM Liteのノーコードカスタムフィールドを使って、BtoB・IT商談特有の「決裁者構造・競合状況・失注リスク因子」を客観的に可視化し、マネージャーが手遅れになる前に介入できる仕組みを構築する方法をお伝えします。
ITベンダー・SIer商談が抱える「4つの構造的な見えなさ」
見えなさ① 決裁者に「会えていない」のに会えていると思っている
BtoB・IT商談の最大の失注原因の一つが、決裁者への接触不足です。
窓口担当者(現場のIT担当・情報システム部など)との関係は良好でも、実際の決裁は別の役員・経営層が行う——これはBtoB商談では日常的なパターンです。しかし担当者は「先方の担当者が社内で動いてくれる」という楽観で商談を進めがちです。
SIerなどIT業界では顧客の要件が複雑であり、初期段階で効率よく情報収集と適切な案件選別を行うことが求められる——にもかかわらず、決裁者へのアクセス状況が管理されていない商談は、土壇場で「上が認めなかった」という理由で失注します。
見えなさ② 競合の「深さ」が可視化されていない
「競合は○○社さんが入っているようです」——この程度の情報で競合状況を管理している商談は危険です。
競合が「名前を聞いたことがある程度」なのか、「すでに数回提案している」のか、「担当役員と個人的なつながりがある」のかによって、自社が取るべき戦略はまったく異なります。この「競合の深さ」が把握されていなければ、適切な対抗策が打てません。
見えなさ③ 商談の「温度感」が担当者の主観に依存している
「確度は70%くらいです」——マネージャーが月次報告でこう聞いたとき、その70%の根拠は何でしょうか。多くの場合、担当者の感覚です。
感覚は否定されるべきものではありませんが、それだけではマネージャーが適切なサポートを判断できません。「予算は確定しているか」「社内の競合製品はあるか」「導入推進者(チャンピオン)は誰か」「反対している人物は誰か」——こうした構造的な事実が数字と選択肢で記録されていることで、初めて客観的な確度判断ができます。
見えなさ④ 「2週間動きがない案件」がマネージャーから見えない
最新の顧客情報や対応履歴が即座に共有されないことで担当者間での認識の齟齬が生じ、顧客に対して一貫性のない対応や重複したコミュニケーションをしてしまう可能性がある——この問題の核心は「見えなさ」です。
商談が止まっているとき、担当者は「様子を見ています」と言います。しかし実態として、2週間以上アクションがない案件は急速に温度が下がっていることが多い。マネージャーがリアルタイムでこれを把握できる仕組みがなければ、手遅れになってから気づきます。
EMOROCO CRM Liteで構築する「商談可視化の全体設計」
ステップ① 案件レコードのカスタムフィールド設計——「勝敗を決める情報」を定義する
EMOROCO CRM Liteのノーコードカスタムフィールドで、IT・BtoB商談に特化した情報を設計します。
【案件レコードの必須フィールド】
基本情報:
・案件名(例:A社 基幹システム刷新プロジェクト)
・担当顧客(顧客レコードと紐付け)
・見込み受注金額
・商談フェーズ(初回ヒアリング/提案中/見積提出/クロージング/受注/失注)
・クローズ予定日
・担当営業
【決裁者・組織構造フィールド】(最重要)
キーマン情報:
・窓口担当者名・役職
・社内推進者(チャンピオン)の名前・役職
(例:「情報システム部 田中部長:社内でDX推進に熱心。味方」)
・最終決裁者の名前・役職
・決裁者へのアクセス状況(未接触/間接接触/直接接触/関係構築済み)
・社内反対者・懸念者
(例:「経営企画 鈴木課長:コスト意識が強く予算承認に慎重」)
・意思決定プロセスの把握度(不明/概ね把握/詳細把握)
予算・プロセス:
・予算の確保状況(未確定/承認申請中/確保済み)
・予算承認の決裁階層(何段階あるか)
・次回の意思決定タイミング(例:「4月の役員会議で最終承認」)
【競合状況フィールド】
競合情報:
・競合他社名(複数可)
・競合の接触深度(名前のみ/提案済み/深く入り込んでいる/独占的関係)
・競合に対する自社の優位点
・競合の強みと自社が劣る点
・競合の提案価格帯(感触)
・顧客の競合評価(自社優位/五分五分/競合優位/不明)
【失注リスクフィールド】
リスク判定:
・総合的な失注リスク(低/中/高/緊急)
・リスク因子(複数選択式):
□ 決裁者未接触
□ 競合が深く入り込んでいる
□ 予算未確定
□ 社内推進者(チャンピオン)が不在
□ 社内反対者の影響が強い
□ 2週間以上アクションなし
□ 競合製品が社内で既に利用されている
□ 顧客担当者の変更があった
□ 予算期が変わった
商談確度:
・受注確度(選択式:A=80%以上/B=50〜80%/C=20〜50%/D=20%未満)
・確度判定の根拠(自由記述:なぜそう判断したか)
【次のアクション】
・次のアクション内容
・次のアクション期日
・必要なサポート(なし/マネージャー同行/役員挨拶/技術者同行/資料作成支援)
ステップ② ダッシュボード設計——マネージャーが「今介入すべき案件」を朝5分で把握する
【IT・BtoB商談 マネージャーダッシュボード】
【赤アラート】今週必ず介入する案件
条件:「失注リスク:高または緊急」
または「次のアクション期日から5日以上経過している」
または「クローズ予定日まで2週間以内 × 確度B以下」
→ マネージャーが担当者と緊急で対策を話し合う。
必要であれば役員・技術者同行・追加リソース投入を即断する。
【黄アラート】今月要注意案件(週次でモニタリング)
条件:「決裁者未接触 × 確度A・B」
または「競合の接触深度:深く入り込んでいる × 自社優位でない」
または「最終アクションから10日以上経過」
→ 決裁者へのアクセス戦略を担当者と話し合う。
競合対策の追加提案・差別化ポイントの強化を検討する。
【受注確度別パイプラインビュー】
A案件(80%以上):今月クローズが見込まれる案件
B案件(50〜80%):来月以降のクローズが見込まれる案件
C案件(20〜50%):要強化・または見切りを判断する案件
D案件(20%未満):優先度を下げる or 失注処理を検討する案件
→ 各フェーズの案件数・金額合計で「今月・来月の着地予測」を算出
【失注リスク因子分析ビュー(月次)】
先月の失注案件のリスク因子を集計:
→「決裁者未接触での失注が40%」なら決裁者へのアクセス強化が最優先
→「競合深入りでの失注が30%」なら競合対策ワークショップを実施
→ 失注パターンの構造的改善に活用
【2週間以上アクションなし案件リスト】
→ 担当者が「様子を見ています」という状態の案件を自動検出
→ マネージャーが「なぜ止まっているか・次に何をするか」を週次確認
ステップ③ 商談フェーズ別の「通過条件」を定義する
EMOROCO CRM Liteでフェーズ管理をより実践的にするために、各フェーズへの「進める条件」を明確に定義します。
【フェーズ移行の条件定義】
初回ヒアリング → 提案中に進める条件:
✓ 課題・ニーズのヒアリング完了
✓ 概算予算感の把握
✓ 社内推進者(チャンピオン)の特定
提案中 → 見積提出に進める条件:
✓ 提案の方向性が顧客に合意された
✓ 決裁者または決裁プロセスの把握
✓ 競合他社の有無・状況の把握
✓ 予算確保の見通しあり
見積提出 → クロージングに進める条件:
✓ 見積内容に対する顧客のフィードバックあり
✓ 決裁者への直接・間接アクセス済み
✓ 社内反対者への対策が取られている
✓ 競合に対して自社の差別化が明確に伝わっている
この条件定義をチーム内で共有することで、「なんとなく提案中」「なんとなくクロージング」という曖昧なフェーズ管理がなくなります。フェーズを前に進めるためには、定義された情報を入力・確認する必要があるため、CRMへの入力が「業務の一部」として自然に定着します。
ステップ④ 商談後の「情報更新3点セット」を2分で完結させる
顧客との接触(訪問・電話・メール)後に、以下の3項目を2分で更新するルールを設けます。
【接触後の必須更新(2分ルール)】
1. 次のアクション内容と期日
(例:「来週水曜に技術者同行で再提案」)
2. 決裁者・競合状況の変化
(例:「田中部長が来月の役員会議に諮ると言った。競合のA社も同時期に提案予定とのこと」)
3. 失注リスクの更新
(リスク因子チェックボックスの更新と確度の再評価)
この「2分ルール」を徹底することで、商談の「今の実態」がリアルタイムでダッシュボードに反映されます。マネージャーは週次報告を待たずに、今日の時点での全案件状況を把握できます。
ステップ⑤ 失注案件を「学習資産」に変える
受注・失注が確定したとき、以下の情報を必ず記録します。
【失注分析フィールド】
・失注理由(選択式):
□ 価格(見積が高かった)
□ 競合に負けた
□ 機能・品質が要件を満たさなかった
□ 関係性(競合の方が信頼された)
□ 決裁者にリーチできなかった
□ タイミング(予算期ずれ)
□ 顧客内の方針変更
□ そもそも案件がなくなった
・競合が勝った場合の勝因(推測含む)
・次回同様の案件で取るべき対策
・教訓メモ(自由記述)
この記録が3〜6ヶ月蓄積されると、「うちの会社は決裁者への接触が遅い案件の失注率が70%」「競合のA社に対しては技術的優位性の訴求より価格交渉の方が有効」といったパターンが見えてきます。
勘と経験頼みで仕組み化されていないのが現実で、属人の壁を打破するために「商談化率25%アップ、契約金額15%増の勝ちパターン」をデータから導くことが重要——まさにこの「勝ちパターンの抽出」を、EMOROCO CRM Liteの失注分析データから実現できます。
「月次報告のための会議」をなくす
多くのIT・SIer企業の月次営業会議は「報告のための会議」です。担当者が口頭で「○○社は来月頑張ります」「△△社は感触がいいです」と話し、それを聞いたマネージャーが「わかりました、引き続きよろしく」と言って終わる——この会議は何も変えません。
EMOROCO CRM Liteのダッシュボードが整備されると、週次ミーティングの内容が根本から変わります。
変化前(報告の会議): → 担当者が一人ひとり口頭で案件状況を説明 → マネージャーが「感触はどうですか?」と聞く → 「大丈夫です」で終わる
変化後(意思決定の会議): → ダッシュボードの赤アラート案件3件を全員で確認 → 「A社案件は決裁者未接触が2ヶ月続いている。来週役員同行しよう」 → 「B社案件は競合が深く入っている。技術的差別化の追加提案が必要。誰が動けるか?」 → 具体的なアクションを決めて終わる
この変化を可能にするのが、「商談の実態が数字と選択肢でリアルタイムに可視化されている」状態です。
月1,500円からのEMOROCO CRM Liteで、まず現在進行中の商談に「決裁者アクセス状況」「競合の接触深度」「失注リスク因子」を入力することから始めてください。翌朝のダッシュボードに「今週介入すべき案件」が浮かび上がります。
https://www.emoroco.com/
まとめ——IT・BtoB商談可視化チェックリスト
カスタムフィールドの設計:
- 「決裁者名・アクセス状況・意思決定プロセス把握度」が設定されているか
- 「社内推進者(チャンピオン)・社内反対者・懸念者」のフィールドがあるか
- 「競合他社・接触深度・顧客の競合評価」が管理されているか
- 「失注リスク判定・リスク因子(チェックボックス式)」が設定されているか
- 「受注確度・確度判定の根拠・次のアクション期日」が入力されているか
ダッシュボードの設計:
- 赤アラート(緊急介入)・黄アラート(要モニタリング)が設定されているか
- 確度別パイプライン(A/B/C/D)と今月・来月の着地予測が見えるか
- 「2週間以上アクションなし案件」が自動検出されているか
- 失注リスク因子の月次集計ビューが設定されているか
フェーズ管理の定義:
- 各フェーズへの「通過条件」がチームで合意・共有されているか
- フェーズ変更時に必要情報の入力が促される設計になっているか
失注学習の仕組み:
- 失注時の「失注理由・競合の勝因・次回対策」が記録されているか
- 月次で失注パターンを分析し、営業戦略の改善に活用されているか
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