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知識創造研究室 by CRM(xRM)

CRMの必要性:オムニチャネルとIoT(Internet of Things)

今までは【CRMの可能性】について筆を進めてきましたが、お客様と話している中で【CRMの必要性】をもう少し掘り下げていく必要性を感じましたので、補足する形で書いていきたいと思います。

HP上の【CRMの必要性】では、日本はIT後進国と言えるほどIT投資に関して先進諸国に後れを取っているどころか、合理化フェーズから脱却すら出来ていないことを経済産業省等が出しているレポートから触れてきたわけですが、近頃弊社にコンサルティングの依頼が多いオムニチャネル戦略を例に取って「なぜ、CRMなのか?」、そして「CRMをどう使うべきか?」を見てみたいと思います。

オムニチャネルとは、簡単に言えば店舗やWeb、コールセンター、営業パーソン等マルチチャネル化で増やしてきたチャネルを相互連携させて個客に対して各チャネル単独では出来なかったサービス(例えば、O2Oやナーチャリング等のマーケティング施策)の提供に活用しようという試みのことです。(図参照)
マルチチャネルとの大きな違いは、それらのチャネルを相互連携させるためにデータ活用のための統合情報データベースが必要になるということです。

知識創造社会では「知の集合体(関連知)」の活用と創造が必要で、そのために必要とする経営手法が「CRM」であると触れたと思いますが、オムニチャネルにおける統合情報データベースこそ「関連知」となるわけですが、そのためにCRMシステムの導入が不可欠となります。
ここで一番重要となるのが、弊社が持つコールセンターテンプレートで対象となることが多い通販業界によくある外部ECサイトとの接続先となるOMS(Order Management System)との住み分けではないかと思います。(SCMで出てくるWMSの中のOMSとは厳密には別物で、WMSそのものは基幹システムとしてCRMとバックグランド接続します)

マルチチャネルはチャネルさえ増やすことが出来ればよかったため、接続先のシステムが統合されていなくても注文処理が出来ればよかったわけです。
しかしながら、オムニチャネルにおいては相互連携が前提となっているため、最終的に顧客情報で統合化されていて、O2O(Online to Offline)等で活用出来る状態になくてはなりません。 ここを間違ってしまってはマルチチャネルの延長にしかならず、到底オムニチャネル化には届かなくなってしまいますので、戦略策定段階からシステム化要件の検討をしっかりとやっておく必要があることを注意する必要があります。

なお、通販業界だけでなく、ホテル業界や旅行業界等でも外部ECサイトからは顧客情報が来ないこともあるため、接続先がCRMではなくOMSとなっていることも多く、チェックイン後も顧客情報と紐づかないことが多いため、弊社ではそれを解決するためのオムニチャネル型ソリューションとして統合型リゾート向けソリューションを展開しています。

ちなみに、昨今言われている「IoT(Internet of Things)」ですが、CRM的に見ると増やせるチャネルが広がっただけでやるべきことは大きく変わらないのですが、弊社ではロボットや工業機械、センサー等を活用するMtoM、HtoMをチャネルに追加するとデータ量が膨大になってしまうため、人がデータを活用するためには適切な情報を提示するための人工知能(AI)が不可欠と考えていますので、これらのソリューションには人工知能エンジンを搭載し、情報の分析等を行う仕組みとなっています。

また、オムニチャネル戦略を実現するためには各チャネルとの連携の他に、上記でも触れたようなOMSやWMS、それ以外の多くの基幹システムとの連携も不可欠になります。当然ながら、ひとつひとつI/Fの連携プログラムを開発していくのは時間とリスクの面でもナンセンスですし、今の進化したIT技術と時代の流れの早さの中でスクラッチで開発することは無駄な投資としか思えません。そういう場合はEAIツールを選択するのが定石ですが、弊社ではNo.1 EAIツールであるインフォテリア社の「ASTERIA WARP」のDynamics CRM用公認アダプターを販売提供していますので、これらのソリューションにはASTERIA WARPを使うことを推奨しております。

ASTERIA WARP専用 「Microsoft Dynamics CRM アダプタ」提供開始

※ Dynamics CRMの運用支援を得意とする弊社では、データ連携/データ移行の支援も数多く行っているため、ASTERIAアダプターの他にオリジナルのハイパフォーマンスデータ移行ツールを持っており、5月からCRMサービスとして運用保守/CRM定着化支援定額パックの提供も予定しております。

最後に、オムニチャネル戦略はCRMにおけるマーケティング、営業、コンタクトセンター、アフターサービスの全てのアプリケーション機能を活用するベースとなり、弊社ではそれらのソリューションのことを「パーソナライズドCRM(個客関係管理)」ソリューションと呼んでおり、上記の統合型リゾートソリューションやBtoC販売店向けソリューションなど続々とソリューション製品の開発・提供を行っております。ブログ上でそれらの紹介もしたいと思ってますが、それはまたのお楽しみということで!

この記事を書いた人
松原 晋啓

アクセンチュア等でSE、アーキテクト、コンサルタント、インフラジスティックスでエバンジェリスト(Microsoft MVP for Dynamics CRM(現 Microsoft MVP for Business Solutions))、マイクロソフトでソリューションスペシャリスト(Dynamics CRM製品担当)を経て、現在はDynamics CRMを専門に扱うサービスチームを率いて大小様々の企業のCRM導入や事業立上げを支援、その傍らでCRMエバンジェリストとしてイベントや記事寄稿を通じて"真なるCRM"の理念の普及に努めている。
また、プラットフォーム型CRM(xRM)の第一人者や CRM の専門家としてインタビューを受けたり、ラジオのパーソナリティも務めている。
インタビュー記事
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